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『給食アンサンブル2』発売決定!

学校給食をテーマに、悩める中学生たちの揺れる心を描いた『給食アンサンブル』。その続編となる『給食アンサンブル2』が、10月12日に発売されることが決まりました。
イラストを描いてくださったのは1巻同様、漫画家の五十嵐大介さんです。自然と目を惹きつけられる、とても魅力的でパワーのある表紙絵を描いていただきました。

悩み、戸惑い、自分がいやになるときも、
給食はいつだってそこに――

部活を辞めたことを引きずる慎吾、推しキャラへの想いに心乱れる朋華、
熱くなれないたちの楓乃、吹奏楽部の改革に孤軍奮闘する高城、
「いい人」しか取り柄のない三熊、長い片想いを続ける千秋。
それぞれに迷いや悩みを抱えた6人の中学2年生。
彼らの胸にひそむほんとうの気持ちを、給食が教えてくれる。
あたたかな音色を奏でるアンサンブルストーリー。

『給食アンサンブル2』カバー袖の文章より

引用した袖の文章にも書いてあるとおり、『給食アンサンブル2』の主役は中学2年生の少年少女です。
前作『給食アンサンブル』が中学1年生の1年間の物語だったので、彼らが2年生に進学したあとの物語も、いずれ書くことができたらいいなと、『飛ぶ教室』での連載終了時からずっと想い続けていました。
それだけに、光村図書の編集者さんからこの続編のご提案をいただいたときは非常にうれしかったのですが、同時に迷いとためらいもありました。

『給食アンサンブル』の物語のなかでは、わいわいおしゃべりをしたり、人気メニューのあまりを取りあったりと、にぎやかな給食風景を描きました。続編を書かせてもらえるなら、次もまた前作同様にたのしい給食の場面を書きたい、と思っていました。
ところが現実には、机を班の形にして、クラスの仲間と会話をしながら食事をとるといった、前作で描いたような給食風景は、まだもどってきていません。そうした状況下で、数年前までと変わらないにぎやかな給食の場面がしばしば登場する物語を書き、世に送りだすことに抵抗があったのです。

しかしその一方で、いまだからこそこの物語を書きたい、という気持ちもありました。
帯に載せてもらったメッセージにも書きましたが、物語は現実を写しとるものであると同時に、願いを映しだすものでもあります。
かつてのようににぎやかでたのしい給食の時間が、1日も早くもどってきてほしい。そんな願いをせいいっぱいこめて、数年前まではあたりまえだった、そして遠くない未来にもどってくるはずの、にぎやかな給食の物語を書かせていただくことにしました。

『給食アンサンブル2』には、「アーモンドフィッシュ」「ハヤシライス」「ミートボール」「クリームシチュー」「くじらの竜田揚げ」「牛乳」の6編の物語が収録されています。各話の主人公や物語のあらすじは、また機を改めてこのnoteでご紹介をする予定です。
『2』単独でも問題なくお読みいただけますが、前作から引き続き登場するキャラクタもちらほらいますので、前作『給食アンサンブル』を読んでいると、さらにたのしめるかと思います。
例えば第1話の慎吾の物語には、バスケ部の仲間として、前作で主役を務めた満や雅人が登場します。第2話の主役は、前作1話の「七夕ゼリー」から、美貴や桃の友人としてたびたび登場していた漫画好きの朋華です。
特に朋華は連載中から彼女を主役にした物語が書きたいと思っていたので、『2』でようやくその願いをかなえられてうれしく思っています。

中学2年生になり、ちょっぴり大人に近づいた彼らの、新たな給食の物語。1巻同様、たくさんの方々にたのしんでいただけることを、心から祈っています。

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