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nim ニム って、正直つまんないゲームですよね?(1)

今回のお話は ちょうどぴったり1900年あたりの年代から始まります。
この頃、初めてnimを系統立てて数学問題に仕上げた人が現れました。これにより、数学者達にとっては、「最新型のオモチャ」が与えられた状況になったわけです。

当時の数学界の一部の人々は、nimの解析、つまりこのゲームの必勝法を解析で出せないか?完成できないか?いや、きっと作れるよね?というとで、競うように各大学で解析作業をやってたらしいです。
*nimが(一部の特定の)人々の注目を「超・熱く」集めた時代が、確かにそこにあったのです!

ところで・・・。そうは言っても、nimって・・・・。

数学的には面白いネタなのかもしれないけど、ボドゲ的には、ねえ?あまり楽しくないですよね。
なんというか、理詰めで?単調で?大逆転の楽しみは一切ない、ロジカル(論理)ゲーム。そんな感じじゃありませんか?

そもそも、nimの最大の欠点は、石?コマ?の取り方が単調なことです。「1次元的にしか石が取れない」ことが最大の欠点だと私は分析しております。
そんな中、ひとつの改良案が出されました。私が小学生の頃に、私の兄たちの間で遊ばれていた「753」という遊びの画面を紹介します。

753と呼ばれたゲームで導入された「新ルール」の例示

わかります?!これ、本当にスッバラシイ工夫だと思いませんか。

*そもそもnimを知らない人にとっては、この図の何が、どう、すごいか理解できないと思います。ぜひ、nimの基本ルールをwikipedia等でお調べください。

上の図に例示したルール改変のおかげで、単調なゲームだったはずのnimに、変化が生じています!ニムが本来的に持っている「1次元性」の欠点を、ちょこっとだけ解消できています。
すごいアイデアだな(私の兄たちってスゲエな!)と、子供の私は思ったものでした。

しかし、上に上がいるものです。
1930~1940年ごろ、デンマークの科学者ピート・ハイン(Piet Hein)さんがnimbiを発明しました。

https://dl.ifip.org/db/conf/hinc/hinc2007/Jorgensen07a.pdf

もう、このpdfに載ってる図を見ただけでわかりますね。
nimには、本質的に「1次元的なゲーム」という欠点がある。
だったら、じゃあ「石を平面上に配置して、最初から2次元ゲーム化」すればいいじゃん。
って具合に、さらりと実現して見せたのが、この人です。
*アタマ柔らかいですよね。
*きっと、同時代に私が生まれていても、思いつかなかっただろうと思います。

ピート・ハイン?なーんか、別件のパズルか、ゲームの方で、見たことがある名前だったような気がする。
ということでwikipediaを調べたら、ああ「ソーマキューブ」の人かあ。と分かり、再び驚かされました。
*ソーマキューブは、パズルマニアの間では知らない人はいない、著名な古典名作です。ハナヤマ社が今でも市販しています。

もう、この人、すげえな。
「noteの記事」としては「珍ぬ」さんがピート・ハインさんの業績まとめを既に作っていらっしゃいました。

まだ明日に続きます。

ゲームシステムのデザイナーって、何なの?どういう意味? そんな疑問は、私の記事群によってご理解いただけるものと期待してます。 ラジくまるのアタマの中にある知識を活用していただけるお方、サポート通知などお待ちしています。