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【自分なりの幸せ探しに失敗した人】 #867


人の噂とか裏切りとかケンカとか
そーいうの嫌なんだよ

最初はまともに会社勤めしていたんだ
若手エースとまでは行かないけど
そこそこの成績を出していた

後まぁまぁ男前だったので
女子からはモテたりしていた

順調な大人ライフを送ってたんだけど

僕の唯一の弱点
それはメンタルの弱さだと思う
人を平気で傷付けるサディステックな所があるくせに
自分の事となるとガラスのハートで
ちょっとでも嫌な事を聞いたりすると
ヘコむし相手が分かった場合は
その人ともう喋れなくなる

社会人になって数年経つと
周りの人たちは皆んな嘘ついてて
きっと影で僕の悪口を言ってるに違いない
そういう強迫観念が出てきだして
仕事も面白く無くなり
不安で押しつぶされそうになった

できれば
関わる人間は少ない方が良い


以前は仕事が終わったら夜の街に繰り出していたのに
今はできるだけ早く家に帰りたかった


貯金はそこそこある
将来結婚して一軒家を建てたい
そんな夢があったからだ


もう会社辞めたい
このままだと身体が持たない
仕事も大切だが
自分の命の方が大切だ

冬のボーナスを貰って会社を辞めた
誰にも引き止められなかった

やっぱり嫌われているんだ


会社とか気にしなくて良くなったので
都心部から離れた
新しいマンションは以前の所より部屋がひとつ増えた
家賃は五万円下がった
ベッドタウンだったのでスーパーなんかも近くにあり
とても生活するには便利な所だ


僕は極力外出は控え部屋にこもり
株の勉強をしまくった
今お金のある内に投資を始めたい
自分の中ではこれからは投資が一番強いと勝手に思っていた

それはハッキリ言って
単に僕が人と関わらずに収入を得ようとした時に何が一番最適かを考えた結果であって
それをあたかも時流のように言う
多分こういっと所が鼻について嫌われるのだろう

まぁ良いさ
これからは煩わしい人間たちに殆ど会わなくて済むのだから


株で大儲けしようとかは考えていない
普通に生活を継続する為の手段と考えている
だから冒険はしない
無難な損をしない投資をコツコツと続けた
時間はたっぷりとある


外に出ると言えば
ゴミを捨てる時と
どうしても外に出ないと買えない物がある場合以外は全く外出しない

だいたいは通販やデリバリーでまかなえたしまう
便利な世の中だ


身長170m体重60kgだった僕は
1年経つと80kgになり
2年経つと100kgを超えてしまった
オマケに頭もハゲてきて
多分以前の会社の人に会っても
僕だとは分からないだろう

株も安定した黒字を出し続けている
貯金は倍になった

あのまま勤めていてもこんな貯金金額にはなっていないだろう
怪我の功名とはこの事だろう


ただ一つだけ不自由している事がある
大人たちは相変わらず怖いし信用していない
でも恋愛とかもホントはしたいしエッチだってしたい
まぁエッチだけだったら風俗に行けば良いんだけど
やっぱり大人は信用ならない

そしたら好みのタイプがどんどん変わっていき
今は小学生の女の子に夢中なんだ
大人みたいに汚れていないし
裏切ったりしない

違法なのは分かってるんだけど
児童ポルノのDVDなんかを闇の通販で買ったりしている
もう100枚近くコレクションがある

もし願いが叶うならば
小学生の彼女が欲しい

1人で生活していると考えや思い込みが進む速度が速いような気がする

幼稚園児も良いなと思いだしている

たまに普通のアダルトビデオも観るが
全然面白くない
嘘ついて演技して汚らしい


最近はお散歩と称して近くの小学校と幼稚園の下校時間に合わせて出かける
見たい放題だ

そんな事繰り返ししているとお気に入りが出てくる
好きなアイドルと同じだ

こうなってくるとその子をメインにお散歩というストーカー行為をしていた

何処に住んでいるのか分かった
乗っている自転車も分かった
上にお兄ちゃんが居るのも分かった
ダンス教室に毎週金曜日に行ってるのも知っている
もちろん名前も知っている

