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FtM?FtX?の俺が下着専門店に行ったら自分の体が好きになった、話

下着が苦手だ。

いや、遠巻きに見てる分には可愛いと思う。
しかし自分の体にくっついてるとそうもいかない。
世の女性ものの下着は、もっぱら白とかピンクとか水色とかで、可愛くて、ふりふりしている。どんなにガワを装ってもお前は一皮剥けば女なんだと言われているような気がしてならない。「実は女の子らしくて可愛いんだね💋」みたいな手合いにはもう飽きている。
もちろん、別にそれが似合うような人にとってそれはなんら悪いことではない。残念ながら俺がそうではないだけだ。

そうではない下着もたくさんあるのだと思う。しかし如何せん下着が苦手ゆえにちゃんと選んだことがなく、お金を使う気にもあまりなれない。
一方で別に自分の胸部の存在は嫌いではない。自分の身体が美しく見えるというのは良いことである。胸部が女性型パーツとして見做されるのが嫌なだけだ。だから胸部を押さえて目立たなくしたいという願望もない。
ただ、自分の身体を綺麗に見せられるものが欲しい。無理に飾り立てたり押さえつけたりするのではなく、するっと自分のありのままの体型の魅力が香るような下着が欲しい。そんな下着があったら、今よりもちょっと自分のことを好きになれるかな……


あった〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!
下着専門店すげ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!

ってだけの話です。
全然しんみりしてないです。


下着専門店、すごい(※PRじゃないよ)

行ったのはアンフィさんというところ。
かの有名な下着専門店、ワコールのプチプラライン。

いやね、ずっと思ってたのよ。
下着専門店ってなんかもう「女性もの下着」の権化じゃん(偏見)。男性が女性もののランジェリーショップ行くと絶妙な居心地悪さを感じるとかいうけど、ああいう感情が俺にもあったのよね。特にほら、親世代の下着とか見る機会多かったから。だから良い下着といえばワコールだな〜とは思いつつも、ちょっと足踏み入れるのも恐れ多かったっていうか。
あとそもそも金がない。そりゃ当然遠巻きになる。下着に1着5000円以上とか使う未来すら見えないわけですよ。いや下着関係なく一般に、苦手なものに5000円以上使うのって結構罰ゲームじゃない?

でもプチプララインならいけるかもとか思ったりしたわけ。
実は以前別のワコールのプチプララインで時間があるときに軽く採寸とフィッティングをしてもらったことがあって、気さくでさっぱりしてたしデザインもさらっとしてて割と好みだったから、今回もまあいけるかな〜なんて思ったりしたのね。お値段も1着2000円くらいで手頃だったし、質も良かったので、その下着にはその後結構長くお世話になったし。

というわけで足を踏み入れてみた。

結論、すごかった。革命的だった。マジで。

ここがすごい!(※PRじゃないよ)

端的にメリットを言うと、「ガチで体が綺麗に見える」です。

下着ってすげーのよ。ただの胸部パーツのデコレーションじゃなかった。もう体型ごと変わる。合う下着と合わない下着で、体全体のラインがそもそも全然違って見える。図示すると、自分の場合はこう↓

だから要するに、適切な下着をつけると「結果的に変に胸が強調されない」んですよね。

つまり、今まで合わないブラをつけていたのは、服の中に無理やり合わない鎧を仕込んでたみたいなもの。
考えてみて欲しい。鎖帷子の上に服着てる。そりゃ着膨れするし胸部パーツ膨張するんよ。戦場なら良いけど日常ならダメだ。

というか、ブラって「そういうもの」だと思ってたんですよ。
でも違った。もっとホールド力があって寄り添ってくれるやつだった。なんなら脇の下とか脇腹とかの無駄な贅肉全部包んでくれるやつだった。

店員さんから聞いた大切なポイントを自分なりにまとめると、こう↓

①胸の横幅を適切にホールドしてくれるサイズをつけるのが大切(単純にトップとアンダーの差で決めるのではなく)
→多分だけど、「何もしてない状態で両方の胸の横幅がカップに適切に収まっている」ことが必要(少なくとも俺は)っぽい。左右差があるので、頑張ってカップに収めようとしてつけ方が変になってたらしい。そういうときは大きい方に合わせて、小さい方はパッドで補うといいって。

②ワイヤーの形と胸の形に合う・合わないがある(私の場合はU字型がよくてL字型は浮くらしい)
→確かに合うやつと合わないやつあるな〜と思っていたけど、ワイヤーの形が大切らしい。合わない形のやつをつけると、胸の形とワイヤーの形が違ってて、変なところに変な隙間があるので、わかる。
→逆に合っているやつは「変な隙間がないやつ」。これ、店員さんに勧められたやつを実際つけてみたら一目瞭然で、「合うってこういうことか〜〜〜〜!!!!」ってなった。「なんか合うやつないな」って思っている人、諦めずに形を変えてみるともしかしたら見つかるかも。

へー。学びだ。
え、どうなの?みんなこういうの知ってるものなの?俺はマジで衝撃だった。知識としては一応知ってはいたんだけど、体感できたのが一番でかいなあ。

実際どんな感じなの?

