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金春色、こんぱるいろ と読みます。
別名・新橋色。こちらの名前の方が色の世界では有名かもしれません。

金春色(新橋色)

今でいうターコイズブルーに近いこの色は
明治になって入ってきた舶来の合成染料の色です。

江戸時代の染料はほぼ天然染料。
(幕末にいくつかの合成染料が入ってきてはいましたが)
特に「青」の染物は「藍染め」以外にはありませんでした。

いまでこそ、あらためて藍染めの美しさに
私たちは強く惹かれますが
長年藍染だけを見続けてきた人たちにとって
合成染料ならではの明るい発色の
パキッとした青・金春色は初体験の色。

そんな新しい色に飛びついたのが
新橋・金春新町に置屋を構える芸者さんたち。

合成染料ならではのパキッとした色

彼女たちの衣装の華やかな色を目にした人々は
「新しい時代」を肌で感じたかもしれません。
この色は明治から大正にかけての大流行色になりました。

先日、戸沼ゆきえさんの銀座の街歩きに参加して
あらためて金春通り(旧金春新町)の位置関係を把握しました。
新橋旧停車場から新橋を抜けて銀座へ。

戸沼ゆきえさんの銀座街歩き

新橋旧停車場へは、貿易の港・横浜から様々な舶来品が
運ばれてきた場所。
そこから銀座にかけては、いち早く舶来ものを店頭に並べた
商店が続きました。

新橋・銀座は「文明開化」をいち早く感じさせる場所。
そこから広がっていく新しい青・金春色。
その色を見るたびに世界が広がっていきそうな
まだ見ぬ異国へのあこがれ、そして
ワクワク感を抱えていた方も多かったかも。
そんな情景を想像してしまいます。

そんな金春色(新橋色)は、
ゆりかもめ新橋駅のテーマカラーにもなっています。
訪れた際には、ぜひ探してみてくださいね。


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