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楽園マップ5 オールドスーク(ドバイ・UAE)

中東の市場(スーク)が持つ特別なオーラについて

世界中、市場という場所は素晴らしいです。遺跡や建造物の類は、良かったり良くなかったり。でも市場だけは世界中どの都市に行っても、ちゃんと人がいて活気があればあますことなく素晴らしい場所だと思います。私は資本主義の国に生まれましたが、物を売ったり買ったりするという行為をベースにするというこの資本主義の考えは、貧富の差を生み出したのかもしれませんが、なかなか優れていると感じます。武士や戦士になって殺し合うより、王様になって国民から税金を徴収するよりも、私は商人でいたいと思っています。だから商いの原風景のような市場が大好き。市場が活気ある都市ならば、いい都市と言えるかもしれません。

そして市場の中でどの市場が素晴らしいかと言えば、アジアの市場も素晴らしいし、ヨーロッパもアメリカの市場も素晴らしいですが、中東の市場が最も印象的です。中東では市場をスーク(souq)と呼んでいます。ヨーロッパとアジアに挟まれたこの中東という地域には、砂漠があります。今でこそ砂漠から石油が出て裕福な地域になりましたが、かつては砂漠が多く食料が手に入りづらい貧しい場所でした。だからこそ、市場には特別な意味がありました。遠くからラクダや船に乗った行商が食料を運んでくる場所だからです。行商や船の乗組員はおっさんだったと思いますが、食べ物が少ない砂漠の地においては、食料を運ぶおっさんはキラキラ輝いていたことでしょう。だから、中東のスークは特別なオーラがあるのかもしれません。いらないトルコランプをついつい買ってしまうような魅力が中東にはあります。

ドバイは今でこそ世界的な大都市ですが、最初はドバイ・クリークと呼ばれる川沿いに市場が出来たことからこの街の歴史はスタートします。

最初に街ができた頃のドバイの鳥瞰図

上の写真は初期のドバイの模型ですが、現代の地図で言えばちょうどこのあたりから街はスタートします。当時と川の形は変わっていないことが見て取れますが、とにかく川沿いの小さなスークからドバイという世界都市はスタートしました。そしてこの地域は今でもスークがたくさんあって、Old souq(古いスーク)Dubai Gold Souq(金のスーク)Dubai Spice Souq(スパイスのスーク)などとわかりやすいネーミングがついています。どこもとても活気にあふれていて、それでもドバイは豊かなのかそこまで強引な客引きはいません。今日もどこかで誰かが品物を運び、それを仕入れ、誰かに売って日銭を稼いでいる人がいるという事実が、私を勇気づけます。彼らは時には商売のために暴利を貪ったりするかもしれません。でも、彼らは隣国を戦車で占領したりはしません。

最後にドバイのスークの中からとっておきのお気に入りのお店を一軒。ここはドバイ在住の日本人の知人より教えてもらった場所なのですが、とにかくチョコレートとナッツ類、ドライフルーツの類が激安で手に入ります。その名もChoc&Nuts(チョック&ナッツ)。

CHOC & NUTS

店に行けば、ここがお買い得なチョコレートとナッツのお店であることは一目瞭然でした。なぜなら、店内はこんな感じだから。

小さなお店にお客さんがたくさん

特に買うものもなくスークを散歩するのはとても楽しいです。でも、一日中スークを歩いているとさすがに何か買いたくなってきました。LCCだから荷物は多くないほうがいいのですが、それでもチョコレートとナッツに目がない私は、この店をスルーすることはできませんでした。大量にチョコとナッツを買って帰り、日本に重い荷物を持って帰る際は行商になったような、戦利品をゲットしたような、なんだか誇らしい気分でした。皆さんもスークにぜひ。

Dubai Spice Souk

Choc & Nuts

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