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ひなたぐまボートでひかげぐまに会う

シリーズ・現代川柳と短文 067
(写真でラジオポトフ川柳155)

 ひなたぐまはひなたにいる熊だ。縁側に座り、老夫婦に出されたお茶を飲み、大福を食べ、のんびり過ごしている。寝床に戻るころにはすっかり陽が落ちている。湯呑みや皿が置かれたままの縁側に、今度はひかげぐまが座る。老夫婦は居間でテレビを観ている。「熊さん、次はいつ来るかなあ」「この時期は忙しいんじゃないかな。そのうち来るだろ」老夫婦の言う「熊」はひなたぐまのことだろう。それでも、ひょっとしたら、とひかげぐまは思う。

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