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『さいごのうた』が生まれた日

 こんばんは。初めましての方も居るかもしれません。
ボカロPの雨曇(あまぐもり)と申します。自分の人生を音楽にしています。

ニコニコ動画:https://www.nicovideo.jp/user/120845857?ref=nicoiphone_other
YouTube:https://youtube.com/@Rain_C13?si=0qdD326OK_60sFx1

一応簡単な自己紹介だけしてみました。

さて、ニコニコ動画主催「既存楽曲復活祭」、楽しめていますでしょうか。
目にも留まらぬスピードでコンテンツが消費されていく昨今、投稿から1年以上経過した楽曲を敢えて取り上げて、鮮度に囚われず自分の「好き」を盛り上げていくイベントです。

▽概要はこちら
既存楽曲復活祭 11/13~19に開催! ~新曲だけが、最高じゃない~|ニコニコインフォ (nicovideo.jp)


僕は2021/12/09に投稿した『さいごのうた/feat.可不』という作品を送り出すことにしました。

今回このイベントに参加するにあたり、「既にこの曲を聴いてくれたことのあるリスナーさんへは新しいものを届けられないな」と少し寂しく思ったので、note記事にて当時の背景や想いを書き綴ることにしてみました。







※曲解釈・解説・作者意図や、精神疾患についての内容が含まれます。閲覧される際にはご注意ください。
少しでも気分を害された場合はすぐにブラウザバックをお願いします。ごめんね。





↓↓↓↓


制作背景


 『さいごのうた』という曲は僕の発表したオリジナル曲の中では2作目、制作時期に至っては1作目『XXXXXX/feat.可不』より以前であったりと、かなり初期の作品です。

具体的な制作時期は2021年の8月頭ごろ。東京オリンピック(21/07/23-08/08)が行われていたあたりです。

まずは僕の個人的な話をさせてください。
僕は当時(5月ごろからかな)「うつ状態」と診断されて表での生活をお休みしていました。
本当に何もすることが出来ない日々の中、それでも少しずつ抑うつ症状は軽快していき、7月の下旬ごろに"暗い感情が全て晴れて世界が明るく見えた瞬間"が訪れました。

「きっと完治したんだ!」と号泣しながら喜んだのも束の間、徐々に
・脳内に情報が溢れる それにより脳が焼き切れる感覚
・誰彼構わず話しかけ続けて止まれない
・お金遣いが目に見えて激しくなる
・数日寝なくても疲れない というより、眠れない
といった症状が現れ始めました。

典型的な『双極性障害(いわゆる躁鬱)の躁』の症状です。

生き地獄でした。病院はどこもオリンピック休暇でこの先2週間開かない。そもそも本当に躁鬱かすら分からない不安感。
脳が休まらずに情報だけが流れ込んでくるのは本当に気が狂いそうだった。
1日に15分眠れたら良い方だったと思います。

幸運なことに僕には薬学部で学んだ知識があったので、様々な手を駆使して耐え凌ぎました。
それでも、「これは本当に突然死んでしまうのではないだろうか」と心の底から怯えていた。絶望していました。

そこで、遺作として、また何とか気を紛らわせるためにと制作したのが『さいごのうた』です。いよいよ本題ですね。

(後々診断されたのはやはり『Ⅰ型双極性障害』でした。)



楽曲解説


 一見比喩的な表現が多用されているように思えるかもしれませんが、実はほとんど僕が実体験した症状が歌詞になっています。


「 昨日のことも忘れることすらも慣れていく
  目の前の誰かから 声 声が聴こえる   」

先程も説明した通り、脳内には勝手に大量の情報が流れ込んで来ています。
しかし脳にもキャパシティがあって、どうやら詰め込まれすぎた情報は押し出されて忘れていくようでした。
(感覚的な話なので、エビデンスに基づいたものではないことをご了承ください。)
昨日のことどころか数時間前のことすら覚えていないのもザラでした。

また、目の前の(鏡の中の)自分から声が聴こえてくるような感覚にも陥りました。幻聴です。自分が誰なのかが分からなかった。
そういった経緯で、MVではあのような構図を採用しています。



「 まだ まだ息をする
  鼓動の音が邪魔をする 」

この詩も「鼓動の音が(うるさすぎて睡眠や休息の)邪魔をする」という、症状的な意味合いで書いています。

これに関しては、「心臓が勝手に動くせいで生きることを辞められない」みたいな表現だったら格好良かったのになぁ、なんて思ったりもしていますが!
逆です。心臓に、脳に、生きることを辞めさせられているようでした。




そして、この曲で一番表現したかったのは次のことです。

「 続きがある気でいる この声もこの歌も 」

この曲、サビが来ないままこのフレーズに差し掛かり、その後約15秒で終了します。
聴いていて「この先にも展開があって、曲もまだ続いていくんだろうな」と感じた人も居るのではないでしょうか。

でも違います。

突然に曲は終わります。

「え?もう?」みたいな風に。

僕は双極性障害を発症して、人生においても同じことが起こり得ると感じました。

何気無く続くと思い込んでいた命が、突然消えてしまう可能性がある。
そんな想いを作品として遺したかった。

これがこの曲の制作意図になります。


最後に


 …長くなりました。
ここまで読んでくれた人は居るのでしょうか。居たらありがとうね。

僕はこの日以降も何度か精神的に危ない局面に陥っていて、この曲で表現した想いは日に日に強くなっていくばかりです。

だからといってどう生きるかは自由。
「後悔しないように〜」という綺麗な言葉も良いですが、「後悔だらけでもそれもまた、自分だけの大切な人生だよね」なんて思いながら最近は生きています。

願わくば、音楽を創り続けられたらいいな。









ごめん台無しの宣伝させて!!!!!!!!!!!

 
 このイベントですが、(恐らくいいね・マイリス・再生数などにより)ランキングが集計され、上位入賞者は特典も戴けるようです。
プチボカコレみたいなイメージだね。

概要:既存楽曲復活祭 11/13~19に開催! ~新曲だけが、最高じゃない~|ニコニコインフォ (nicovideo.jp)

せっかくなので、まだお済みでは無い方は「いいね・マイリスト・他の方へのおすすめ」などで応援していただけると嬉しいです。
特にX(Twitter)等で布教してくれるとめっちゃ嬉しい。下心です。
あとどうやら再生数の影響もかなり大きそうなので、普通に聴いてくれるだけでも大喜びです。

曲リンク:さいごのうた/雨曇 feat.可不 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)


失礼しました。
ここまで読んでくれて本当にありがとう。あとはこのイベントを一緒に楽しみましょうね。

最後に、僕の本当に大好きな曲達のマイリストも置いておきます。


ではまたいつか。

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