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楽園マップ2 移動式遊園地DOM(ハンブルク・ドイツ)

世界の楽園を紹介する楽園マップ、今回はドイツより移動式遊園地の紹介です。

2022年に東欧の何ヶ国かを回って、最後にドイツにたどり着いた。旧東側諸国と西側諸国の対立の最前線だった首都ベルリン、アジア以外であまり見たことのない日本人ストリートが存在するデュッセルドルフ、日本の鹿児島ぐらいの地方都市に突然金融街が現れるフランクフルトなど、どれも個性があって面白かった。今回はそんなドイツから、ベルリンに次ぐ第2の都市ハンブルクで見た移動式遊園地を紹介したい。

日本人は花火は好きだ。花火のどこが魅力なのかを考えると、やはり、パッと夜空に現れて、跡形もなく消えてしまうからだと思う。桜の時期の花見然り、消えてしまう儚いものに惹かれる習性があるのだ。ではあの楽しい遊園地がパッと現れて消えてしまうのはどう?

ハンブルクの道を自転車で走ってると、突然「DOM」と書かれたネオンサインが街中に現れた。なんか楽しそうな施設なのは伝わってくるけど、全く中身がわからない。ただ、人が吸い込まれるように入っていく。

DOM?

これは入ってみなきゃいけないと入ったら、めちゃくちゃ大きな移動式遊園地だった。遊園地というのは行こうと思って訪れるわけで、突然目の前に現れるということはあまりない。だが、ドイツならある。なぜなら移動式だから。

入ってみるととにかくめちゃくちゃ大きい。海外含めたくさんの場所に行ったが、これほど大きな移動式遊園地は見たことがなかった。

観覧車やジェットコースターなど、移動式? と疑う設備が多い

突如街中に現れた遊園地。そこに入ると、不思議な感覚に襲われた。童心に返って世界を見ているような感覚。どうやら「突然現れて吸い込まれた」という偶然性が不意打ちとなって僕を童心に返したのだろう。さらに言えば、ディズニーなど、テーマパークと呼ばれる遊園地の上位互換のようなものには行く。だが、あの、子供の頃行ったオーソドックスな遊園地はもはやノスタルジーを感じる場所になりつつあるかもしれない。そのことが、余計に私を童心に返したんじゃないか。子供に戻って全く別の人生をこれから始めるみたいな感覚。

移動式遊園地、最高。楽園にふさわしい場所。まず、遊具を移動して都市の真ん中に置こうという発想が素晴らしい。

僕はこの旅でドイツの印象を大きく良くした。街ゆく人も親切だし、日本人だからと言って下に見られることもない。

ドイツ人というのはヨーロッパの中でも真面目だけど堅物のイメージはないだろうか? そんなことはない。ドイツ人は遊びに本気だ。ベルリンのクラブは最高にかっこいいし、世界中で売られているボードゲームはドイツ製が多いし、このような移動式遊園地もあるし、要するに遊びも仕事も本気の人種だということに気づいた。遊びだからと手を抜かない。それが、ドイツ人の美学である。ぜひ、こんな面白い偶然のあるドイツを旅の候補に加えて欲しい。

この記事を書くに当たって、この場所を探したが、もはや地図上には存在しなかった。なぜなら移動式だからである。

(ここは大きなお祭りをやったりイベントスペースのような場所みたいです)

※当記事は以下のメールマガジンより抜粋したものです。面白いと思ったらこのような記事を週に1度配信している下記のメールマガジンをご登録いただけると大変ありがたいです。


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