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#230 事業戦略から紐解き、人事戦略にストーリー展開する 24/8/16

みなさん、こんにちは。
今日は、人事の取り組みと経営戦略や事業戦略を紐づけることを考えます。

戦略と各種の取り組みをつなげる、頭ではわかっていても、日々自組織の仕事に取り組んでいると、部分最適に走ってしまうことはよくあります。よくあるというよりも、むしろ慣性に抗えないことが多いと考えるほうが自然と思えます。

その中で、自組織最適の視野狭窄に陥らず、あるいは定期的に軌道を戻す自己抑制を働かせることをどのように仕組みに取り入れるか、を考えます。

その1つは、定期的に、たとえば最低1ヵ月に1度、少なくとも四半期に1度程度、自分たちの組織のミッション・ビジョン・バリューと事業戦略の結びつきを確認することです。なお、硬すぎず、適度な具合にラフでよいと考えます。

あるいは、KPIを決めておいて、これも定期的に視野にに入るようモニタリングすることができるのではないでしょうか。自分たちの取り組みを経営指標のいくつかに置き換えておいて、経営戦略・事業戦略の実行モニタリング指標の一部に組み込めると、さらに忘れにくく、軌道修正してくれる役割を果たしてくれると考えます。

さて、前置きが長くなりました。

(実例を基に編集しています)
人事部門の取り組み、たとえば1on1をマネージメント活動の中心に置いたときのことを考えています。
事業方針としては、競合企業に売上・利益の規模で並ぶべく、規模拡大を長期スパンで描いています。そのときに競争戦略の違いになるのは、最後は「人材・従業員」と考えます。その従業員の成長がカギになることは言うまでもありません。

一般的に、人材の成長・育成というと、スキルの獲得をイメージしたり、会話の主眼に置かれることが圧倒的に多いと考えます。バズワードのリスキリングは代表格です。完全にスキルの再習得を前提に語られているように見えます。

わたしは、スキル習得は、その時代・市場ニーズにあわせてアップデートすることは変化適応として必要不可避と考えます。一般論と同じです。

ですが、それ以上に重視したいのは、そのスキルを扱うベースになる、マインドセットや思考・行動の様式、価値観の変容と考えます。

たとえて言うならば、Windows95のOSでは、生成AI≒アプリケーションは十分な機能を発揮できないと想像します。フェラーリに軽自動車のエンジンでは、その性能を十二分に発揮しないでしょう。

ですから、いくら最新のテクノロジーやアプリケーション的な意味のスキルを習得しても、それを載せて扱うオペレーティングシステム、すなわちその人材のマインドセットが旧来型では、十分な成果を発揮するに至らないと考えます。

さらに、スキルは競合他社もキャッチアップしてきますから、あまり時間を持たずに陳腐化し、短命に終わることが多いと考えます。そして、その旬の期間であっても、競合と同じスキルですから、平均点レベル、同質化してしまいます。

ゆえに、「違い」を出すのは、そのアプリ的なスキルを動かすOS=わたしたち人の駆動エンジンたるマインドセットだと考えます。

それを1on1を中心とした、個々の従業員との接点の中で、いかに作るか。それは経験学習サイクルを回すことにほかなりません。人材の成長は、経験たる機会と、その機会を学びにする構造化・抽象化する支援のフィードバック、2つが働いてこそ、学習効果を生みます。経験の具体と、フィードバックによる抽象化です。言い換えると、人は、経験軸と人軸によって成長は支援されます。

これを現場現場で回すことが、1on1を通じた人材開発と考えます。それが十分に機能して、つまりメンバーと課長の信頼関係が確立されたうえで、それを組織・チームに昇華します。それが組織開発に生かすことです。

1on1を基点にした、1対1の人材開発が進むことによって最終的には、課長や部長が組織開発をできるようにすること、これが規模拡大の成長戦略を実現するために必要な、人事の戦略と考えています。

このように、経営・事業戦略に、人事の取り組みや戦略をどのようにストーリーとして組み込めるか、それを誰にでもわかるような平易な言葉を用いて、体温を持って語ることができるか、人事部門に求められる素質とスキルではないでしょうか。

さて、みなさんは自部門の取り組みを、経営・事業の戦略に組み込んで語ることをトライされていますか。
それでは、また。

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