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アイドル怖い
アイドル、怖い。
ここまで人間が総合評価されて、しかもここまで割に合わない仕事なんてあるだろうか。
見た目は良くて当たり前。
身だしなみにダイエットに美容に……
常に努力しないといけない。
常に見られる仕事だから。
ステージング。
歌とダンスはもちろん表現が見られる。比べられる。実績やら才能やら練習量やらが評価される。
しかし、かと言って、それらが良いからと言って〝推される〟わけではないし。
実際、ライブをしている時間よりも、練習や準備の時間の方がよっっっっっっぽど長い。
その間、もちろんお金は発生しないわけで。当たり前の話だけど。
それらを回収するのがライブやら物販ということ。
ひとりの人間である以上、人物像やら人柄やら、そういうものまで見られる。
SNSの発信やら告知、広報もサボれない。
ライブに来て、話してみたいと思ってもらえる魅力がないといけない。
人間の〝推し〟傾向なんてそれぞれだから、
もはや計算でどうにかできるものでもないと思っている。
わたしがすごく好きだったアイドルさんは、
すごく声が好みだったのが大きいけれど、よく独特な作品を生み出してたり、服装がお洒落だったり、たぶんそういうところで選んだ。
好きに理由をつけるのもナンセンスだけど、理由を考えるならそう。
そんな感じで人の感情なんて読めないわけだから、なにが誰に刺さってくれるかわからない中、
がむしゃらに努力しないと見てすらもらえない世界だと思った。
だからこそ、
わたしはこんなに面白い仕事は他にないなと考えて、もうすぐステージに初めて立った日から2年を迎えようとしている。
とにかく、ずっと先なんか見えない。
今わたしのことを好きだと思ってくれている人がいるかなんてわからない。めちゃくちゃ悔しいけど代わりなんていくらでも利く。わかってる。
自信なんて持てるわけがないから、努力して自信の代わりになるものを作って、それを自信に変えていくしかない。
生きていくにはお金も必要だし。お仕事でやってますのでね。
変わるものはみんな好きじゃないかもしれないけど、現状維持(してるように見える)ってすごく危険で一番大変なことなんですよ。
そもそも他人同士が集まって同じ方向にチームとして向かっていくことがどれだけ大変なことで奇跡なのか何度も思い知らされた。
足並みを揃えるには全員の努力とか支え合いとかそういうものが必要で、
それがバランスを取れて初めて状態が保てるように見えるもの。
いつだか、ライブハウスのお客さんは4年で入れ替わるという話を耳にしたことがある。
5年目にまた会えたら素敵なことですね。ってとあるバンドマンがつぶやいていた。
わたしも例外なく、足繁く通っていたその場所から気が付くと遠ざかっていた。
どうしてだろう。まだ気持ちはある。でも。?
でも、これは仕方のないことだと思う。
生活様式が変わったり、
なんとなく趣味が変わったり、
感情なんて変わっていくのが自然なことだし、
そもそも人間関係だって中学3年間、高校3年間でまるっと変わる人たちだって珍しくないし、それで「普通」だと思う。
アイドルなんてもっとそう。
だいたいが10代~20代の女の子たちだし、
正直1年グループが続いたら、同じメンバーで続けられたら、もう「すごい」領域だと思う。
他にやりたいこともしなきゃいけないこともあるし、誰にも決めつけられることはできない人生だから。
その人の人生まで推せるかどうか……ってすごく重い話になってきてしまったんだけど、
偉そうなことを言ってしまうとわたしはそういうアイドルになりたかったのかもしれないとここまで書いてきて思いました。
〝アイドル〟のあの子が好き。
〝あのグループ〟にいるあの子が好き。
〝可愛い〟あの子が好き。
〝かっこいい〟あの子が好き。
〝頑張ってる〟あの子が好き。
〝素〟のあの子が好き。
〝あの子〟が好き。
それぞれだと思います。
どれでもいいと思います。
わかったような口聞くつもりは少しもありませんが、たった1年ちょっと「地下アイドル」の端っこの端っこに居座ってみて、新しい世界を見て考えた凡人の感想です。
わたしからこれは絶対だと言えるのは、そんな中で少しでも好きだと言って応援してくれるお客様に感謝していない演者は絶対にいないと思うということです。
その感謝の仕方は人それぞれかもしれないけど、
タスクが多くてパニック状態な活動の中、それを見てくれる人がひとりでもいることにどれだけパワーを貰えているかわかりません。
わたしは自信のないオタクのまま、自信のないアイドルになってしまったけど、
自分がアイドルになったからわかったことです。
ちゃんと見えてるし、覚えてるし、愛しています。
最後にすみません。
私事になりますが、わたしたちすごく良いグループだと日々思っています。
これからも末永く思い合って、続いていけたらいいな。
いつもありがとうございます。
來世
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