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プロダクトマネージャーをやってみて、2ヶ月の実感〜課題と対策〜

4月から本格的にPdM兼UIデザイナーとして働き出しました。
以前こんな記事を書いたのですが、

今回は実践を経ての感想です。
プロダクトマネジメントとデザインは親和性が高いという考え自体は変わらないのですが、実務を経てそれ以前の課題が出てきたのが現状です。
ということで、今苦戦してることとその対策について書いてみます!


前提。Mutureならではの役割

Mutureの価値発揮領域は様々ありますが、主なクライアントである丸井グループとの関わり方は大きく2つ、会社組織自体の改革とプロダクトチームのサポートです。
私はOMEMIEというプロダクトのチームと、主に後者の役割で関わっています。

Mutureが事業会社のPdMと大きく異なるのが、意思決定を行うのはあくまでクライアントという点です。
最終的にはMuture無しで自走できる組織にすることが目的なので、クライアント側にプロダクトマネジメントができる人を増やす狙いがあります。
そのため、プロダクトの方針・実施する施策の優先順位づけ・選択などはクライアントが行い、Mutureはその決定を最適なものにするための支援を行います。

実際に皆さんとお話したポッドキャストなどもあるので、ぜひ聴いてみてください。

元々はUIデザイナー兼ひろやさんのサポート的役割だったのですが、4月からは体制が変わり、1つのチームでは私がメインで動く形になりました。

日々の業務でやること・やらないこと

この2ヶ月間は諸々のファシリテーションやメンバーとの1on1、アジャイルやプロダクト改善に関連する知識共有、個別の施策の要件定義や振り返り、ロードマップ作成のための相談役、仮説検証サイクルを早めるための体制・会議体の見直しなど色々とやりました。

チーム・プロダクトを良くするためには手段は問わず大体何でもやりますが、目的はブレず「継続してプロダクトを成長させることのできる、自走する組織づくり」です。これを軸に支援の在り方を考え、時には取捨選択をしています。
特に、Mutureに依存しかねない体制になることは意識して避けています(例:外部ベンダーとの連携に介入しすぎない、など)。

伴走型支援ゆえの難しさ

PdMの経験無くこの伴走型支援を実現するのは正直難しいです。
目的の追求から仮説立て、その上で何をするかの選択、実行、振り返り、成果の検証・分析…。プロダクトの質を高め成長させていくための支援に必要な意思決定の判断軸や成功パターン、失敗経験とその向き合い方などの知見、要は経験則が不足しているためです。

意思決定するのはクライアントでも「自分だったらこうする」という考えは常に持たなくてはいけません。最終的に異なる方針になっても、多角的な視点を持ち、各選択肢に伴うメリット・デメリットを踏まえて比較検討することで結論の精度を高められるからです。
また、時には主導した方が良いケースもあります。そういう場合は特に自分の考えがないと何もやれません。

今、私が一番恐れているのは「それっぽいことが言えるため、短期的には役に立てている風に振る舞えてしまう」ことです。
OMEMIEチームは優秀で責任感が高く推進力のある方ばかりなので、「あくまでサポートだから」と狡い考えで人の意見に甘えることもできてしまいます。これでは本当に支援の意味がないので、相利共生を掲げるMutureの一員として、というかシンプルに人として不誠実なので絶対にとりたくない姿勢です。

不確実性に弱く、短期でものを考えてしまう

また、経験不足による不安から不確実性の高い未来、つまり中長期であるべき姿に向き合うことに消極的になり、つい見えやすい個々の施策・直近の数値目標だけに向き合ってしまうという別の問題もあります。

短期的には施策の実施〜振り返りと改善案出しまでできているため一見良く見えますが、この短期目線の繰り返しだけではプロダクトの方向性が少しずつブレていったとしても気づかず、将来振り返った時には本来プロダクトが目指したかった姿と乖離している、ということが起こる可能性があります。

ビジネス・ドメイン知識の不足による壁

これまでUIデザイナーとしてユーザー体験の向上については考え続けてきたつもりですが、ビジネスやマーケティング系の知識が不足していました。

一般的なビジネスモデルの把握をはじめ、丸井の事業構造、OMEMIEであれば小売業界にまつわる知識が足りていないと事業の全体像や市場動向を踏まえて施策の内容や優先度を検討することができません。

