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寄席は“宝石箱”である

わたしのちょっとした趣味に、アクセサリーコレクションがある。

装飾品が好きだというよりは、むしろ天然鉱物が好きで、それを身に付けることに気を良くしているタイプである。


高価でなくて良い。
ブランドでなくて良い。


でも、

ゴールドもパールもストーンも本物が良い

という密かなこだわりがある。


もちろん、イミテーションにはイミテーションの良さと、それに相応しいTPOがあるから、それはそれでキライではない。

ただ、本物を永く大切に使いたい。

まぁ、そう言ってる自分自身が好きなだけかもしれない。

ジュエリーボックスから、キラキラしたのを取り出しては眺め、眺めては磨き、溜め息をつくことが単純に好き。



そんなわたしに言わせれば、寄席は“宝石箱”である。


蓋をそっとひらけば、色とりどりの“宝石たち”が、すべての五感と喜怒哀楽を越えた感情を揺さぶってくれる。とても心地よい。



中でも一番のお気に入りの宝石箱は、連雀亭


連雀亭


ここは東京淡路町にある、二ツ目の落語家さん(他には講談師や浪曲師も)が勉強に使う小屋の1つ。

収容人数38名の小さな可愛いお部屋。

驚くほど狭い高座は、かえって噺家さんたちが大きく迫力あるように見えて良い。

そして、神経質なオーナーさんと噺家さんたちのお手入れのおかげでいつでもぴかぴか小綺麗。

つい先日までは、神田松之丞氏(現・神田伯山)も出演していた。


ここでは365日、日々二ツ目さんたちが腕を磨きながら落語を披露している。

そう、365日無休で。

今回の、首都圏外出自粛要請が出るまでは。



小さな宝石箱の中は毎日が本当に華やかだ。さまざまな個性が溢れ出して、めくるめくエンターテイメントの嵐。

演者さんたちの息遣い、張る声量、流れる汗までも貴いよなぁ、と惚れ惚れしてしまう。

こんなにもハートを削って、魂を磨いて、誰よりも輝こうと懸命な姿に胸を焦がされる。


嗚呼。
泥臭くて、美しいなぁ、と。



この世界全体を覆うような“喪”があけたら、ひとりでも多くの人が寄席に足を運んでくれたらと願いつつ、今これを書いている。

目の前の限られた物資を我れ先にと奪い合って買い込むエネルギッシュなパワーがあるなら、、、

それを、無形芸術の価値に全力で注ぎ込んだほうが、ささくれだって疲弊したハートが潤うかもしれない。



高価でなくても良い。
ブランドでなくても良い。

ただ、わたしは、日々を大切に前向きに生き続けてゆくために、
“ハートの健康”だって大切にしたい。

やっぱり、“本物”を大切に永く見守り続けてゆきたい。






・・・「って言いながら、トップの画像イミテーションじゃん!」
って心の中でツッコミ入れてくれた人、『スキ』押してくれたら嬉しいなー。

「なんなら、『セボンスター』よろしく増田セバスチャン』かよっ!」
とまで思ってくれた連想力豊かな懐古主義なアナタには、是非ともフォローまでしていただきたいわー。笑




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