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クラゲみたいな東京

東京を訪れる外国人に街の印象を聞くと、「夜景がすごい」と返事することが多い。特に航空警告灯が瞬く遠景を見ているとアメーバか深海生物を見ているようであり、それは東京特有の景色だと思う。

逆に言えば、昼の東京の顔はあまり魅力的ではないということか?さらに言えば、アメーバがただただ増殖しているようにしか見えない東京の姿は、ヒューマニティーや人間の英知の結果は見えず、経済や事業性という「正義」だけで膨れ上がった有機体の慣れの果てでしかないのか?

文明や社会の「持続性」とか、人々の「ウェルネス」を追求する声が高いが、その結果として僕たちの目の前に横たわるのは、ブヨブヨに肥大した深海のクラゲの様な街。餌を捕獲し続けないと死んでしまうクラゲが、断絶魔の様に赤い警告灯を光らせて、吸い寄せられる餌を待っているような。

そこにはなんとなく惹きつける魅力があるという感覚は、わかる気がする。