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#94 採用の弱者戦略は傾聴一択、相手に興味を持つ 24/2/28

みなさん、こんにちは。
傾聴を考えます。

わたしは採用に携わっています。
当社は採用力の高いブランド企業ではありません。ですから、あの手この手で採用活動をスパイラルアップしようと、日々チームで試行錯誤しています。
その基本は弱者の戦略です。普通に考えれば、いかに応募者を口説くか、に骨を砕いている採用担当者、採用部門がマジョリティーでしょう。それは間違いありませんし、わたしも同意するところではあります。

しかしわたしは、口説くことはしない方針を採っています。
理由は2つです。
1つは、口説こうとすると、採用担当や面接官に過剰や虚飾が生まれるからです。ウソまでは行きませんが、必ず過剰演出、着飾りを生みます。
それがなぜダメだと思うのか、です。

それは、口説きが響いて晴れて入社したとします。入社後、その方がなかなか上手くパフォーマンスできなかった場合、エクスキューズが生まれます。

「入社前(採用時)に聞いていたことと違った」

入社後の離職懸念もしくは離職の理由です。
採用担当、または配属部門の責任者は、良かれと思って入社動機を後押しするクロージングをかけます。
複数企業のオファーのある採用候補者は特に、口説きを受けて心が揺らぐ人も少なくありません。
主たる条件が微差の場合、最後に入社を決める理由は、選考時に会った人との相性や人柄などフィーリング、印象が決め手になることが多いです。
ですから、採用候補者が自ら選択した、と最終確定時に自分ごとになっていないことがしばしばあります。入社後に平穏無事であれば当座気にしなくてもよいのですが、上手くオンボーディングしなかった場合に、上記のような一言が出てくることがかなりの確率で起こります。
ですから、わたしは選考で口説くことは極力避けています。そして、おすすめもしません。
ではどうするのか、です。
それは、採用候補者自身が決められるに足る情報や材料を渡しておくだけです。

さて、口説くことをしないもう1つの理由です。こちらが主題です。
それは口説こうとすると、8割がた採用企業側が話す時間になるからです。

面接の時間はできるだけ応募者に自分の話をしてもらうことがキモと考えています。8割がた応募者が話していることが理想です。そうなると、採用企業の面接官サイドは傾聴行動に注力せざるを得ません。全身で応募者に興味を持って、彼彼女のこれまでの仕事経験を聴く、キャリアの方向感を聴く、転職の目的・課題を聴く、です。話をしてもらえるよう、適度な相槌と、合間合間の短い質問をして応募者が気持ちよく話せる環境を整えることです。
その傾聴ができたかどうかを見る目安が、相手の発言量8割です。
応募者に興味を持つことのハードルが高ければ、8割話してもらうことを先に考え、そうすることで結果傾聴している状態を作るのも、有効です。
実態を先に作ってしまう考えです。

わたしは、これは面接の時間をお互いに生産的な場とするために必要なスタンスであり、実行動スタイルだと考えています。それが、実質的に採用競争力が高くない企業における、弱者の戦略そのものに適用できます。
面接官に対しては、面接の60分をとにかく全面傾聴です、と言い続けています。
それだけ言っても、面接官側はアピールしてしまうもの、応募者の実力を品定めしてしまいます。ですから、言うは易し、なすは難しです。
長く時間をかけて、全面・全身傾聴ができるような企業になっていければとかんがえています。

さて、みなさんは傾聴は得意でしょうか。有効だと思いますか。
それでは、また。

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