#110 多様性は同じものを見て違うと感じるが始まり 24/3/15
みなさん、こんにちは。
今日は、多様性を考えます。中でも、意見が違うこと、目線が合うことを考えてみます。
まず、ごくあたり前の話をします。
それは、同じものや事象を見たとき、人によって感じること、考えることは異なります。
たとえば、同じ映画を見て、同じアート作品を見て、感じたことを共有しあうと、まったく自分とは異なる感じ方、捉え方をしていることがわかったりします。こうした経験は誰しも思い起こせば、一度はあるな、と思っていただけると思います。
That’s Diversity. これが、多様であること、の典型的な具体例であり、多様を理解する足がかりとして、とてもわかりやすいのではないか、と考えます。
採用面接の評価や人事考課・査定においても、同じ行動や成果、成果を出すプロセスを見たときにも同様です。いろいろな見方があり、そこからそれぞれの見解や洞察、評価がなされます。
まず、その見解や考察が違うこと、これはあたり前です。そして、そのこと自体に良い、悪いはありません。
昨年、私の所属する採用部門に異動してきたメンバーがいました。その1年目の目標年間採用数の達成率は90%でした。
上長のA課長はこう評価しました。
「異動4ヵ月後から1人前として早期に立ち上がった。早期に戦力になったのは、自分1人で決裁者やエージェントの社内外の人を巻き込んで主体的に進めたから」
一方、別チームのB課長はこのように評しました。
「確かに推進するエネルギーがありますね。その点は強みと感じますが、少し主体的というよりも、強引で個人プレーと思われる行動が目立っていたように私には見えました。うちのチームメンバーからも、『時間を取られて困っている』としばしば相談を受けました」
このように、一面から見ると「1人でグイグイ推進している」一方、「独善的でワンマンプレー」と見える人もいます。同じ行動を見ていても、異なる見解です。人は多面的ですから、似た行動であっても、そのTPOによって、良いと映るときもあれば、好ましくないと映るときもあります。
ですから、部署、利害関係、性別・年齢、役職などのわかりやすい属性と、できるだけいろいろな立場の人から、複数の人から、それぞれが自分の見えている景色を考え、見解として提示することが求めれる、と考えます。
すると、たとえば人事考課・査定でいえば、現時点で先のメンバーについて、「ある場面では主体的と思われる行動も、現時点では1人よがりな行動と見えることのほうが多く、どちらかといえば発達課題として評価するのがベター」と部門組織の見解とし、最終的な直上長の評価と意思決定とすることができます。直上長1人で決めるよりも、より良い意思決定に基づく納得解を得られたと言えるのではないでしょうか。
まず、同じもの、事象をみたときに、それぞれの見解の違いがある前提を共有します。
次に、その前提のもと、「私はこう思う」「私は賛成だ、反対だ」と自分の考えや見解、洞察をテーブルに出します。
そして、それぞれの考えや見解の違いを認識し、意見交換をし、理解を深めます。
最後に、これらの違いをそれぞれが咀嚼した上で、自分の1つ2つ上の視座に立ち、全体のより大きな効用・善のために何が良いか意見を出します。要は、アウフヘーベンする、です。
これが、ダイバーシティ、多様性の意味ある効果だと考えます。
さて、みなさんは多様性やその効果として、ピンとくるどんな具体事象が浮かびますか。
それでは、また。
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