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言ってみればタイの地獄めぐりお遍路ムービー プアン/友だちと呼ばせて(パタヤ他・タイ) (楽園映画5)

言ってみればタイの地獄めぐりお遍路ムービーです

好評の映画紹介コーナー。今日はタイの映画プアン/友だちと呼ばせて。タイは経済的には発展途上国に類しますが、映画においても発展途上です。2010年ごろまでは、世界的な水準からすると少し弱い映画を作っていました。でも、ここ数年のタイ映画は、確実に前年を上回るような大作が出てきていて、この勢いなら確実に次なる映画大国になると予言しておきます。すれ違いのダイアリーズ」「ホームステイ ボクと僕の100日間」「バッド・ジーニアスここに挙げたのはすべてここ数年内に公開されたタイ映画ですが、どれも世界水準の素晴らしい映画だと思います。でも、「プアン」を見て、私のタイ映画ベストは更新されました。毎年ベストを更新し続ける作品を出してくれるタイ映画から目が離せません。少し前の韓国映画の勢いを見るようです。

この映画は、余命宣告された男が友人と共に、かつて交際していた女性に再会する「地獄めぐりお遍路ロードムービー(笑)」です。あなたは、かつて別れた交際相手に1人づつ会って話す勇気はありますか? 後味悪く別れた交際相手は、ある人は成功して、この人の可能性を奪っていたのは自分だったんだと気づいたり、ある人は歳を取って元気をなくし、それはどこかで自分のせいかもしれないと気を病んだり。行くも地獄、戻るも地獄、何もしなけりゃ余命で死ぬ、なんて具合で、八方塞がりになってもとにかく微笑みと馬鹿騒ぎのタイですから、飲んで騒ぐしかないですよね。そういう地獄の果てにたどり着いた本当の友情ってなんでしょうか。

すべてのロードムービーと同じく、この映画も影の主役はタイの景勝地です。タイは本当に素敵な国だとこの映画を見て思いました。今年も早くタイに行きたいです。最後の方に登場するのは、バンサレービーチというタイのビーチですが、こここそ人生の最後に出会う楽園って感じでしょう。

政策総指揮はあのウォン・カーウァイです。悪くなりようがありません。出てくる俳優も日本人みたいな顔した人が多いですし、そういう意味でも見てほしい。週末に私を信じて、2時間弱の時間を映画に費やしてみてください。

ラストシーンで登場するバンサレービーチ。パタヤから比較的簡単にアクセスできます


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