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人事に異動して最初にやってよかった80人との全員1on1のやり方と学び

去年5月、育休復帰と同時に新設の部署に人事として異動することになり、最初に行ったのが担当する組織全員との1on1だった。

たいへんだったけど、やったことで得たことが多いく、専門職の横断組織でかかわる事業やプロダクトも複数にわたるという特殊性も高く、自分とは異なる職種組織であったという大きなギャップがある状態だったからこそ、人と組織を理解するために必要な取り組みだったなと思う。

この半年くらいで社内外の複数の人から、全員1on1やってたよね?どんな風にやってたか教えて!と言われることがあり、記録も兼ねてまとめておこうと思う。

全員1on1の概要と背景

・組織:エンジニアとデザイナーの横断組織
・私の立場:組織の専任人事
・期間:5月~8月の4ヶ月かけて実施
・人数:約80人
・1人当たりの1on1時間:1時間

なぜ全員1on1をやろうと考えたのか

育休の終わりがけに、異動の打診を受けて引き受けるか検討する中で、会社が大きくなっており、エンジニア組織の中で一緒に仕事をしたことがあったり話したことがある人は一部だったので人事として着任するならば最初に全員と話す必要があるだろうなと考えた。
それでVPoEとの面談の中で異動するなら最初に全員と1on1をしたいというお願いをした。
私の時間だけでなく、相手の時間ももらうものなので、組織としてコストがかかるものだったのだけど理解と協力をもらえたことはとてもありがたかった。

行おうと思った理由は大きくふたつ。
・組織の現状を知るには、ひとりひとりから話を聞く必要があると思った
・ひとりひとりを知ると同時に自分のことも知ってもらい、信頼関係をつくる必要があると思った

各部署の業務や体制などを把握することはもちろん、実態や課題もふくめて自分で確認をしたほうがよいだろうとなと思ったこと、リモートワークでもあるので組織の中の人の名前と顔、どんな人がいるかがわからない状態だと仕事のしようがないなと思ったことが大きい。

全員1on1の目的

はじめるときには改めて以下の目的を設定した。

①相互理解
・組織の中にどんな人がいるかを知る
・自分のことを知ってもらう
②組織の現状と課題把握
・組織の全体像と現状をつかむ

進め方

①slackチャンネルで全体へのお知らせ
・VPoEから、目的と内容を周知してもらう
・自己紹介する
②全体の進め方を決める
CTOとVPoEと相談してだいたいの流れを決めた
・部長/MG(部やグループの概要を理解する)
・新入社員(オンボーディングのフォローかねて)
・スタッフ(同じ部署の方が近くなるようにすることで部署の状況が立体的に見えるようにする)
③個別に日程調整
④事前にDMで自己紹介のスライドをお送り
⑤1on1当日
⑥事後にDMで御礼&個別にフォロー対応必要な場合は行う
⑦1on1のメモを整理

当日の内容(聞いていたこと)

相手によって話す内容などは調整していたけど、だいたいこんな項目で話をしていた。

①相互理解
・お互いに自己紹介
・入社の動機
②現状把握
・今、担当している業務
・働き方/リモートワーク/コミュニケーションの現状
・会社/組織の課題
・入社時のオンボーディング状況

工夫・気を付けていたこと

・初対面の人とはなすのが苦手なので、事前に自己紹介スライドを送ることでテキストコミュニケーションとりつつ、当日話すきっかけをつくりやすくした
・基本的には相手のお話を聞きつつ、自分のことや(社歴が長いこともあり)必要に応じて会社理解につながるお話はするようにしていた
・ひとりひとりの人の理解に加えて、それぞれの話や視点を重ねることで部署の状況特徴や組織全体の課題把握を意識した
・いろんな話がでてくるので、社会構成主義的な目線でひとりひとりが見ている景色をくわしく知ることに重点をおき、それに対しての評価をすぐにしないこと、ひとつひとつの声を大切にすることを心がけた

やってみてよかったこと

・組織理解の促進(やってること、状況、課題)
・働く人、ひとりひとりの理解(特性、業務、ネットワーク)
・関係構築(1時間で信頼をつくるところまでできた/できないはあるが、1対1の関係をつくることでお互いに声のかけやすさがうまれこちらから相談したり、相談されることがふえた)
・コンディション不調な方の発見とケア

結果的に、顕在化していない課題の発見や制度や施策の検討の質向上につながっている実感がある。
個人的な副次効果として、ひとりひとりと話したことで自分の仕事が誰のためにやってるのかイメージしやすくなった。

やってみて大変だったこと

・初対面の人と話すエネルギーがめちゃくちゃかかる(人見知りなため)
・スタンスの難しさ(上司部下の関係ではないので、マネジメントラインをおかさないよう気をつけた)

やってみての発見

予想外だったのは、1on1を楽しみにしてくれていた人や喜んでくれる人がいたこと。
あとは全員1on1をするということ自体が、組織のひとりひとりの、つまりあなたの意見を聞きます、というメッセージでもあり、それをポジティブに受けとめてくれる方が多かったことはありがたかったし、気が引き締まる思いだった。


わたしは、そんなに対人コミュニケーションのエネルギーが高い人なわけではないので、けっこうなエネルギーが必要だったけど、もしまた異動して別の部署の人事担当をすることになったとしたら、大変さを覚悟できっと全員1on1か規模によってはそれに近いことををやると思う。

そして実はこれ以降も新しく入社した方とは入社1ヶ月のタイミングで1on1をしているので、そういう意味ではまだ全員1on1は続いているともいえるので、引き続きひとりひとりの声を大切にしながら仕事をしていきたい。

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