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[MMA]次に流行るのは関節蹴りです!

非常に危険であり強力である技術、関節蹴りについて元格闘家が解説したいと思います。格闘技界ではカーフキックという言葉がSNSを通して流行しました。次に流行するワードは"関節蹴り"だと思います。カーフキックや関節蹴りは以前からMMAでは見られていた技術ですし、古くはグレイシー一族が関節蹴りを駆使していましたが、現在の日本の格闘技では目立つ存在ではありませんでした。

関節蹴りの使い手ではUFCファイターのジョン・ジョーンズが一番有名です。

2021年1月16日UFC 248ではマックス・ホロウェイが関節蹴りをうまく使い試合を有利に進めました。

カーフキックと同じく海外の試合ではよく見る技術ですので、いち早く知識を入れておきましょう。靴を履いた状況ではより強力になる技術になので護身術にもたびたび用いられます。プロの格闘家だけでなく一般の方にも有益な情報になると思います。

関節蹴りとは

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関節蹴りとは膝関節を攻撃する蹴り技です。狙う場所は膝がしらか膝の少し上の部分を狙うのが一般的です。また、相手の膝の横側を外側から蹴るのも有効です。テコンドーのように横を向いて構える相手に対して使います。

蹴り方の種類としては大きく分けて2つあります。

1つ目は前に出した足で横蹴り(サイドキック)のように蹴るやり方です。横蹴りの場合では足刀(そくとう)/と呼ばれる足の側面を相手に当てます。

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2つ目は後ろ側の足でサッカーのインサイドキックのように繰り出す蹴り方になります。

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関節蹴りは英語ではoblique kick=斜め蹴り。とも呼ばれています。昔はストンプキックとも呼ばれていました。UFCのゲームではヒールストンプという名前で聞いたことがある人もいるかもしれません。

こちらがInward Heel Stomp leg↓

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こちらがOblique Leg Kick Legです↓

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あまり違いがわかりません(笑)

関節蹴りはなぜ危険なのか

蹴られる側は正面や横側から蹴られると関節が向いてはいけない方向に曲がってしまう恐れがあるため空手をはじめ立ち技の試合では禁止技になっています。

ムエタイでも関節蹴りは使われていますが、蹴り込んでダメージを与える関節蹴りとは違ったもので前蹴りを脚に放つような打ち方で、主に距離を測る役割や相手の前身を止めるためのストッピングとして使われています。またムエタイの構え方は歩幅が狭く、後ろ重心なので関節に蹴り込んでも思ったほどダメージは与えられないでしょう。ムエタイの関節蹴りはダメージを与える関節蹴りとは別物になります。

MMAでは、関節蹴りは禁止されていませんが、その危険性故に物議を醸してきました。


ジョーンズを始めジャクソン・ウィンクMMA所属の選手がよく使う関節蹴りについてAKA会長のハビアー・メンデスは「残念ながら今のMMAのルール上では全く問題にならない攻撃だけど、運が悪ければファイターのキャリアを終わらせる可能性があるとても危険なテクニックなんだ」と語っています。また、過去にジョーンズと対戦経験のあるクイントン・"ランペイジ"・ジャクソンは「彼の関節蹴りの影響で、俺の膝はもう以前の状態ではなくなってしまった。彼は関節蹴りで相手を怪我させようとしている」と語っています。

もし、以前のrizinでジークンドー仕込みの矢地選手が関節蹴りで多大なダメージを対戦相手に与えることに成功していたなら、堀口選手のカーフキック以上に注目を集めていた技術になっていたかもしれません。

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さあ、ここからです。実践的に見ていきましょう。

関節蹴りの蹴り方


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