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#254 自分のわかる範囲で企画しまう内向き思考 24/10/11

こんにちは。
今日は、企画を作るときの内向き志向を考えます。

考えるきっかけは、同じ人事部門の同僚が、とある研修を企画している過程で起きたことでした。その同僚Aさんは、半年ほど前に社内のジョブローテションで、人事部門に異動されました。人事の経験はなく(メンバーシップ型の人材育成の是非は一旦おきます)、現場で活躍した経験を事業全体に広げていくことを期待されています。

異動3ヵ月後くらいに、1つの研修企画を課長から任されました。新規で企画するものではなく、既存の内容を、少しアップデートし、チューニングを整えることが主題でした。マネジメント経験の比較的浅いエントリー層を対象にしたマネジメントスキルや、組織リーダーとしての役割遂行の習得が研修内容です。なお、エントリー層のマネジメントとは、チームリーダーのような位置づけと考えていただくとイメージしやすいかと考えます。

同僚Aさんは、異動前はこのチームリーダーの経験を直前2年ほど経験してきました。その自身の知識と経験を軸に、研修内容の企画を考えて進めていました。そこには、チームの同僚がもう2名ほど加わって、議論しながら進めていました。研修実施の1ヶ月ほど前になったころに、課長に最初のレビューを持ち込まれました。

そこである種の事が起きました。過不足点が多く、大きな見直し修正が入ることになりました。それは、部分的要素、たとえば1on1の実行に偏っていたからです。逆に、エントリー層のマネジメントにインストールしたいほかの基礎的な機能、たとえば1次評価者に参考情報を提供することや、何をもってチームをマネジメントするか、の自社なりにフォーカスするポイントなど、かなりギャップがあったからです。

要するに、最低限行なう内容がMECEでなく、偏っていたことです。その偏りは、Aさんが現場で実行していて成功体験のあるマネジメント活動に依拠していました。ここが1つ目の学習点であり、課題と考えます。

自分の理解していること、関心のあることにフォーカスして、企画をしてしまうことです。問題解決プロセスによくあることですが、自分本位の視野狭窄に陥ってしまう罠にはまってしまうことです。

まじめで、熱心な人ほど、その傾向にあるように感覚的には思います。自分の知っている範囲で、自分の持っている課題感に基づき、こうするべきだ、とメタ認知せずに、企画や問題解決の思考を働かせてしまうことです。初心者にありがちな失敗です。

そもそも課長と適度に細かく進捗レビューをして軌道修正しながら進めていればここまでは大きな外れにはならなかったように思います。今日はその点はいったん脇に置いておきます。

自分の見えている視界・視野だけで物事を捉えていると、Aさんのような失敗をしてしまうことが多く見られます。自分にはわかっていない世界がある、と認識したうえで、仕事を進めます。とりわけ今回の例でいえば、人事に関する知見はほぼ皆無の状態であったわけですから、その意味で検挙さんが必要だったかもしれません。

その前提のもと、ほかのチームメンバーの知見を対話をとして取り入れながら、主題にあった成果物を作ります。これが本筋です。仕事の進め方といってよいものです。

これは前回の表層的なスキルではなく、無自覚的な規範等のアンラーンと新たなラーニングと、まとめたことにも通じます。異動前の職場でこれまで使ってきたやり方を、異動後の新たな場でも同じく適用できるのかを見ながら、アンラーニングを図ってみることです。そして、あらたな規範等を学習していくプロセスを進められるとよいと考えます。

さて、みなさんは、自分の認識範囲で仕事を進めて失敗してしまった経験はどのようなものですか。
それでは、また。

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