雑談がしたい、の背景にあるもの
最近、「雑談」についてよく考えている。
会社で事業部の全員と1on1をする中で、「リモートワークになって雑談が減った」「もっと雑談したい」という声をよく聞く。
それは個人的な実感として、そうだなぁと共感しつつも、チャットに雑談チャンネルをつくったり、雑談イベントをやったり、雑談タイムをつくったりすればそれが解決できるわけでもなさそうで。
だから、オフラインのオフィスではどんな風にどんな雑談がうまれていたんだったけ?とか、雑談で何を話したいんだっけ?とか、雑談したいという言葉にはどんなニーズがあるんだろう?とか、そもそも雑談ってなんなんだろう、みたいなことをつれづれと考えている。
60人くらいと話してみて、すこしづつ見えてきたのは雑談と言ってもなんでもいいわけではなさそうだということ。
いまの仮説として「雑談したい」といときの雑談のポイントはふたつ。
1つ目が、ノーアジェンダ、フリータイム。
オフィスのエレベーターで一緒になって「そういえばさ…」とか「最近どう?」みたいにはじまる会話。
言葉のやり取りはフロアに着くまでの数往復でいい。
盛り上がったらそのまま歩きながらもうちょっと話したり、話したりなかったら今度ランチでまた話そうと約束したり、話す時間に制約がないこと。
ちょっと話したいなと思うことと、お誘いして30分のカレンダー登録して話すのでは、話すことの気軽さもでてくる内容もかわる。
ふたつめが、「わたし」の話をすること。
雑談したいと言っても、みんなわざわざ天気の話や世間話をしたいわけじゃない。
「わたし」が考えたり思ったり感じたり発見したりしてる話をしたいんだと思う。
昨日仕事でこんなことあってさ、とか家の洗濯機が故障しちゃってまいっちゃったよとか、最近読んだこの本、この音楽がよかった!とか。
そんな「わたし」の話の交換をしたいんじゃないだろうか。
そのうえで、なぜ雑談がしたいのか。
これも仮説だけど、つながりを感じたいのかなと思っている。
「わたし」の話を聞いてくれる人がいる。
相手の「わたし」の話を聞くことでその人の人となりを知れる。
楽しい雑談では、それが相互に起きていて、ささやかに相手とのつながりを感じられる。
そしてそんなうっすらとしたつながりが職場で何人かの人ともてていると、そこに居場所を感じやすくなるんじゃないだろうか。
かくゆうわたしも、育休中は雑談にうえていて、何人かの友人に「雑談しようよ!」と声をかけてオンラインで雑談をしていた。
それは毎回とてもいい時間だった。
雑談はアジェンダがない、いわば即興の連続。
話の流れのままにどんどん横道にそれていったり、かと思ったら急にぜんぜんちがう話題になったりする。
その日、そのとき、そのふたりでしかできない、もう一回同じ話題からはじめてもまったく同じ会話にはならないもの。
そんな即興の楽しさを共有できること自体が刺激的でもあり、ふたりの間に一体感みたいなものがうまれる。
雑談は一緒に道草を楽しむような感覚があるのだ。
そして雑談をとおして「わたし」の話の交換ができると、相手のことをより好きになる。
だから雑談するとちょっと元気になれるのだ。
じゃあそれを職場の中でどんな風に実装していけるかなぁということを引き続き考えていきたいなーと思っています。
みなさん、雑談してますか?
よかったら雑談どんな風にしてるよとか、雑談とはこういうものだと思う!とかコメントで教えてもらえると、思考のヒントになってうれしいです。
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