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#146 「裏切られた」に見る、管理職の都合の良い期待 24/4/20

みなさん、こんにちは。
今日は、期待する、について考えてみます。
少しネガティヴな方向の考察です。ご容赦ください。

考えるきっかけは、ある部長が、退職引き留めの結果報告をされている場面です。引き留めの過程で従業員に対して、部長が感じたホンネの所感についてです。

複数回にわたって似たような言葉のニュアンスやトーンで語っていらしたため、共通項があるのでは、と感じました。結果的に、いずれも退職になってしまったこともあり、考察してみることにしました。

では共通項とは何か、です。
それは「期待していたのに、裏切られた」です。

たとえば、当該メンバー本人の意向を汲んで、「やりたい」と言っていた仕事内容を渡したのに、数ヵ月後には「○○に転職します」とフラれてしまったケースがありました。

また、たとえば、メンバー本人と、課長になることを1年後の目標に掲げて握手していたのに、「スペシャリストとして技術(職種のテクニカルスキル)を磨ける会社に転職します」と、剣もほろろにされてしまったケースもあります。

また別の例では、報酬不満を持っていたメンバーに対しての期待ズレです。前回の評価査定時に、本人が希望していた最低年収額(実力や市場原理の視点からもある程度の道理がある)にかなり近いところまで昇給をさせたのに、あっさりと競合他社に転職を決めてしまったこともありました。

いずれにケースも、「本人の希望に合わせて、××な対応をした【のに】」、と望まない結果になったことを嘆いています。

これが、期待していた「のに」の表現になり、「のに」にホンネが見え隠れします。ホンネとは、私はここまであなたの希望を聞きいれて、それが叶う処遇したにもかかわらず、あなたはその恩を袖にしましたね、との感情です。

自分はここまでしたのだから、あなたもその期待に応える見返りを返してくれるのが当然ですよね、と自分に都合の良い解釈をした期待です。

多少、同情する部分もありますが、上長とメンバーの権力関係や信頼関係を考慮すれば、このような結末のほうが多いと考えます。

ですから、上長側がもう一歩大人になり、信じて信じない、人間のズルさを見越した、懐と思慮の深さを持った対応をしていけると相当Goodな対応と考えます。

自分の期待どおり相手も見返りを返してくれる。この自分にとって望ましい結末を設定することは、常に主観的思考で、独善的な考えだと思います。

ではそう陥らないように、何ができるのかです。

それは、相手が、表層の、レイヤー1の言葉で語っている希望や要望を、鵜呑みにしないことです。そのレイヤー1の希望が、掘り下げていくと、何なのか、何だと想定でできるのか、自分なりの解釈をもつことです。

言っていることでなく、やっていることで判断する、もそれを反映した判断の1つです。

他者の考えも取り入れて判断することもその1つです。同じ事象(今回の場合レイヤー1の要望)をみたときに、ちがうように見える、このことを認識することです。そうすると、自分自身の判断と意思決定も変わる柔軟性を持てるからです。

さて、みなさんは、自分で勝手に期待していて、相手の反応はそうではなかったような経験はどのくらいありますか。
それでは、また。



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