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「汁」から見る地域の話<芋煮会編+おまけ>

汁は自己表現

最近、手作りスープにハマっている。

鍋に水をたっぷり用意して、鶏ガラスープの素・調味料と一緒にひと煮立ち。その時点でも充分美味いのだが、更にお好みの具材を2種類ほどぶちこむだけで風味豊かなスープが完成する。

鶏ガラスープの素は本当に便利だ(使用する調味料や具材に関して、批判コメントを投げかけたい方もいるだろう。そう言う方々はひとまずこの記事を全部読んで、私に一万円以上投げ銭をしてからコメント願いたい)。

話はスープの話題に戻る。卵とネギの鶏ガラスープは生姜をたっぷり入れると体が温まるし、家でデスクワークをしている時なんかは「スープ作っちゃおうかな〜」と気分転換にもなるから、ここ最近家にいるときはスープと仲良しこよしなのだ。

普段、料理大好き人間と話をする機会が多いのだが、同じ卵のスープでも互いに入れる具材や調味料が違うので、今度それ試してみるわ!と盛り上がる。ごま油を足す足さないとか、たまごと一緒に入れるのはワカメか長ネギか、とか。

遊戯王カードに例えると「ふーん、そのカード便利だな。俺も新しく構築するデッキにそのカード加えようかな〜?」といった具合だ。ごま油の魔法カードが存在するわけではないのだが。味噌汁も含め、スープは各々育った家庭や地域の文化の影響で、個性が出やすい料理の一つだ。

寒い日に芋煮汁はありがたい

少し話は変わるが、先日、仙台駅前から徒歩3分・仙台パルコ2の1Fの飲食店GocchoSun (ごっちょおさん)で昼食をとった。

ごっちょおさんは夜の居酒屋営業がメインのようだが、私は今のところランチしか利用したことがない。改めてごっちょおさんが掲載されているグルメレビューサイトを見てみると、飲食店カテゴリに「イタリアン・おでん・スペイン料理」と記載されていたので目がまん丸になった。おでんが異国に挟まれている...
機会があればディナータイムも利用してみたいところ。

さて、お店の紹介もほどほどに。
この日はランチメニューに鰤といくらの刺身丼と山形風芋煮汁のセットがおすすめ!とでっかく載っていたので席についてすぐ注文した。ここのランチは850円〜定食をオーダーできるし、美味くてお手頃なので気に入っている。

それにしても、鰤の丼はあまり見かけないので珍しいな〜と感じた。サーモン丼・まぐろ丼はよく見かけるし、海鮮丼が売りの店であれば、よくオーダーする。鰤の旬は微妙に過ぎているものの、ほどよく脂も乗っていて個人的にはかなり満足。
また、この日は3月とはいえ肌寒かったので温かい汁物がありがたかった。

宮城VS山形 芋煮大戦争、意外とロジカルかもしれん

山形風の芋煮は醤油仕立てで、牛肉が入っている。
この日頼んだ鰤丼とセットでついてきたのも、山形風の芋煮だ。
汁物に牛肉が入っているのはなんともパワフルで、里芋や長ネギ、こんにゃくも一緒にいるので心強い。食べ応え抜群だ。

一方、仙台(宮城)風の芋煮といえば、味噌仕立てで、豚肉が入っているものがオーソドックス。具材の種類もモリモリで「そんなん、豚汁と同じだべ〜」と外野から言われると宮城県民(仙台市民)は目くじらを立てて反論を始める。

(豚汁に関連して、どうでもいい話をここでひとつ。
大学時代、富山県出身の同級生は豚汁(とんじる)を「ぶたじる」と呼んでいた。気になって調べたが、富山での「ぶたじる」呼び定着率はそこまで高くないようだった。北海道民だと「ぶたじる」呼びの定着率が高いと小耳に挟んだことがあるが、なぜ彼女は頑なに「ぶたじる」呼びを譲らなかったのだろうか...。)

山形風芋煮といえば、「日本一の芋煮会フェスティバル」と呼ばれるクソデカ鍋で芋煮をじゃぶじゃぶ作ってみんなで食べようではないかァ!的な、豪快すぎるイベントが例年、山形県で開催されていることを思い出した。鍋は直径6m超えな上、大きなショベルカーやクレーンが登場するくらい大掛かり。一度は行ってみたいヤツである。

2020年は流石にコロナウイルス対策の影響で中止か...と思われた。
しかし、山形県民の芋煮会熱、侮るなかれ。
2020年はドライブスルー&テイクアウト方式で開催していたようだ。

山形風の芋煮と仙台風の芋煮とで、味付けが違うことで毎年芋煮会シーズンは戦争だ!などと騒がれているのかと思っていた。しかし、芋煮に関するツイートのまとめを追ってみると「仙台が山形の芋煮文化をそれとなくパクっていった。芋煮会や芋煮は宮城県の文化だと主張しているあたりがクソ」と主張する山形県民が多いような気がした。あくまで、サラッと目を通しただけなので「気がする」だけなのだが。

実際、山形県の庄内地方では味噌仕立て×豚肉の芋煮を楽しんでいる方々も多いそう。一概に「仙台の芋煮は味噌だから、豚肉だから駄目なんだワ!」と主張しているわけではないようだ。

meijiのお菓子「きのこの山」「たけのこの里」戦争と違って、味の感想だけではなく芋煮(芋煮会)自体の建て付けや歴史などの論点も含めて戦争になっている。

「仙台のは豚汁でしょ?」「いやいや、山形は味の薄いすき焼きじゃないか!」

上のセリフはあくまで一例なのだが、「それはあなたの感想ですよね?」と突っ込まれかねないチクチク言葉もたしかに見受けられる。しかしながら、全員が味の感想だけで戦っているわけではない点においては、芋煮戦争の方が若干ロジカルなのかもしれない...。

ちなみに「芋煮」というワードでネットサーフィンしてたどり着いたこちらのサイトは、サイト名通り最上川の話題ばかりかと思われたが、「山形芋煮マップ」なるページが存在する。サラッと見るだけでも面白いので、時間のある方はご覧あれ。

<おまけ>ジワジワくるものが多い山形県

これは勝手なイメージなのだが、山形県はキャッチーでクスッとくるものが多いような印象がある。山形市内のラブホテル「ホテルUFO」はホテル名通り、そのまんますぎる外観があまりにも有名だし、「もってのほか」と呼ばれる食用菊もネーミングが謎すぎてくすぐったい。

「こんなの、もってのほかだワ!」なんて、厳しいお姉さんみたいな菊だな。

寒河江市・さくらんぼ会館(道の駅 チェリーランド内)のおもしろアイスクリームの話


おまけついでに語らせていただくと、寒河江市におもしろアイスクリーム(ジェラート)を販売している場所がある。
定番のさくらんぼを始め、日本酒味だとか、フカヒレ味だとか、風変わりなアイスが販売されている。

そのおもしろアイス販売所のひとつ「さくらんぼ会館」では現行メニューだけではなく、今まで開発・販売してきたアイス一覧も一緒に掲示している(2019年時点)。

残念!大ヒット!残念!大ヒット!

売れたものは大ヒット、あんまり売れなかったものは残念!というコメントがついているようだった...。うーん、たいへん素直でよろしい!

執筆:恐山・R・クロフォード

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