植物のパズル☆(1)
先日、8角形の☆という記事を書きました。
まさか以前に書いた「単なる思いつきのネタ」を参考文献として引用することになろうとは。
事実は小説より奇なりと思っています。
本日の記事はパズル関連の記事です。
ただし、表題の通り「自然界をじっと観察したら見えちゃったパズル」についてのお話です。
***
つい先日の事。
セイタカアワダチソウの、葉っぱの出かた(葉序:spiral phyllotaxis )に関する研究論文を読みました。
https://nwuss.nara-wu.ac.jp/media/sites/11/ssh14_14.pdf
植物の葉っぱの出方には、実は非常に厳密な法則性があります。
この論文によれば、セイタカアワダチソウは左回り方向に138.14°の角度を保ちながら「次の葉」が生まれるということでした。
要するに、葉っぱが出る方向が、一定の角度間隔を保ちながらグルグル回ってるということです。
ところで、この論文をよく読むと「フィボナッチ数に基づく葉序」っていう論理展開がありました。
ラジくまるは
「えっ!! だって138.14°でぐるぐる回りながら、葉っぱが出てるだけでしょ?」
「それのどこが?何が?フィボナッチ数なの?」
と感じたわけです。
自然現象を説明するにしては突拍子もない、奇妙な論理展開ですよね。
この件は、自然界の植物をじっくりと観察した経験がある方は、既にお気づきのことかと思います。
セイタカアワダチの葉序角は138.14°かもしれませんが、ほかの植物を見てみれば、あるものは144°、また別のものは135°だったりします。
いろいろあります。
ほかにも90°の「十字対性:decussate opposite」なんて例もあります。
葉っぱが生まれてくる角度の数字だけを見ていると、なかなか気づかない重要な規則性が隠れているのです。
細部ではなくって、全部を俯瞰的にながめるときだけ見えてくる規則性です。
実は「植物の成長と葉の生成とのモデル図」を手で描いてみると、この問題は一目瞭然になります。
ちょっとそのモデル図をエクセルに描かせてみました。
図の中でマル印が葉っぱの先端の位置だと思ってください。中心点(原点)は茎のつもりでご覧ください。
生まれてくる順序通りに葉っぱを「線分で結んで」みます。
すると、先日書いた記事の表記法でいえば、13-5型の☆になっています。
正13角形において距離「5」だけ離れた頂点どうしを線で結ぶというわけです。
「ヲイ!星になっていないゾ!最後の13点めと次の14点め(=最初の1コめの点の位置に相当)」を線で結んでも星形として閉じた図形にならないぢゃぁないか。」
と、お気づきの方。はい。まさにその通りです。
でも、じっさいの植物は静止画ではありません。
時間とともに、どんどん成長(伸び)していきます。
そこはちゃんとシミュレーションしないとですから、時間経過と一緒に、どんどん葉っぱ先端の位置が中心軸から遠くになるように作図しています。
☆型みたいに線分が閉じることはない、ということで納得してください。
ということですが、明日に続きます。
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