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【中学数学】中1数学がなぜ大切で面白いのか?

皆さんこんにちは、ならんはです。今日は数学のお話。

自称「社会科オタク」の文系色強め人間(?)の僕ですが、実は高校時代は社会科と同じくらい数学が好きでした。高1のときの担任が数学Ⅰの先生で、数学の入門書や研究書を借りては読み耽っていましたね。その先生は、男子校ゆえにめちゃくちゃ下ネタを交えて説明する先生でしたが、面白い先生でした。

そんなこんなで高校数学に目覚めたのは、そもそも中学でちゃんと数学を勉強してたからだということに気付きました。基礎が身についてないとそこから先は苦労しますもんね。

◎中1数学のカリキュラム

①正負の数
②素数と素因数分解←new!
③文字と式
④一次方程式
⑤比例と反比例
⑥平面図形
⑦空間図形
⑧データの活用←new!

特に素数は小5から、素因数分解は中3から移行してきた単元となります。また、最小公倍数や最大公約数などの話も中学数学で扱われるということです。

また、情報化社会の発展に伴いデータの読み取りや代表値(中央値、最頻値など)など新たに取り込まれた単元もあります。

◎中1数学の勝負は最初の定期テスト

よく言いますよね。
・中学生になると「マイナス」の概念が出てくる。
・数学は単元同士のつながりが強い科目だから、どこかでつまずくとそこから先が大変だ。
って。
まさしくその通りなんです。

まずはマイナスを含む計算の処理をスムーズにできるようにすることが求められます。

夏明けに学習する「一次方程式の利用」までに、符号の処理や移項とかがちゃんとできていないと、文章題が解けるはずないのです。

だからこそ何事も基礎や土台の部分が大事。2学期はどうせ英語で苦しむことになるわけだから1学期は数学に時間を割きましょう。(もちろん英語をおろそかにしていいわけではないですが)

◎「素数と素因数分解」の単元から

ます、素数って何か説明できますか?
素因数分解って何をすることですか?
まあ用語の説明ならそこまで難しくはないでしょう。答えから言うと、素数とは「1とその数自身の他に約数がない数」のこと。素因数分解とは「自然数を素数の積で表すこと」です。

①1が素数じゃないのはなぜ?

では、なぜ1は素数ではないのか?
素因数分解は素数の積で表すことでしたよね。1が素数ではないので、この素数の積で表す方法って一通りしか存在しないんです。
たとえば、
12=2×2×3
80=2×2×2×5
というように、小さい順に並べればこれしかありませんよね。
もし仮に1を素数とした場合、
12は、1×2×2×3とか1×1×2×2×3…のように無限通りに表すことができてしまいます。「1」という数はとても厄介なのです。
なので1は素数ではないという扱いにしているというわけですね。言葉の定義もあえて「1と」その数自身と言っているのはそのためでもあります。

②「○の倍数」の判別法

たとえば4の倍数ってどうやって判別しますか?
これ、学校だとあんまり教えてくれないことが多くて、私自身も塾の先生に習いました。まあなんとなく想像はついていましたが、言語化するのは塾が初めてでしたね。
素因数分解をする際に、これを知っておくと予測がつきやすいというものなので、ぜひ。

もし、これ以外で見つけないといけないときは、13か37あたりを疑うといいことがあるかも。もし違っても責任は取りません笑
例)1517=37×41

2の倍数…末尾の位が偶数
3の倍数…各位の和が3の倍数
4の倍数…末尾位が「00」または4の倍数
5の倍数…末尾の位が0または5
6の倍数…2の倍数かつ3の倍数
7の倍数…1の位の数を2倍して、他の位の数から引くと0か7の倍数
 例)154→15と4に分ける。4×2=8    15-8=7  よって7の倍数。
  168→16と8に分ける。8×2=16 16-16=0  よって7の倍数。
8の倍数…2の倍数かつ4の倍数
9の倍数…各位の和が9の倍数
10の倍数…末尾が0
11の倍数…奇数番目の数の和と偶数番目の数の和が等しい(交互に足してく)
12の倍数…3の倍数かつ4の倍数

③エラトステネスのふるい

素数判別法で知られる「エラトステネスのふるい」はご存知でしょうか?wikipediaで検索すると、10列でやってるパターンしか出てこないのですが、実は1〜6でやると楽に消せます。雑ですみません。

手順1:「1」を消す(青)
手順2: 2を残して2の列を消す→4,6の列を消す(青)
手順3: 3を残して3の列を消す(緑)
手順4: 5を残して左斜めに消してく→30以降も同様(黄)
手順5: 7を残して右斜めに消してく→49以降も同様(赤)
すると、丸をつけたやつが素数になってる。ある程度までは。

実は11の倍数も13の倍数もこれで簡単に見つけられるのですが、120までならすでに消されてることがお分かりいただけるかと思います。11×1から11×10まではすでに1〜10の倍数でもあるからどうせ消えてるんです。なので、11×11=121よりも前までは消せていることになるんです。
ちなみに、平方数(ある自然数を2乗した数)は20くらいまでは覚えておくと良いです。1〜10は九九の範囲でもいけるので割愛。

