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【例えばこんな未来】 #678


「やっと機械の体が手に入る」

「何言ってんだ?」

「機械の体が手に入ったら
永遠の命を手にしたのも同然だ」

「オマエはアホか?
考え直せ」

「なんでよ」

「世の中は常に進歩してるやないか
今は最新やと思ってる体も
1年か2年も経たん内に古なるで」

「バージョンアップしたらええんとちゃうか?」

「確かにソフト面はそれで済むやろけど
ハード面はどうする
極端な話で言うとなんでも流行りすたりがあるやろ
昔あったセガのゲーム機
今はもう無いやろ
セガなんてまだマシな方よ
会社は存続してるから
もし機械の体を作った会社が倒産したらどうなる
どこの誰がメンテナンスする
しかも倒産後
開発者が心労で自死(自殺)したらどうなる
分かる人がおらんようになるで」

「そんなん例えばの話やん潰れへんてあんだけデカイ会社やったら
しかも1人で開発したんやのうて
沢山のチームでやってるから
1人欠けたとしても大丈夫やで」

「強気やなぁ
ってか体が機械なんやろ
それ錆びるで」

「完全防水って書いてある」

「それは新品の時の話やろ
生活しとったら小さいのんから
大きいのんまでアクシデントはつきものやで
歩いててこけて足すりむいて
その日は大そうな雨でそっから水が染み込んで錆びるで」

「そんなもん修理か交換したらええがな」

「ほんま強気やなぁ
やめといた方がええと思うねんけどなぁ…」

「既に機械化したオマエにそんなん言われた無いわ」

「アホ
せやから言うとんねんやがな
後悔するぞ
オレはめちゃくちゃ後悔してるぞ
見てみろ古いやろ
ボロボロやろ
こんなんなりとう無いやろ
バッテリーの充電も持たんようなってきとるし
バグはしょっちゅう起こるし
容量も少ないから処理速度も遅いし
どこが永遠の命やねん
徳永英明や無いけどな
ホンマ壊れかけのラジオやで」





ほな!

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