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【旅行日記】冒険だ!相模湖だ!ここどこだ!

最近は忙しくしていて投稿が出来ずにいた。何かとバタバタしている日々だったので、今日は、「高尾山」に上ることにした。

一緒に登るのは高校の時の友達。大学時代は一度も会わなかったのに、お互い就職が東京になりまた連絡を取るようになった。頭の悪い話をいつもしていた良き旧友だ。

高尾山に登る前にまずおそば。「おそば」というひらがなでの表現がおそばをより一層おいしそうに見せている。

おそばでお腹を満たしたところで、早速高尾山登山だ。まず、リフトのチケットを買う。…。誰が何と言おうと、チケットを買うのだ。リフトで登るのだ。

チケット変わったところで売ってる~!と思って撮ったのに、おいもスイーツを売ってる人だった。壺からチケットが出てくるわけないし、危うくおいもを見せてリフトに乗るところだった。

リフトの列の途中で拾ったどんぐり。友達がチケットを無くしかけ、一か八かでどんぐりを提示しようかと思ったが、何とか発見された。

そしてなんだかんだで頂上に着いた。道中では、「森の奥まった危険そうなところを絶対安全な登山道から眺める」ことのわくわく感などについて話し合った。山頂に着いた私たちは思った。

新宿駅・・・?

人が多すぎる。今日来るときに乗り換えてきた新宿駅東口のようではないか。

山頂からの眺めをさらっと見た後、まあケーブルカーにでも乗って帰るか…という雰囲気になる。

山頂にあるマップになんとなく目をやった。高尾山頂から、隣の山に行けるようだ。しかもマップには、相模湖までのっている。何時間か歩けば、相模湖に降りれるかもしれない。突然私たちの心に何かが走った。行かねば。相模湖まで、行かねば。人の多さに辟易したのかもしれない。人の波にのまれて、まるで「作業」のように登山をすることに疑問を感じたのかもしれない。とにかく、私たちの足は、隣の小仏城山頂を目指し、「奥高尾」へ向かっていた。

全く予備知識なしでの突然のコース変更し。道は階段が多く、歩きにくいことは歩きにくいが、登りの階段が疲れるだけでそんなに苦じゃない。すれ違う登山客との、「こんにちは」が心地いい。

ススキがいっぱい。

一時間くらい歩いたところで、小仏城山頂に到着した。かなりの階段と、先行きのわからなさで、山頂に着いたときはめちゃくちゃ感動した。登山は別に好きではないけど、これは登山ならではの喜びかもしれないと思った。

山頂の茶屋できのこ汁を飲む。こういう系の汁にはは人類皆七味をいれるものとなぜか勘違いをして、友達の汁に勝手に七味を投入し揉めた。

年季の入ったベンチ。ペプシって言いたくなる。

きのこ汁で温まったところで、いざ、相模湖へ下山!!茶屋のおばちゃんには、ここくだれば小一時間で相模湖よ~国道出たら右ね~と言われ、自信がつく。県境をまたぐ峠越え。昔の旅人のようだ。思い出すのは東海道五十三次。昔の人は、えっちらおっちら山を越えて、途中の茶屋で励まされて、旅をしていたはずなんだ。

相模湖へ続く下山ルートに足を踏み入れる。・・・え?合ってる・・・?ってくらい道が険しい。狭い。急。怖い。しかしもう引き返すわけにはいかない。暗くなる前に森を出なければ。時刻は14時を指していた。

…行こう!!!!ライフイズアドベンチャー!!!

