嘘のような本当の話

私は元々神社仏閣が好きだし、目に見えない世界を信じている方である。勿論、そういうものを信じられないとか、嘘っぱちと思う人がいてもいいと思う。それは自由だ。ただ、私には信じざるをえないような不思議な出来事が実際に起こったのだ。

私の手首には物心ついた時から瘤があった。

その瘤はガングリオンという名称で中身はゼリー状の異物で膨らんでおり、数ヶ月に1度は医者に行って注射器でそれを抜かなければならなかった。小さかった私にとっては凄く苦痛だったし、その日が来るのがとても憂鬱だった。

医者通いを数年続け、小学校にあがる時にいよいよ手術して瘤を取り除こうという事になった。手術という言葉がとても怖かった。血管の上にあったので、「できれば手術したくないんですけどね」等と担当医も話していたらしい。

そんなある日、近くに瘤を取り除いてくれるという観音様がある事を知り、手術をする前に少しでも状態が良くなれば、と親と一緒に参拝をした。

参拝から数日たったある日、私はなぜか思い切り何処かの角に瘤をぶつけてしまった。

すると、瘤はみるみる蒼く腫れ上がった。

そして、いつの間にか瘤がすっかり消えてしまったのだ。

ぶつけた辺りからは細かくは覚えていないけれど、親が本当にびっくりしていた。それからもう何十年も瘤は出てこないまま。ぶつけて消えたのも偶然といえばそれまでかもしれないけれど、今も手首は綺麗なままだし、とても感謝している。

それ以来ずっとその観音様にほぼ毎月御参りに行っている。その縁なのかはわからないが、高校もその観音様の近くの高校に合格した。不思議な御縁である。





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