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バンクシーのいないバンクシー展

こんにちは。らいかです。

先日バンクシー展に行ってきたのですが、バンクシーへの敬意が無いというとってもネガティブな印象を抱いてしまいました。

バンクシー展を主催された企業への批判的な記事になるので読みたくない方はお戻りください。

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バンクシーを知らない方のために簡単に説明すると、バンクシーとは今、世界中で人気のストリートアーティストです。正体不明である彼もしくは彼女の絵は単なるストリートアートでは無く、そのメッセージ性もあって特に注目されています。特に多いのが政治や資本主義に対する皮肉を交えた風刺アートです。

そんなバンクシー展が今、大阪で開催されています。

さて、話を戻して私が最初にこのバンクシー展で感じたのは違和感でした。

バンクシーの作品のは資本主義を批判する作品の中で強く印象的だったのがこの作品です。

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キリストがプレゼントを両手にはりつけにされています。本来、感謝を伝え合うはずの日クリスマスが、商業的なイベントになってイベントになってしまったことを風刺しています。

しかし問題はそこでは無く、このような絵を描くバンクシーが、このような展覧会を開くだろうかということです。美術鑑賞としてはバンクシー展は高額な部類です。

不思議に思って調べて見ると、実はこのバンクシー展、驚くことにバンクシー非公認のイベントなのです。非公認どころかむしろ、バンクシーに強く批判されています。

実は類似のバンクシー展が今、世界中で開かれているのですが、その全てがバンクシーとは関わり無く開催されています。

しかし、バンクシーは自分の描いた絵をどのように扱おうと関与しないとも発言しているので、批判する以上の踏み込んだ対応する可能性は低いでしょう。

そして、このバンクシー展では作品の展示のしかたもお粗末なものです。バンクシーの作品はストリートアートがメインである特性上、一部を切り取って見せるだけではそのメッセージ性が薄れてしまいます。その作品が描かれた場所やその時の情勢など絵以外の情報も間違いなくバンクシーの作品を織りなしています。そういった点を省いて、作品の版画だけを展示しているのはクリエイターであるバンクシーへの敬意を著しく欠いているように思えます。

そして、極めつけはよくある出口間際のグッズ販売なのですが、このグッズ販売ももちろんバンクシーとは全く関係のないものです。ここで商品を買ってもバンクシーには1円たりとも入りません。そう思うと何も買わなくて良かったと心底思ってしまいますね。(バンクシーと文字が書かれただけのTシャツが4000円もしていたのを見て買う気は失せたのですが)

全体を通して、主催企業がお金を稼ごうという魂胆と見えていて非常に残念な展示でした。もちろんボランティアではないので商業的な面があるのは当然なのですが、その上でクリエイターへのリスペクトが無く、非常に残念な展覧会になってるように感じてしまいました。

バンクシー展は写真撮影可なので、もし高いお金を払って、何も意味を感じ取れずにただ写真を撮って回るギャラリーたちを見るとバンクシーは新たな絵を描いてしまうかもしれませんね。

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