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東京2020オリンピック聖火リレー 愛知2日目覚書き

たまたま日常生活の中で聖火リレーと出会ったので、たくさん写真を撮っておきました(主に舞台裏)。今回の体験を記録として残しておきます。

時間がたってしまいましたが、愛知県はまだまだリレーの前半の都道府県なので、今後の市町村にお住まいの方の参考になれば幸いです。

当日は晴れ。朝は少し肌寒かったですが、日中は少し日差しが眩しいくらいでした。スポーツには疎いのですがイベンターとしては開催しやすい日だったのではないでしょうか。

2021年4月6日 7:20
豊川駅北口ロータリー

聖火リレーのこともあり道が混むかと思い早めに家を出たため、普段より30分ほど早く駅に到着しました。途中交通規制は何か所かありましたが、もともと駅を中心としたエリアは通勤路になっていなかったため大きな混乱はなかったように思います。

年始の豊川稲荷の初詣などのほうが混雑する印象ですね。

また、通行止めのの箇所には警備のスタッフさんが2名ずついらっしゃいましたが、ほとんど車が通らないところを有人で封鎖して、少なくとも4時間も人件費をかけ続けるのは必要なのかと疑問には思いました(豊川区間の出発予定は11:12)。
ついでに申し上げると、この警備の方々の大半は聖火リレーを遠目にも見ることができないんです。
地元の商店街をコースに含めれば話は違ったんでしょうけど、警備は商店街含んで広く、コースは直線的でシンプルにという形が裏目に出ているように感じました。

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2021年4月6日 7:42
豊橋駅東口連絡通路上

仮設テントがたっており、ビニールシートの上に無造作に荷物が置かれていました。果たしてスタッフさんかボランティアさんの荷物だろうけれど、あまりに無防備すぎやしないだろうか?

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直後に12名ほどの警備会社の制服を着た人が通ったんでなるほどと安心したわけなんですが(笑)

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この時点でスタッフさんの多くは豊川区間同様に各地点に移動していたんですね。ただ、カラーコーンなどの封鎖用の資材は道路の隅に固めて個数の書かれた紙が貼ってある状態でしたので、直前に展開する予定だったのでしょうね(豊橋区間の出発予定は9:10)。

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2021年4月6日 8:04-9:20
豊橋市電駅前大通駅付近のビル2階

私としてはここが本日の1カ所目の目的地でした。公の場ではないので施設名は避けますが、ここのバルコニーから市電がよく見えるため、用事の間に聖火リレーの様子が見られるかと思い気にしていました。
私は用事で屋内とバルコニーを行き来していましたので、バルコニーにいられた時間に観察できたことだけになりますが記していきたいと思います。

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8:04頃はまだ人の数はまばらだったのですが、20分後の8:24分ごろには沿道に(後々)最前列の観客となる人々が集まってきます。

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出発式が間もなく行われる9:05分頃には、既に2列目の観客が集まりだしています。ちょうど同じ頃に先導するスポンサーカーや警備車両が走り始めます。観客は市電を挟んだ対向車線の歩道にもでき始めます。

以下時間経過とともに、私が観測できた範囲で時刻と起こった出来事を記述していきます。

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9:06 日本生命スポンサーカー 通過

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9:15 コカ・コーラトレーラー 通過
この時はリュックを背負った男女が、スポンサーカーの周りを某テーマパークのパレードのように取り囲んで行進していました。

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9:16 日本生命スポンサーカー 通過

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9:17 NTTスポンサーカー・警備車両2台 通過

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9:18 日本生命スポンサーカー 通過
この間特に沿道の人は増えているようには見えませんでした。

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9:20 聖火ランナー 通過
豊橋区間の第4走の方が通過されました。距離があったせいかもしれませんが、歓声が挙がったりなどはなかったように感じます(ランナーは一般公募の方だったと思います)。

9:20 後続の運営車 通過

2021年4月6日 8:39
豊橋駅東口自転車等駐輪場付近

用事が終わったのでビルの外に出ると、ビルの近くの歩道の人は綺麗にいなくなっていました。
ただ駅前では、コカ・コーラのタオルを持っている人を1名見かけたので(その人の連れだと思われる方は持っていなかった)、リレー時点では相当数の観客が集まっていたように推察できます。

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また、なぜか普段は有料の自転車置き場が時間制限付きで無料になっていました。人を集めたいのか集めたくないのかよくわからない施策ですね。

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2021年4月6日 10:46-10:51
豊川駅前通り

次の予定まで時間があったため少し豊川区間のリレーも観ていくことにしました。ミニセレブレーションというものも観てみなければ何なのかよくわからなかったので豊川稲荷に向かうことにします。

