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【採用マーケに関わる方へ】"手間なく・効果的"にできる採用広報の手法と題材の優先順位とは

昨今、求職者様が働く企業を選べる時代になり、採用活動において欠かせないのは、採用マーケティング活動ではないでしょうか。

ただ、採用マーケティングの重要性は理解しているけれど、「工数的にできない」・「継続的に行うのが難しい」・「採用活動に直結しないから現状できない」等、様々な理由で、採用マーケティングを運用しきれていない企業様が多いと感じています。

そこで、今回は、採用マーケティングの中でも、最も主流である採用広報に限定して、"手間なく・効果的"にできる採用広報の手法と題材方法についてお伝えできればと思います。

1. 採用広報の"手法"の位置付け

前提として、採用マーケティングの一つとして採用広報を捉えています。本項では、まず"採用マーケティング"について説明します。

採用マーケティングとは:
採用活動における「応募」に至る前のマーケティング活動のこと

つまり、貴社を「認知」して「興味」を持ってもらって「応募」に至るまでに候補者様にどのような手法を用いて魅力を伝えるのか、そのフェーズにおけるアクションを指します。

採用活動のフロー

採用マーケティングの「種類」を具体的にご紹介すると、

 - 採用広報
 - 採用ピッチ資料
 - 採用ブランディング
 - イベント全般
 - カンファレンス登壇

採用マーケティングの種類(一部)

など、上記は一部ですが、他にも多数あります。

続いて、採用広報の話に移ります。

👇まずはこちらをご覧ください。

採用マーケティングの考え方

採用マーケティングの考え方として、「誰に・何を・いつ・どうやって・どこで」というものがありますが、今回の採用広報の手法は「どうやって」の部分に該当します。言い換えると、どのように、採用広報のコンテンツを表現するか?という話です。

2. 採用広報の手法の一覧

結論から申し上げると、採用広報の手法は以下の5つに大別されます。

・テキスト記事
・Podcast
・動画
・インフォグラフィック
・コミック

採用広報の手法一覧

ここから詳細の話に入っていきます。

 2-1. 手法を"工数別"に分けてみる

上述した通り、採用広報で悩まれるポイントの一つが「工数」です。ご紹介した5つの手法においても、それぞれ工数が変わりますので、手法ごとに5段階評価で表にしてみました。

工数別の採用広報手法
※数字の補足 1:工数がかからない 5:工数がかかる

工数的にみると、採用広報において一般的なテキスト記事や、直近、著名企業様が活用し始めているPodcastがやりやすいことがわかります。もちろん、最初はどの手法で行うにしても、一定の工数はかかりますが、慣れてくると上記のようなグラデーションになるかと思います。

 2-2. 手法を"インパクト別"に分けてみる

続いても、採用広報で気になるポイントの一つである「インパクト」(=採用活動における影響度合い)について、5段階で分類してみました。

工数別・インパクト別の採用広報手法
※数字の補足 1:採用活動に影響が少ない 5:採用活動に影響が大きい

正直、インパクト別に分けるのはやや難しい部分もありました。なぜなら、求職者様がいつ・どんなタイミングで見られるのかわからないためです。そのため、今回は採用活動で最低限必要なものを順番に記載しました。

テキスト記事は既に多くの企業様で行われているため、他社様との差別化にはならないことの方が多いですが、多くの企業様で行われているからこそ、求職者様からすると、テキスト記事は無意識的に見たいと感じていらっしゃることが多いです。上記からも、テキスト記事をまずは最初に打ち出していくべきだと考えています。

 2-3. 手法を"優先度別"に分けてみる [結論]

最後に、工数×インパクトを考慮した上で、どの手法を優先的に行なっていくべきかを表にしましたので、まずは以下をご覧ください。

優先度別の採用広報手法
※数字の補足 1:優先度が高い 5:優先度が低い(余裕があれば)

手間なく、効果的に行える採用広報の手法の結論は、「テキスト記事・Podcast」と言えます。一定、クリエイティブな要素が求められる動画やインフォグラフィックは、可能であればあった方が良いですが、その領域に強みのあるメンバーが既に在籍していたり、余裕がある場合で良いかと思います。

ただ、手法がわかったとしても、テキスト記事を作成するのも大変….なかなか現場メンバーに手伝ってもらうことができない….と思われている方もいらっしゃるかもしれません。本ブログではこの部分は割愛しますが、このような場合は、一つ一つの手法において効率的な仕組み化や、現場メンバーに採用マーケティングを行う意義等を伝えていく必要がありますので、ご認識いただければと思います。