頭の中はナオちゃんでいっぱい

コッソリ撮った写真を児童ポルノの画像に合成しオナニーしている
最高だったが虚しさもあった

自分が異常なのが分かっているからだ
犯罪だけは犯すなよ

もう充分犯罪なのだが


でも抑えられない感情は膨れ上がるばかりだ

僕はわざわざ新しくスーツを作り
散髪屋で髪を切り整えてもらい
クイックで作れる印刷屋で名刺を作った

夕方まだ早い時間にナオちゃんの家に現れた
ピンポンを押すとお母さんの声が

「どちら様でしょうか?」

「あの私盗聴Gメンの山田と申します
この辺りを捜索しておりましたら
どうやらこちらの家に盗聴器が仕掛けられているようでして
もし宜しければ盗聴器の場所を見つけ撤去させて頂けたらと思っております」

「盗聴器…ですか
まだ主人が帰ってきておりませんので」

「承知しました
こちらのポストに名刺を入れておきますので
名刺に書いてある事務所では無く
携帯電話の方に連絡を下さると連絡がつきやすいです
よろしくお願い致します
では失礼します」


バッチリだ
これでナオちゃんの部屋にも入れる


後日お父さんから電話連絡があって
土曜日に伺う事になった

出迎えてくれたのはお父さんだった
お母さんと子供たちは出かけていた
これは逆にありがたい
あまり人とは関わりたくないからね

ヘッドフォンをかけて探しているフリをする
今日は盗聴器を探すのでは無く
盗聴器を仕掛けに来たのだ

最初は後ろを着いてきたお父さんも飽きたのかリビングルームへと姿を消した
チャンスだ
ナオちゃんの部屋に行き
コンセントを探した
うまい具合に分かりやすいところに2箇所コンセントがあった

そこにそれぞれ盗聴器を設置し
その二つの周波数は変えてある
そしてあたかも見つけたように
一つだけを取り除く
それだけで良い

見つけたとお父さんを呼びに行き
ヘッドフォンをジャックから抜き
スピーカーで音を聴かせた

声がエコーのようになっている
別の機器で場所を特定してやる
そして慣れた手つきでコンセントを外し壁の中を調べたら
先程僕が仕掛けた盗聴器が現れた

お父さんはビックリした

そこで僕が言ったセリフは

「恐らくこの家を建てる時に何処かのタイミングで何かの業者が取り付けたんでしょう」

お父さんはビックリしつつも安堵していた

僕は感謝され家を後にした

これで好きな時にナオちゃんが聴ける


しかし間の悪い事もある
その後スグに本物の盗聴器ハンターが現れもう一台の盗聴器を撤去した
そこで疑惑に上がったのが僕たった
警察に捜査を依頼して
防犯カメラを見てもらったところ
家の近くにしょっちゅう頭のてっぺんがハゲたデブが写っていた

まさしくこれは僕である

警察の仕事は早い
あっという間に僕の家を突き止め
逮捕されその後家宅捜査で違法の児童ポルノのDVDも多数押収され
ニュースで顔も世間にさらされ
自分の人生は完全に終わった

初犯である事
相手の女性
この場合ナオちゃんには危害が加わっていない事
児童ポルノもそれで儲けよと売っていたのでは無く
個人の楽しみとして持っていた事などを考慮して
執行猶予2年で済んだ


マンションも住めなくなり
別の場所に引っ越した

今でも株は続けている
生活しないといけないから

もう小学生にのめり込むのはやめにしよう
その気持ちを紛らわす為に
小型犬と猫を飼った

心が安らいだ
もうあんな変態じみた気持ちにはならなかった
相変わらず人は苦手だが 

抜けた毛は戻ってこないけど
体重は少し減って80kg台になった




ほな!

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