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【読書日記】手紙屋

『「手紙屋」~僕の就職活動を変えた十通の手紙~』

私は、この本を“文学”の棚で見つけた。だから、私はこの本を“物語”として読んだ。

『はじめまして、手紙屋です。
 手紙一筋十年。きっとあなたの人生のお役に立てるはずです。
 私に手紙を出してください』

これは、この物語をスタートさせた「手紙屋」の謳い文句だ。
就職活動に悩む大学生はこの「手紙屋」なる人物に1通目の手紙を出したことで新たな視点を手に入れる。

この話で大切なのは手紙での対話であることを理解することだと私は思う。

今、あなたの心に余裕がないのであれば、この本は読まない方がいいかもしれない。
別のタイミングで読めば、考えさせられる言葉であっても、今は単なる「キレイゴト」で片づけてしまう可能性があるからだ。

私にも正直、「そんなこと頭では分かっているんだ!」とついムッとしてしまう場面があった。
私が、今ちょうど、現実を突きつけられている時期であるため余計にそう思うのかもしれない。小さい頃、お金がなくても幸せは得られると本気で思っていた自分が懐かしくなるほどだ。
しかし、私をムッとさせた言葉は正しいアドバイスで今後、「あぁ、あの時の言葉はこういうことだったのか」と思う時が来ることも予測できる。

これは、「勉強しなさいと後悔するよ。」がそうであったからだ。あれは、本当だったなと心から思う。今の人生に満足していない訳ではないが、“勉強する機会が山のようにあったあの時代になんてもったいない学び方をしていたのか”とは思うことがある。

所謂「キレイゴト」。自分を言われてムッとしてしまうこともあるけれど、必要な言葉であるとも私はこの本を読んで思った。読み終わった今、最初は反抗的だった気持ちも少し上を向き、堕落しきった生活はよくないのではないかという思いが芽吹いているからだ。
本にあるように、この気持ちがいつまで続くか分からないし、実際には何も変わらないかもしれない。でも、机の上ぐらいは綺麗になったように感じる。


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