3. 採用広報の"手法と題材"の関係

ここまで、手間なく、効果的な手法について触れてきましたが、ここからは採用広報の手法と手法別の最適な題材についてお話できればと思います。

まずはこちらをご覧ください。

採用広報の手法と題材の関係を表した表

上図は、当社ポテンシャライトが定義している採用活動における魅力のフレームワーク「6P+CGM+Tech」で、それぞれの採用広報手法において、適している項目には「○」、あまり適していない項目には「△」をつけた表です。(※「6P+CGM+Tech」のphase、Techは今回割愛しています。)

テキスト記事や動画は、どんな題材でも幅広く求職者様に良い印象を与えることができる一方で、インフォグラフィックやコミックは図や絵がメインとなるため、privilege(福利厚生)や、person(メンバー)、その他(メンバーの割合等)が題材としては適しています。

そもそも、なぜ手法ごとに適している項目と適していない項目があるのでしょうか?それは、手法ごとに求職者様に与えられる影響が異なるためです。以下の表をご覧ください。

手法の特徴をまとめた表

テキスト記事であれば、正確性・詳細さを伝えることができるため、やや内容が複雑な題材(marketやproduct)に特に適しています。Podcastであれば、雰囲気が伝わるため、culture等のメンバーや社内の雰囲気を伝えることに適しています。(その他の手法の説明は割愛します。)

4. 題材の優先順位の決め方

以前、採用広報の題材・企画の優先順位の決め方について以下のブログを書きました。

上記のブログの題材・企画の優先順位の決め方を一言でまとめると、「今の"課題"からボトムアップ or 未来の"計画"からトップダウンで決めましょう」と話しています。(詳細はブログをご覧ください)

ただ、やや抽象的かつ、ブログをご覧いただいている方に題材を委ねている形になっておりますので、今回は具体的な採用広報の手法×題材の優先度をお話しようかと思います。(もちろん、上記のやり方で題材を決めていただいても全く問題ございません。)

最初からここまでご覧いただいた方には、既に察している方もいるかもしれませんが、優先度の高い採用広報の手法は「テキスト記事」です。気になるのが題材の選定ですね。

題材の選定で重要なことは「求職者様が知りたいことは何か?」です。言い換えると、「求職者様が転職する時に特に重要視するポイント」です。

ここからビジネスサイドとエンジニアサイドで分けて説明します。

 4-1. ビジネスサイドの題材の優先順位

ビジネスサイドの会社を選ぶ基準として挙げられるのは、以下に内包されることが多いです。(複数の転職サイトから抜粋しました。)

・仕事内容 (profession)
・ビジョン/ミッションへの共感 (philosophy)
・社風/メンバーの雰囲気 (culture/person)
・福利厚生/年収帯 (privilege)

ビジネスサイドの会社を選ぶ基準

そのため、題材の優先順位としては、以下の内容が良いかと思います。

1. テキスト記事×profession (職種における業務内容や魅力を伝える)
2. テキスト記事×philosophy (代表がビション/ミッションについて語る)
3. テキスト記事×person (メンバーのキャリアや入社理由を伝える)

題材の優先順位

ただ、上記の題材は既に世の中に溢れていて、独自性を出すためにどのように執筆すれば良いか悩まれる方もいらっしゃると思います。そのため、今回は「テキスト×profession」の題材をメインに、採用広報で執筆する上でのポイントと具体事例を紹介します。

まず、職種の業務内容の表現方法は大きく2つあります。一つ目は""軸で表現するパターン、二つ目は"職種"軸で表現するパターンです。

① ""軸の切り口の参考記事
コンサル→AIスタートアップのPdM→DX事業のPMMへ!
YOUは何しにFLUXへ?新規事業「siteflow」立ち上げメンバーの2名が語る魅力と課題とは。

② "職種"軸の切り口の参考記事
中小企業の働き方を変革する中核を担うディップのプロダクトマネージャーとは
エンタープライズ領域のISってどうやってるの?

professionに関する参考記事

人軸のパターンは俗に言う「社員インタビュー、入社インタビュー」です。この手法で表現するのが最も一般的かと思います。ただ、人軸の問題点としては、業務内容の深掘りができない点です。つまり、業務内容を正確に伝えることが難しく、求職者様に完璧に理解していただくのが難しいということです。