そして駅について真っ先に目についたのは朝の7時台と変わらず通行止めを行うスタッフの方でした。……この方たちはこの3時間何台の車を止める機会があったのだろうか。

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豊川稲荷まで複数の道がありますが、駅前通りを選んだのは正解だったのでしょう。私は直接観れていないので、推測になりますが第2走者以降の先導を行ったであろうスポンサーカーの車列そのほとんど全てを見ることができました。

列挙します。豊川駅から豊川稲荷に向かって、

警備車両×2

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docomo
日本生命

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日本生命
運営車×2

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NTT

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日本生命

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コカ・コーラ

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TOYOTA

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運営車両

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白バイ×4
パトカー

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運営車や警察関係車両を除けば、ここに名前を連ねた企業のブランドイメージが挙がったかどうかは私個人は疑問に思いますが、スタッフ同士で写真を撮りあっている状況しか私は目撃できていません(地元の方でこのお祭り騒ぎに心の底から賛同できた方はどの位いたのか疑問を抱きます)。
私の写真は映り込みが多いですが歩きながら急いで撮影したので見逃してください。

豊川区間ではスタート地点ということもあり、豊川稲荷総門前(第2走者スタート地点)を中心に人がごった返していました。通用門や裏門の存在が周知されていないため、完全に道と門がふさがっていました(10:50頃)。更にこの場では立ち止まることがアナウンスで禁止されていたため、総門の前を行ったり来たりする方や左右で遠巻きに眺める方が続出しました。

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豊川区間初めのトーチキスの場所であったためその場所を早めに確保したい方と、境内に入ってスタートを観たい方、とにかく密を回避したい運営の方の思惑が狭い横断歩道一つを挟んで入り組んでいるように思いました。

私は通用門を使って内部へ入りましたが、かなり内部は余裕があり、総門が完全に栓になっていたことがわかりました。

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2021年4月6日 10:52-11:16
豊川稲荷参道寺宝館向い

人波を避けて比較的空いている場所を探し歩くと、参道の中ほどにスペースを見つけました。寺宝館の向いで手水場を斜め後ろに見る位置でした。
会場では「前後左右に1mの距離を空け、2列まででお並びください。3列目の方はご移動をおねがいします。」というアナウンスがされていました。
また、先に参道にいた人の手にはバラが握られていました(2021年4月7日中日新聞朝刊東三河版によれば市農務課が配布した「とよかわバラ」とのことだった)。スポンサーの配布していた記念品同様の効果を狙ったのでしょうが、数の不足は否めず、ランダムに記念品を配布するスポンサー共々不公平な印象がついてしまったことは残念だと思います。

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この区間の担当走者は三遠ネオフェニックスの選手でありかなりの長身で遠くからでもよく見ることができました。地元では牛乳のパッケージにも採用されている有名な選手のようです。また、写真で掲載したように、選手と地元の高校である豊川高校の吹奏楽部・和太鼓部・駅伝部、豊川工業高校の陸上部が並んだ姿は壮観でした。

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ただ問題として、これに市長の挨拶を加えたミニセレブレーションは距離が離れすぎていて、太鼓の音も含めて不自然なほど何も聞こえませんでした。

2021年4月7日中日新聞朝刊東三河版に掲載された「豊川稲荷での聖火リレーを見るために集まった大勢の人たち=豊川市」を観て納得したのですが、私がいた参道中ほどと本殿に近い初めの鳥居付近では混み方が段違いだったようです。
完全に別の会場といった状況です。
密は局地的に発生していたと考えられ、私たちの距離で見ていた者にはお祭り感覚が感じられなかったことは必然でしょう。

私は今回のオリンピック・パラリンピックには積極的には協力したくないと思っている1人なので、今回の聖火リレーの行い方に特に思うところはありませんが、もしも真剣にオリンピック・パラリンピックを応援したいと思っていた市民がいたら、今回のミニセレブレーションの行い方には意見がついてもおかしくはないのではないかと感じました。

トーチへの点火が行われたのが11:11

フードがかかってスタッフのジャンパーの文字が読み取れなかったため、所属は分かりませんがハンディカメラに先導されてランナーが寺宝館前を通過したのは11:13でした。

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こうしてみると豊橋区間も豊川区間も準備に対して本来の聖火リレーが一瞬すぎると感じるのは私だけでしょうか。正確に数えられたわけではありませんが16名の豊川高校駅伝部と豊川工業高校陸上部の伴走者が同地点を通過したのは11:14分でした。

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(高校生の方は念のため顔にモザイクをかけさせていただきました。他意はありません。)
これで第1走者の区間は終わりです。境内だったため多くの人がトーチキスや第2走者の出走、スポンサーカーのパレードを観ようと大きく動きましたが、先ほどの総門に続いて通用門も封鎖されており、豊川稲荷境内で聖火リレーを見物した人間は一時閉じ込められました。

地元の人間は裏門の場所を知っていますので一部の人波がそこからはけて、比較的早く総門付近の混乱も解消された印象を持ちました。見物に来ていた豊川稲荷の住職の1人が苦笑いしていたのが印象的でした。

