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楽園映画7 歌声にのった少年(ガザ地区/パレスチナ)

私は特派員ではないので、戦争があるからと言っていろんな場所に出向くことはできません。旅行ができなくなれば、それまでです。でも、各国の映画を見るのが趣味なので、ガザ地区で戦争と聞けば「ああ、あの映画の舞台だった場所か」と思い出すことができます。そしてそれは日本にいるあなたにもできることです。ニュースを見てその地域が理解できなければ、映画を見ることです。映画は大抵、その地域の苦悩とか、生きづらさが生々しく表現されていて、まったく想像もつかないような世界を少し身近にしてくれます。

前回はロシアでしたが、今回はガザ地区。2015年の映画ですので、当然現在の状況は描かれていません。ただ、予告編を見るだけで、この地域には空爆が絶えず行われていることや、日本を含む先進国では容易に手に入る医薬品が手に入らないことが伺えます。そう、ガザ地区はずっと、ずっと、戦争前からそうだったのです。だからこそテロまがいの組織であるハマスを国民が支持したのかもしれません。

この映画の主人公は何も持っていない少年でしたが、唯一、歌を歌うことだけはうまかったのです。その事が彼の運命を大きく変えました。この映画では最終的に少年は報われます。でも、この国には大多数の報われない少年少女がいることを忘れてはいけません。が、それでも希望を灯し続けるこの映画を私は支持します。


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