事業に関わる話題で部長やプロダクトオーナーと対等に語れず、危機感を持つこともあります。これは自分が咄嗟に良い意見を言えないことではなく、考えを深めるための議論の機会を失っていることが本質的な問題だと思っています。
また、プロダクト開発チーム内で良い取り組みができた場合にも、事業的なインパクトやユーザー目線での価値と接続しつつ意義を伝えられるようになりたいです。

というように様々な面から自分の力不足を実感していますが、組織伴走で価値を発揮するためには私個人が躓いている場合ではありません。
では、どうすればこのような課題が解決できるのか考えてみます。

対策その1:シニアとの1on1で伴走の伴走をしてもらう

どうにかしようと考えた結果、まずはMutureのPeer(メンター的役割です)に1on1の座組み変更の相談をして毎週の1on1を30分から1時間に延長してもらいました。

1on1用のStrapテンプレートを刷新し、何を相談するにも自分の考えを先に書くことにしました。

どうしても先に経験豊富なシニアの意見を聞いてしまうとそれに依存してしまい、自分独自の観点を持つのが難しくなります。ただ漠然と悩みを話して「どうしたらいいですか?」と受け身の姿勢でアドバイス⁩をもらうよりも自分の思考力が培えるよう、このような形にしました。

また、私がPdMとして事業責任者役のPeerへ直近実施した施策の意図や今後の方針について説明、納得させられるかという設定でケーススタディのワークも定期的に実施しています。

一朝一夕では思考力は育たないので、地道に継続していきます。
これができるのは未熟な内容ぶつけても真摯に向き合ってくれるだろうという1on1の場への安心感ありきなので、Peerには毎日感謝です。🙏

対策その2:社内のPdMコミュニティの活用

Mutureではプロジェクトを横断したPdM間のコミュニティがあります。

Slackチャンネルで情報を共有しあったり、丸井のメンバーを巻き込んだオンラインで書籍の輪読会、最近トレンドの話題から「この問題、自分がPdMだったらどうする?」という思考トレーニングを行ったりしています。

有志によるSlackの投稿

思考トレーニングは、毎週水曜日にテーマ共有→18:00にみんな自分の意見をSlackの予約投稿にセットして一斉に確認します。その後、時間が合うメンバーはハドルでラップアップします。
自分の思考トレーニングだけではなく、他の人の考え方や観点を知ることができるので勉強になります。

輪読会では、プロダクトマネジメントやプロダクトマーケティングに関わる本を読んでディスカッションしたりしています。

毎週輪読会があると、積読消化に強制力が働きます。

対策その3:知識のインプット

これは書籍や業界のweb記事を読むなどやることが明確なのでそんなに書くこともないですが、何がわからないかを明確にするのは自分の進歩を実感するために結構重要です。

例えばミーティングの場で話題についていけなくなった時は、もう潔く諦めて脳内リソースを内容理解に全振りします。下手に「議論に参加しなきゃ!」と焦ると、結局両方とも中途半端になってしまいまうからです。

次に、置いてきぼりのきっかけになったワードや文脈を忘れないようにします。それがビジネスの基礎なのか、小売業界特有の用語だったのか、この区別を明確につけてストックし、後から調べます。

という感じで諸々、この期に及んで…と反省しつつも、知らないことは知るしかないのでとにかく「何となく・ぼんやり・わかったつもり」という感覚をできる限り減らし、着実に知識を積み重ねていく他ないなあ、と思っています。

ちなみに今はビジネスモデルというものを知ろうと思い、外部メンターに教えてもらったこの本を読んでます。

実業務の内容は話せないものの、汎用的な知識や論理的思考力の部分は毎週の外部メンターとのワークで鍛えてもらっています。
これは別の機会で詳しく書きたいです。

試行錯誤の過程にも価値があるかも

自分のことはデザイナーからPdMというキャリアモデルの1として、良い意味で実験対象のように捉えています。
まず一つ目の事例を作ることで再現性の検証に使うことができますし、私が一人前のPdMになれれば、この個人的な対策は全社的ナレッジに昇華し、将来的にはMutureの人材育成に活かせる資産になるかもしれません
そのためにも色々と記録しておこうと思っています。

また、前回記事にも書きましたが、分かることが増えると単純に仕事は楽しくなります。
UI作りに手を動かす時間は以前に比べて減りはしましたが、徐々にプロダクト全体像を掴めてきた分、意外にものづくりに携わる実感が持てている感覚もあります。
改めて、肩書にとらわれずチャレンジできる会社の環境には感謝です。

また少し期間をおいて、この記事時点との自分の差分をウォッチしていこうと思っています。
ここまで読んでくださりありがとうございました!

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