#121 会議は、意思決定の質とリーダー育成の二兎を追う 24/3/26
みなさん、こんにちは。
今日は、意思決定をする会議シーンについて考えてみます。
わたしは採用・人事部門の立場から、事業部門の意思決定系の会議や戦略議論系の会議に出席することが多くあります。その場合には、人事部門よりは少し広く企画部門、あるいは事業部門の視座でできるだけ意見を出すように心がけて実践もしているつもりです。
企画部門のポジションを強く意識する場合は、その会議参加者のなかの末端役職者、たとえば課長層、あるいは間接部門のほかの参加者(たとえば間接部門課長や部長)が議論の会話においてけぼりにならないように心がけます。
たとえば、論点が分かりにくい場合など、あえてローコンテクストにして質問を咀嚼しなおしたり、質疑応答を往還したりすることで、議論内容の解像度を上げるように働きかけます。
一方、立場上発言力の弱い参加者、たとえ課長層や事業部門のスタッフ層を意識する場合は、役職上位者や声の大きい人のポジションパワーができるだけ影響しないように目配りします。
その上の部門長や事業責任者層が議論している内容が高尚にみえて、彼ら彼女らが議論に入っていくこと自体をためらうからです。
それを防止するためにあえて、「○○さん(課長)今のやり取りで分かりづらい点ありませんか」とストレートに聞いたり、「今の部門長同士の会話の中で、現場から見て疑問に思う点はありませんか」と発言を促してみます。
あるいは、「□□さん(部門長)の今の発言は、××ってことを言っていると理解したのですが、合っていますか」などと直接に問いかけたります。
また、わたし自身は会話や議論の内容を理解できていても、あえてわたし自身が分かっていないように振る舞い、質問を投げかけたり、咀嚼して自分の理解があっているか、を確かめることをします。
なぜなら、ほかの参加者がおいてけぼりにならないように、何の議論が交わされているかをわかるようにするために、です。
その結果、中期的に、できれば発言力の弱い人たちが自分で質問したり、意見を言えるような場にできればと考えています。
言い換えると、これは心理的安全性をつくるための働きかけだと、自分自身を俯瞰してみると、そうした行為だと考えています。わかりやすく効果が出るまでは長い時間を要すると考えています。
実はもう1つの狙いがあります。
それは、参加者の学習効果です。
たとえば、次期事業責任者候補を役員会議に陪席させることがあります。これは、役員間の視座を獲得してもらうような狙い、サクセッションプランの具体策として取り入れることをされる企業もあるのではないでしょうか。かばん持ち、なんて表現される現象です。
その参加者の学習効果をより高められるように、わたし自身は前段の質問や咀嚼を行ない、参加者がおいてけぼりにならないようにしています。
意見を言わないなら会議に出る必要がない=バリューを出していない、の論が1つあります。
一方、組織的な学習効果を狙って、意見を言わなくても会議参加する、の論もあります。
どちらが絶対的な正解、とはありません。
その企業や部門での狙いによります。
さてみなさんの会社では、間接的な学習効果を狙った仕組みにどんなことを取り入れていらっしゃいますか。
それでは、また。
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