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【マーケティングトレース】ナイキ(Nike)|デジタルシフトを加速するスポーツウェアブランド

マーケターの筋トレこと「マーケティングトレース」をしてみます。自分の好きな企業を分析してみると良いよということで!

みんな大好きなスポーツウェアブランド、ナイキ(Nike)をマーケティングトレースしてみます。

ナイキ(Nike)を選んだ理由

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ナイキの創業者であるフィル・ナイトの自伝『SHOE DOG』を読んで、「Just Do It」という言葉に共感したからです。「Just Do It」を翻訳するのはフィル・ナイトがあまり好ましく思っていないようなので避けます。

自粛生活で運動不足で体重が増えてきたし、運動しないと。。。でもなかなか重い腰が上がらない人が一歩踏み出すことを後押ししてくれるブランドがナイキだと個人的に解釈しています。

たとえば仕事においても、やりたくない作業でも、一歩踏み出す(着手できれば)ことができれば、あとは惰性で進んでいきますよね。そんなイメージです。

参考:SHOE DOG - Amazon

ナイキの理念/ビジョン

世界中のすべてのアスリート*にインスピレーションとイノベーションをもたらすこと※アスリート=すべてのひと Nike's Mission Statement and find information about NIKE, Inc. innovation, sustainability, community impact and more


それではマーケティングトレースを初めて行きましょう!


①外部環境分析(PEST分析)

Politics
- 本国アメリカの貿易政策の影響を受ける
- 米中貿易戦争の影響

Economy
- コロナウイルスによる影響
- 競合ブランドが多数
- 発展途上国の低い労働コストに立脚
- マーケットの拡張性

Society
- 健康志向の高まり
- ストリートカルチャーの受容
- SDGsへの意識の高まり

Technology
- 素材の開発、革新
- デジタルシフトの進行

ナイキのような大きなブランドは中小ブランドとくらべて資本力があるので、デジタルシフトに対する投資を行いやすいのではないでしょうか? 

一方で大企業であるため本国アメリカの貿易制作、税制などの影響は受けやすいと思います。

また、生産を労働コストの低い発展途上国で生産していることによる批判などもあるのも事実です。環境面への取り組みとしては再生素材を活用したプロダクトを販売するなどの取り組みを行っていますが、今後より高いレベルでの取り組みが求められることが予想されます。

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②競合の定義(5 Forces分析)

業界競合
アディダス、アシックス、プーマ、リーボック、アンダーアーマーなど

製品での差別化を図ることは難しいと思います。なので、ブランドイメージやオンライン、オフラインでの顧客体験の向上での差別化を図ることが重要ではないでしょうか?

ちなみに決算資料(英語)を見ると2019年〜2020年(会計年度)では、中国での利益は8%伸びていますがその他地域は微減しているようです。

③ターゲティング/重点顧客

年齢/性別
日常的に運動習慣のある全ての人

行動特性
健康志向で日常的に運動習慣がある

嗜好性
ブランドイメージで選ぶ

スポーツウェアを購入するときをイメージしてみると「機能性」、「価格」などもありますが、ブランド毎にそこまで差があるわけでもないのでなんとなくブランドのイメージで選ぶことが多いのではないでしょうか?

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④マーケティングミックス(4P)

Product
- 最新のテクノロジーや素材を取り入れているが競合ブランドと同様

Price
- 競合との差別化は難しい

Place
- デジタルシフトを効果的に実施

Promotion
- ソーシャルメディア、アプリ等を通じたコミュニケーションが巧み

⑤トレース企業の成功要因

要因①
アスリートを支える姿勢を打ち出すブランディング

たとえばコリン・キャパニック(Colin Kaepernick)を起用した広告があります。

試合前の国歌斉唱でベンチに座ったまま立ち上がらず、起立を拒否したキャパニック。「黒人や有色人種への差別がまかり通る国に敬意は払えない」からという理由です。

この行動は、一部保守層から批判を受け、キャパニックを広告に起用いしたナイキの株価にまで影響を与えるほどでした。

しかし、結果的にキャパニックを起用した広告は話題となり莫大な広告効果をもたらしました。常にアスリートをサポートする姿勢を示すナイキへの共感があったと考えられます。

参考:ナイキのコリン・キャパニックを起用した“炎上”広告が、広告誌の最優秀賞を受賞

要因②
デジタルシフト戦略の実行

ナイキは「ナイキデジタルと直営店へのアプローチを強化します。」とのコメントを発しています。実際にZapposなどとの提携を解消すると報じられています。

今後は、ナイキデジタル、直営店を強化し、ビジョンを共有する限られた戦略パートナーのみと関係を続けていく方針のようです。

ちなみに都内だと、翌日配送も可能な場合もありますし、独自の配達業者に委託しているようで配達状況の把握なども簡単にできます。

参考:Nike is expected to cut ties with Zappos, Belk, Dillards and 6 other retailers as the footwear giant doubles down on(英語)

⑥自分がその企業のCMOだったら?

・現時点でのスポーツブランドにおける優位性を活かし、自社プラットフォームでのコミュニケーションへの投資を進める

・実際に行われている卸売の縮小を実行し、自社の一部小売店とオンライン(アプリ中心)での販売の割合を増やす

・データを蓄積し商品開発やプロモーションに活用する


以上、ナイキのマーケティングトレースでした。


ナイキのアプリのクオリティの高さを体感すると今後競合と差がついていくのではないかと思ってしまいます。

皆さんのご意見も是非お聞かせいただけたらと思います!Twitter、noteのフォローやご指摘、コメントなどいただけると嬉しいです。

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