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母音だけ取り出し船がこげるのか

シリーズ・現代川柳と短文 124
(写真でラジオポトフ川柳212)

 かつて人間が天にも届く高い塔を建設しようとしたとき、言語の差異がネックとなり、計画はストップしてしまったと聞く。たしかに、「この石を向こうに運ぼう」程度なら身振り手振りでなんとか伝えられるかもしれないが、「11時から昼休憩に入ってお弁当タイムにしましょう。鰆の西京焼き弁当はクーラーボックスの中に、豚のしょうが焼き弁当は冷蔵庫の中に入っていますので、各自事前に申告していたほうを取ってください」を異なる言語の話者にどうやって伝えればいいかわからない。もし人間全員が同じ言語を話せたとして、この世のいさかいは無くなるのだろうか。逆に増えるのだろうか。

▼これまでの「現代川柳と短文」は以下から!


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