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私が裏門を抜けて豊川駅までの帰路に着いたのは11:16分でした。

後日談

私は聖火リレーのルートと何時に聖火リレーがスタートするか、しか調べていませんでした。聖火リレーでどのような方が走られたのかやスポンサーがどの企業かは、後から調べて知ったことです。それらの方々には好意も悪意も特に持っていないことをご理解ください。

豊川区間でも豊川駅前でコカ・コーラのタオルを持って歩く女子高生に出会いました(今回も一緒に歩いていた友人はタオルを持っていませんでした。配布数に制限があるのでしょうか)。
祖母の友人は豊川地区第8走者の区間で日本生命の3つ折り座布団をもらったそうです。この時も3人のうち1人だけしか貰えなかったらしく(以下略)。

また翌日2021年4月7日の中日新聞朝刊は13面の半面に『NHK聖火リレー配信中に「五輪反対!」』、18面-19面の東三河版全面に『万感の思いで駆ける 人の温かさ感じた■夢心地の200メートル』、また同様に20面-21面の県内版全面にも『リレー県内2日目 三河、知多駆ける』と題して路面電車と並走する豊橋地区の写真を用いて大きく報じていた。
渥美や新城が無視されてるのは、この際目を瞑りましょうか。むしろ愛知県内の人口比で1割しかいない東三河の市町村から2市も聖火リレーの負担に耐えうる市があったことを喜ぶべきでしょう。

私的な今回の聖火リレーへの疑問点

1.東京都の緊急事態宣言に紛れるように聖火リレーを開始したこと。
3月25日の聖火リレースタート直前時点での世論の最大の関心事は、3月21日に終了予定(当時=予定通り終了)の東京都の緊急事態宣言の延長の可否でした。かなり世論も割れており、直前まで宣言終了の発表が遅れ、国民は自粛生活の解除に気を取られました。
つまり聖火リレーの開催の可否について可能か不可能かも含めて、国民的な議論が行われてしまったことです。
これまでの平時の五輪であれば、聖火のスタート=オリンピックの開催と同義でした。今回も諸外国が同様に今回の聖火リレーの出走を受けとった場合日本国民には五輪の開催について国民的議論を行う機会がなくなってしまいます。
今日のオリンピック・パラリンピック開催の是非がグダグダになっている状況は決断から逃げ続けてきた結果といえるのではないでしょうか。

2.地方自治体に負担が発生していること。
私が今回見学した市は比較的財政状況が健全でした。
それでも、今地方自治体は新型コロナウイルスのワクチン接種などに人員を割かなければならないのに、始まれば15分で終わってしまう(上記レポート参照)パレードのために人も予算も負担する余裕は地方にはないと思うのです。
これはこんな時だからこそお祭りが必要だというご意見もあると思うため、強く言えないのですが、だったら例えば昨年中止した盆踊りとの違いは何でしょう。
今回豊川地区の会場となった豊川稲荷境内は毎年戦没者慰霊の御霊祭りという盆踊りが行われています。しかし、近年は少子化もあり広い境内に輪が作れないほどです。
年齢層も高齢者と子どもが中心と似ているこの2つのお祭りですが、主観で申し上げれば御霊祭りのほうが3密を避けています。ではなぜ盆踊りは中止になり、聖火リレーは行われたのか……それは後ろについている組織の大きさなのでないかと疑いたくなるのは私だけではないと思います。

3.おもねる報道が多く感じること。
前2つに比べると圧倒的に主観の話であることをお断りしておきます。
端的に言えばニュースなどでの忖度です。
私はこれだけ聖火リレーを観に行ったため、家族や友人にお上りだ、ミーハーだと散々な言われ方をしましたが、仮に批判したいのならば実際に目で見て本質を観てから判断したいと思い半日を潰しました。
しかし、世の中暗いニュースが多いせいか家の中でテレビに映るトーチだけを見ていると、なぜだかこれは素晴らしい儀式だと思い込みそうになるのです。私の場合わざとらしいアナウンサーの感想で我に返ることが多いのですが、NHKだけでなく民放各局もこぞって夕方のニュースに天気予報感覚で聖火リレーを挿入します。
これはオリンピック・パラリンピックに向けて国民を洗脳しようとしているかの如く印象を受けます。
実際、心理学の「単純接触効果」程度の効果はあるかもしれませんね。


さて、読んでくださりありがとうございました。
普段は私が何か情報をまとめて公開するのですが、今回はただの記録ですので皆さんに咀嚼していただかなければならない部分が多いと思います。
少々政治的な性格を含む部分もあるため、できるだけニュートラルに書こうとしたのですが、おそらく失敗していると思います。
それでは、皆さんまた次のnoteでお会いしましょう。

2021/04/18 15:28 誤字訂正

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