流れとしては、
①好きな下着を選んで店員さんに預ける
②採寸
③選んできた下着をつけてみて、直してもらったりサイズのアドバイスをもらう(フィッティング)
④どれにするか決めてお会計。合うものがなければ買わなくてももちろんOK
って感じです。

※店員さんがかなりつきっきりでやってくれるので、冷やかしはやめようね!買うことを勧められることは全然ありませんが、「予算内で良いのがあったら買おう」くらいの気持ちは持って行くのが良いと思います!個人的には!ただのいちお客の意見だけど!

採寸も良いのだけど、真骨頂はフィッティングと、その後のアドバイスだと思う。「ちゃんとつけるとこんなに合うのか!!!」or「ちゃんとつけてもこんなに違和感あるのか!!!」がわかる。

で、多分俺がきらきらしていたのを見て、店員さんが合いそうなやついくつか持ってきてくれて、それが〜…すごかった。つけた瞬間「こんなに綺麗に見えるの!?!?!?!?」ってなった。
プロって…プロなんだよな…

噛み締めてのお気持ち

いや、なんか、本当に、すごいな〜ってなった。

その日は確かゴリゴリのショートヘアとメンズメイクと男物の服で行ったと思う。空気に引きずられたくなくて。女性であるということに馴染みを持ちたくなくて。

自分は比較的女性にも男性にも見える外見だから、美容室に行くときとか、レディース服を買う時とかに「今日は女性のガワで行こう」ってつい思っちゃうことがある。場から浮きたくないんだよね。TPOっていう単語が頭をよぎるって言うのかな。
なんかね男性のガワで行くの、つらいんだよねそういうとき。鏡見ると「男性のなりそこない」て感じで。「お前は本質的には女性なのにボーイッシュ装ってるだけ」ってすごい言われている感じがする。
というかそういうふうに整形されている気がする。「あなたは女性ですよ〜」ってことあるごとに強調されてしまうから。いやまあ身体的にはそうなんだけどね。でもなんかそれを自分の本質とされてしまうんだよね。
だから逆に女性のガワで行って、さも何事もなかったかのように振る舞ってしまう。違和感が出れば出るほどそこに目がいくから、違和感がないような見た目をすることで、なんとか見えないようにしたいのかもしれない。「わかってますよ〜わかってますからこれ以上言わないでくださいね〜」って気持ちなのかもしれない。

でも、下着は日常。俺は今回可愛くなりにきたんじゃない。普段、この格好をしているときにでも、違和感なくつけられる下着が欲しい。その意図をきちんと覚えておきたくて、きちんとメンズの格好で行った。

結論、下着の方が一枚上手だった。

自分だけの感覚かもしれないんだけど、調和するやつは調和するんだよね。確かに合わないやつだと「わ〜胸!女子!」って感じなんだけど、合うやつは、なんか当たり前のような顔してそこにいる。男性の下着をつけているときと全く変わらない感覚で、ただ適切に俺の体を支えているだけ、というか。
つけてないときよりも、自分は自分だった。腕と脇腹に流れていたふわっとした贅肉が適切に布の中に収まって、腕〜肩〜脇腹あたりのパーツがものすごく綺麗に見える。動いても伸びをしても体が「あるべき姿」を保ってる。半ば自分の持ち味とも思っている、肩と腕のゴリッとした感じが綺麗に強調される、思う通りの体だった。

あと多分見た目的に店員さんに察されていたのか、ふわふわヒラヒラしていないやつをおすすめしてくれて助かった。ベージュ主体の下着って単体で見るとなんか「女性の肌!!!」って感じでつけるの難しかったんだけど、いざ着けてみると「あなたの体の一部ですけど?」みたいな顔してくれるので、ありがたい、ということを知った。

運動とか筋トレとかしたくなったな。この下着つけて腹筋バキバキにしたらめっちゃかっこいいと思った。
ありがとうアンフィさん!!!今後もここで買います!!!

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