【honne】国際政治の三側面

この記事には、【honne】という題がついています。このシリーズでは、主が国際関係を学んでいて感じた本音をぽつぽつと書いていこうと思います。国際政治について真面目に考えているときもあれば、ぼーっとほかの事を考えているときもあるので、このシリーズの記事が頻繁に出ることもあれば、全くでなくなることもあると思いますが、どうぞ気長に見てやって下さい。

別にそんなに面白いものでもないかもしれませんが、と前置きもしつつ、今日のテーマは、国際政治という研究対象、というよりは国際政治という学問が取り扱う領域についてです。

国際関係、というと、ウクライナの戦争やガザの紛争などが思い浮かびます。しかし、別に国際政治はそれだけじゃありません、ご存じの通り。

すると、私が考える国際政治の三側面とは何か。
 ひとつは、国際法です。法律学、法整備の歴史、条約締結の歴史、国際機関の変遷などを通して、国際政治の実像をつかもうとする側面です。日本人が国際関係というと、これを思い浮かべる人が多いようです。例えば化学兵器や生物兵器、対人地雷と言った軍事安全保障や人権の観点、戦史や歴史的国際関係分析の視点も国際法で整理するとスッキリ体系的に理解ができる気がします。
 つぎに、モデルとしての国際政治があります。外交や民主主義・権威主義国家の発展はおおよそすべてモデル化して研究ができます。比較政治学的手法も半分くらい含まれると思いますが、EVL理論やゲーム理論とナッシュ均衡、軍拡競争や軍備規制、抑止力の理論、権威主義国家と資源の豊かさの関連性など、様々なモデルがあります。一口に「モデル」と言っても、囚人のディレンマや、ウォルツの国際関係システムのモデルなど理論的な側面の強いものから、数理や統計、論理学的に分析を進める国家の行動選択のゲーム理論や大規模量的分析など、様々な研究手法に適したモデルがあります。
 最後に、ナショナルなものとしての国際政治があります。国際政治自体を研究対象として見るとそこまで文化は大きな役割を果たしませんが、国際関係において、言説が文化やナショナリズム、歴史的知識、民俗とどのように関わっているかといった側面を無視することはおそらく正しくありません。言辞構造を分析することでアイデンティティ―ポリティクスに踏み込み、その文化・言語圏における人々の言動や政治、あるいは官僚機構などがどのように発達し、停滞するのかを調べることができます。

で、何が言いたいかというと、国際政治は広くて、自分の疑問を見失いがちだということです。特にそれ以上言うことはありません。ただ、そういう風にいろいろな側面があって、広く浅く学ぶならすべての分野に触れなければいけないし、深く専門性を高めて研究するなら間違えた領域を選ばないように気を付けなければ的外れなことばかり言う羽目になってしまうな、と実体験から感じた、というお話でした。おしまい。

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