前提として、採用広報で伝えられるメッセージは2〜3つ程度のため(伝えたい内容が多いと、逆に伝えたいことが伝わらない)、業務内容の深掘りは別の記事で行う方が求職者様にとってわかりやすい記事になると個人的に感じています。そこで、二つ目の職種軸のパターンが出てきます。

全ての職種において、業務内容の深掘りをしている記事があった方が良いですが、膨大な採用広報記事になってしまうため、その中でも優先順位をつけるとしたら、業界的に最近生まれた職種もしくは、企業独自の職種です。

なぜなら、求職者様が完璧に理解していない可能性が高い職種だからです。上記でご紹介したnoteも、数年前から業界のスタンダードな職種になってきているかつ企業によって特色が出る、インサイドセールスとプロダクトマネージャーの職種を取り上げています。

最後に、独自性のある採用広報を執筆する上でのポイントをまとめると・・

・採用広報では伝えたい内容を2〜3つに整理をすること
・独自の伝えたい内容を正確に伝えられるように、採用広報の企画段階でTIMを利用すること
→ TIMの詳細はこちらをご覧ください。

採用広報を執筆する上でのポイント

 4-2.エンジニアサイドの題材の優先順位

続いて、エンジニアです。

エンジニアサイドの会社を選ぶ基準は、以下のデータが分かりやすいかと思いますので、まずはご覧ください。

転職ドラフト(経験談とデータでわかる!ITエンジニアの転職先の見極め方)より

会社を選ぶ一番の基準で圧倒的に多いのが「一緒に働く人」でした。(全体的に非常に興味深いデータですよね)

エンジニアは、ビジネスサイド以上にどんな志向性を持ったエンジニアが社内に在籍しているのか、技術的に優秀な人がいるのかを見る傾向にあると実際に採用をしながらも感じています。そのほか、エンジニアとして働く上での重要な要素が上位にきている印象です。

そのため、題材の優先順位としては、以下の内容が良いかと思います。

1. テキスト記事×person (メンバーのキャリアや入社理由、チームを伝える)
2. テキスト記事×culture (社内の雰囲気や技術組織の決まり事等を伝える)
3. テキスト記事×philosophy (代表がビション/ミッションについて語る)

題材の優先順位

今回は「テキスト記事×person」の題材をメインに取り上げて、採用広報を執筆する際のポイントを具体事例を交えながら紹介できればと思います。

◆「テキスト記事×person」の具体事例
1. 「リアル」なアセットを武器に、ユーザー視点のサービスを創出。モバイルアプリエンジニアにとってのURBAN HACKSの魅力
2. ディップDX事業本部のQAチームの全てをお伝えします!【ビジョン・仕事内容・カルチャー・今注力していること】
3. デザイナー出身のVPoEと働くってどんな感じ?シニアデザイナーたちが語る本音

「テキスト記事×person」の具体事例

具体事例の1で紹介しているのは、入社理由やこれまでのキャリアについて触れている所謂一般的な、社員インタビュー・入社エントリーで、2・3で紹介しているのはチーム系の記事です。

まず前提として、社員インタビューもチームインタビューも、ビジネスサイドの採用広報を執筆する際のポイントとして挙げた「ターゲットを考慮して、伝えたい内容を2〜3つに整理すること」は同じく意識していただきたいポイントです。

また、前述の通り、エンジニアの会社を選ぶ基準として「一緒に働く人」「風通しの良さや意思決定のライン」等が上位にきているため、特にチームインタビューを取る際には、メンバーを推しつつも、カルチャーが伝わるような構成にすることをおすすめします。

上記の通り、エンジニアサイドとビジネスサイドで題材優先度がやや変わりますので、誰をターゲットにして採用広報を行うかを考えた上で題材選定をしていただけたらと思います。

5. 最後に

ここまで、手間なく・効果的にできる採用広報の手法と題材の優先度についてお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。

今回の話は一概に正解があるわけではないため、一つの参考例として自社の状況と照らし合わせながら今後の採用マーケティング活動に活かしていただけましたら大変嬉しいです!

また、企業側としては、求職者様が選考前・選考中に社内のほとんど情報を調べられるような情報の透明性が高い状態になっていることが理想かと思いますので、その状況を目指して自分自身も頑張ろうと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!


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