丸太の断面図。ステキ。

途中までは階段があってくだりやすかったのだが、途中から道が無くなってきた。「かつて階段であったもの」や「木の根っこ」をつたって歩くしかなく、どこに足を乗せれば安全か考える時間を費やさなければならなかった。途中明らかな岩場があって、壁づたいに歩くあまり頭を壁にこすりつけた。

薄々気づいてたけど私は岩肌フェチだ。

道路や工事など、街の音はするけど、国道まであとどれくらいなのか全く見えない。木々の隙間から遠くに、川が見える。すぐ近くに見えるのに、山は直線的におりることを許さない。

あれ。なんでこんなとこにいるんだろう。高尾山にのんびり登って、おいしいもの食べて、ケーブルカーで楽々下山のはずだった。下山したら温泉でも浸かって、友達とくだらない話をして、インスタ見て、わいわいして……。なんで、よくわからない山の中で必死に湖を目指してるんだ???これが人生というものか。ふと気づくと、もう引き返せない森の中にいる。やるしかない。その先に感じるゴールのために、まだ見ぬ道を行くのか。登山は人生だと誰かが言ったけれど、その通りなのかもしれない…そう思っていると友達が私に言った。「ねえ、なんで私たちこんな山の中にいるの?」どうやら同じ思いだったらしい。私は「これが人生だよ」と答えた。友達は「?」な顔をしていた。

写真だと急さが伝わらないが、今あなたが想像した斜面の3倍は急だ。

なんかジェイソンでそう。って思った広場(?)

無心に歩き続け、2時間近くたった。下山したら、「小一時間」の意味を調べよう。水の音が大きく聞こえる。民家の屋根も近づいてきている。…国道だ!!!!この30分くらい、私と友達の会話は、「平らな道を歩きたい」「落ち葉のない道を歩きたい」「椅子にすわってみたい」というハードルの低すぎる願望を言い合うことに徹していたため、ようやく国道に出られそうな階段が現れたときは歓喜した。もうすぐ下界だ!!!山で暮らしている鬼たちが人間界におりるときをイメージしてほしい。文明の神秘に心躍らせるあの感じを。(身近に鬼の知り合いがいない人はカップラーメンを始めて食べたときでも思い出してほしい。あれは物凄い文明だ)

ついに国道に…おりたった!!!!夢にまで見た平らな道。滑らない道。最高。そしてここは。神奈川県!!!山を越え県境を越えた。江戸時代バンザイ。ヤジさんキタさんバンザイ。現代人もやったよ。そして相模湖を目指す。どこだ。さっそくグーグルマップの恩恵を受けよう。マップの示すとおりに私たちは歩いた。相模湖を見なければ。最初は適当に決めたゴールだったのに、いつしか絶対やり遂げねばならない目標に変わっていた。「国道に降りたらタクシーでもバスでも乗ろう」と話していたのに、「相模湖までは歩いていかねばならない」という信念が生まれていた。相模湖までは遠かった。普通に遠かった。相模湖に着く前に日は沈んだ。真っ暗の相模湖は果たして楽しいだろうかという不安はよぎったが、もうそんなこと関係ない。相模湖まで歩くことだけ考える。大通りを左に曲がり、住宅街を抜けた。もうここがどこかなんてわからない。当初の予定とは遠く外れたところにいることだけは確かだ。確かなものが何かあるならそれでいいじゃないか。

湖だ。そこには暗く静かにたゆたう相模湖の姿があった。

静かな波が岸壁に打ち付ける小さな音。浮かぶボート。向こう岸の夜景。湖を囲う山々。波の音と夜の暗さが、この旅の終わりを儚くも確かに彩った。幻みたいな今日の出来事。いつかは忘れるこの瞬間も、あの山の斜面も、友達との会話も、ぜんぶ、ぜんぶ、今日、確かに、私は感じた。

人生は美しい。人生は冒険だ。予定通りに進まないからこそ、出会える景色がある。それがどんな景色でも、綺麗じゃなくても、真っ暗闇でも、疲れ果てていても、だれと見ようとも、それが真実で、かけがえのない、人生だ。

私たちはしばらくの間、相模湖を見つめていた。どちらからともなく、帰ろっか。とつぶやいた。ごはん何食べようね。白いご飯とみそ汁がいいな。定食屋さんあるといいね。そうだね。

                               ~終~

駅前にチェーン店とかいろいろありそう、と言ったのに何もなくて友達に怒られる。

定食屋さんを見つけて食べたとんかつ定食。おいしすぎてしびれた。

#物語 #日記 #旅

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