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アラサーの孤独ってこんなもんだ

仕事が終わった。今週が終わった。会社を出てスマホの画面を点けると、時刻は23時を大きくオーバーしている。何が華金だ。家につく頃には土曜日だ。

スマホに齧りついてでも間違えることなど無い身体に染み付いた道のりを辿る。インスタを開く。楽しそうでおしゃれなご飯の写真、恋人と仲睦まじく微笑む動画、そんなものばかりが流れてくる。なんだか雰囲気をぶち壊したくなってちょっと病んでる風のテキスト多めなストーリーズを作成する。結局ひよって「親しい友だち」限定で投稿する。

仕事は楽しい。やりがいも感じる。だけど、毎日こんな時間まで働いて帰ったら寝るだけ。平日はろくに遊べない毎日なんて本当に"楽しい"のだろうか。そんなことをぐるぐる考えているうちに最寄り駅に到着する。

晩ごはんを調達するためにもはや常連になったコンビニに入る。身体に善いものなんて少しも口にしたくなくて、カップラーメンとポテトチップス、缶チューハイを持ってレジに直行した。顔を見慣れた外国人の定員さんはいつも通り無関心で、なんかよくわかんないけど良かった。

見なきゃいいのにまたインスタを開く。案の定友達からDMが来ている。正直安心した。でも、そんなことでしか心を癒やせない自分の浅ましさがやっぱり嫌いだと思った。

家についたらやっぱり日付を跨いでいた。人感センサーの搭載された玄関のダウンライトが自分を照らす。物音一つしないわたしだけの部屋に帰ってきた。

手を洗ってうがいをして、コンビニで買ったカップラーメンに早速お湯を注ぐ。3分が待ちきれなくて、先に缶チューハイとポテチを開けた。心の中で「お疲れさま」と呟けば、楽しくて寂しい晩酌の始まりだ。

缶チューハイ片手にLINEを開いた。先週まではそこら辺のカップルよりも密に連絡を取っていた男からの連絡が来ない。今週に入って急に音沙汰が無くなった。ここ2ヶ月毎日必ず仕事が終わった連絡が来て、それからほとんど毎日電話をしていたのに。先週末は些細な隙間の時間すら会いに来ていたのに。仕事がキツくなったこのタイミングで突然だ。なんなんだ。付き合っていないのだから別れを告げる義務すら無い。分かってる。でもムカつく。腹立つ。寂しい。悲しい。何も出来ずに待つことしかできない自分が苦しい。

仕事もつらい。業務内容も人間関係も困ってないけど、小さなことを気にしてしまう性格が自分を苦しめている。最近うまくできない。その癖好きな男から恋愛が来ないことが気になって手につかない。最悪だ。

暇だから恋愛で病むとか嘘だ。こんなに身を粉にして働いてたって恋愛の小さな亀裂がわたしをダメにする。

なんにもうまくできない自分が悔しくて涙が出てきた。孤独だ。誰のために頑張ることも、誰からも必要とされることもない夜。何度も経験してきた夜。何度も涙を流してきた夜。

それでもどんなにボロボロになっても。しっかりお風呂に入って化粧を落とし、スキンケアもボディケアもぬかりなく行ってから眠りについた自分のことだけは少しだけ好きだ。


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