見出し画像

#184 視座を高くするには、「どうしたいか」「やりたい」をつくる 24/5/28

みなさん、こんにちは。
今日は、やりたいことがあるかどうかの影響を考えます。

(実例を基に編集しています)
先日、ある事業部門長とマネージメント職の人材育成について、意見交換をする場を持ちました。課長層と現場責任者のもっとも事業運営のコアポストを担う職位者にあたります。その事業部はコンサルティングの川上工程を提供するサービスを担っています。その現場責任者、いわばコンサルタントの中でもPM・PLを担う層の人材マネージメントに関する議題でした。

話していくと、事業部門長は現場のPM・PL層に対して、自社自部門の視座を持ってほしいと課題を設定していました。少し前の言い方でいえば、ロイヤリティや自社への関心の文脈です。

どうしても現場の従業員は、お客様に100%近くの関心とコミットメントを示しがちです。その現場と、課長などミドルマネージメント層の間には、物理的距離と心理的距離が生まれてしまいます。これは、顧客からの受託業務でサービスを提供する企業の宿命とも言えます。

さて、どうしたら、PM・PL層のコアメンバーたちが、自社自部門のビジネストピックや組織の方針や戦略に関心を寄せてもらえるか、問いを投げながら、抽出できないか、トライしてみました。

「そもそも、なぜ、PM・PLに、自社視点を持ってほしいと考えているのですか」

「いろいろありますが、コンサルティングサービスをどのような形で提供していくのが、その時のベストか、変化に柔軟に対応したいからですかね。そのためには、お客様のニーズや課題に向き合っている現場責任者の声をサービス開発にフィードバックしたいと思っています」

「それはいいですね。うちのコンサルティングはマーケットで後発ですし、規模が大きいわけでもないですからね」

「そうなんです。ドメインも今はニッチなセグメントに絞って、徐々にしみだしていきたいと考えているので、マーケットニーズを素早く察知したいんです」

「今、○○さん(事業部長)の目から見て、PM・PLの何割くらいが自社への関心を、○○さんの思う強度で持てていますか」

「1割、よくて2割弱くらいですかね。AさんとBさんなんかはその代表的なPMですね」

「Aさん、Bさんなのですね。名前が通っている2名ですね。彼、彼女は他のPMと比べて何が違うから、自社の視座で、自社に関心を持っているのでしょうね?」

「うーん、そうですね。事業部門の経営情報を定期的にPM・PLに共有しているのですが、彼、彼女は彼らなりの言葉に変換してプロジェクトチームに共有していることが多いですかね。ほかのPM・PLは伝えた情報のまま共有している印象があります」

「そうなのですね。大きく違いますね。情報を咀嚼して伝えるか、そのままのテキスト情報を伝言ゲームするか、みたいな違いでしょうかね」

「あ、そうですね。たしかに、お客さんに対してうちのサービスを提案するときも、自分なりに咀嚼して話している様子を、ついこの間も提案の場に同席していて見ましたね」

「それは何が異なるのでしょうね?その2人と、そのほかのPMと?」

「当事者意識とかですかね」

「それもありそうですね。プロジェクトを『こうしていきたい』なんて意志の有無やその強度に違いはありそうでしょうか」

「あー、確かに。自社の情報にも関心が高いPMは、プロジェクトをこうしていきたい、って言える人が多いかもしれません。意思があるっていうか」

「なるほど。Willがあるんですね。プロジェクトやお客様をこう導きたい、みたいな。そのWillを持てていると、自社の経営情報に関心が向きやすかったり、その情報を受けて、自分なりにチームメンバーに対して、自分なりの解説をすることができるのかもしれませんね」

「そうですね、それは確かにしっくりきます。腹に落ちました」

「PM・PLがこうしていきたいとWillをもつ、そうした行動様式を変えていくことが今と変えていくポイントなんだ、と伝えていき、実践を支えていくのでしょうね」

「そうですね。課長とPM、部長と課長、わたしと部長のそれぞれの階層でも同じことを実行していくのだと思いました」

こんなやり取りを事業部門長と対話しました。
自社自部門の視座に立って、現場でもお客様やプロジェクトメンバーに相対してもらいたい。そのためには、回りまわって自分たち事業の経営層が変わることまで、対話を通してたどり着くことができました。

さて、みなさんは自分の仕事に対して、こうしたいとWillをどの程度持ち得ていらっしゃいますか。
それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?