平方数
11×11=121
12×12=144(いにいに、いしし)
13×13=169(いさいさ、いろく)
14×14=196(いしいし、いくろー)
15×15=225(いごいご、ににご)
16×16=256(いろいろ、にごろ)
17×17=289(いないな、にはく)
18×18=324(いやいや、みによん)
19×19=361(いくいく、さむい)
20×20=400

中学受験で「3.14の段(円周率)」を覚えさせられたのと同じように…。あ、ちなみに中学数学では円周率はπを使うので、覚えなくていいので楽ですね笑

☆中1の整数問題
いくつか問題と答えを置いておきますので、解いてみてください。

問題
①素数のうち18番目に小さい自然数を答えよ。
②63にある自然数をかけて、自然数の2乗にしたい。どんな自然数をかければ良いか。
③2022を素因数分解せよ。
④2022の約数は全部でいくつあるか?

解説
①2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61
②63=3×3×7 すでに3は2乗が作れているので、7
③2022を連除法していくだけ。337が素数であることに注意。
④後ほどくわしく説明します。

答え
①61 ②7 ③2×3×337 ④8つ

◎「文字式の利用」の単元から

ちなみに単元の名前に「○○の利用」って付いているものは基本的に難しいと思った方が良さそうです。

④一般化するということ

文字を用いた数式で「一般化」できるようになることが、この単元の目標です。
一般化ってなんでしょうか?まああえて言語化するとするならば、「どんな場合にでも当てはまるように、文字を使って考えること」でしょうか。厳密な説明は違うかもしれません。

たとえばnを自然数とするとき、
偶数は2n、奇数は2n-1と表すことができます。3の倍数であれば3n、2桁の自然数は10a+bと表せます(ただしa,bは自然数)。
もし、
n=1ならば2n-1=1
n=2ならば2n-1=3
n=3ならば2n-1=5

という風に、1対1で対応することが可能になります。
つまり、nが3とか4のとき、、、と個別に考えるのが「特殊化」、それをnとして一括りで考えるのが「一般化」ってことです。

ちなみに「一般(普遍)」の対義語は「特殊」です、って国語みたいなことも教えます笑

【④-1】約数の個数の求め方を一般化してみる

仮にとある自然数Xを素因数分解します。長いと書くのが大変なので3つの素数とその累乗で構成されるとを考えます。ただ、いくつでも考え方は同じです(これも一般化!)。
a,b,cは素数、m,n,lは自然数とすると、下記が導けます。これは場合の数と累乗をきちんと勉強すると理解できるでしょう。

aについてはそれぞれ0乗、1乗、2乗、…m乗まで選び方が存在しますね(つまりm+1個)。bも同様に0乗、1 乗、2乗、…n乗まで(n+1個)。cも同様にl+1個。それを掛け算すれば良いことになります。
0乗の分を足してあげないといけないので+1がされています。
これが一般化というものです。公式みたいにして考えるときに、この「一般化」という考え方がとても便利になるのです。

ですから、先ほどの2022の約数は
③より2022=2×3×337
全て1乗だと考えて、2×2×2=8となります。
具体的には、1,2,3,6,337,674,1011,2022の8つです。

2の0乗?「2を0回かけるって何?」と思いませんか?
ちなみにある数の0乗は1です。1はある意味便利な数です。

この規則性に気づければわかりますね。ちなみに「マイナス○乗」もあって、それも同じように考えれば求めることは可能です。これはまだ先の話なので、今回は割愛します。

【④-2】11の倍数判別法を証明してみる

仮に5桁の自然数を考えてみましょう。10000a+1000b+100c+10d+eと表せますね(ただしa,b,c,d,eはいずれも自然数)。これが、交互に足していくと一致するということは、以下の式が成り立つということです。

a+c+e=b+d

10000a+1000b+100c+10d+eを変形してみましょう。少し無理矢理ですが、
9999a+1001b+99c+11d + (a-b+c-d+e)
=11(909a+91b+9c+d) + (a-b+c-d+e)
となります。
つまり、11(909a+91b+9c+d)の部分は、「11かけるなにがしか」の形になってるので11の倍数ですから、残りのa-b+c-d+eがもし0(もしくは11の倍数)だったら11の倍数ってことですよね。

a-b+c-d+e=0ということは、移項してあげると、

a+c+e=b+d

になりました!つまりこれが成り立てば全体が11の倍数ってことになります。調べてみると、交互に足して引いて…を繰り返すと0になる、と教えているものも多いですね。まあ同じことです。

◎「空間図形(正多面体)」の単元から

⑤正多面体は5種類しかないのはなぜ?

まずは正多面体の定義と種類を確認しましょう。

定義:
 ①全ての面が正n角形であり、合同であること。
 ②全ての頂点に同じ数だけの面が集まっており、重なりや凹みがないこと。
種類:
 正四面体、正六面体、正八面体、正十二面体、正二十面体の5種類のみ、

1つの頂点に集まる面の数には限界があります。
たとえば、正三角形の場合は一つの角は60°になりますから、同じ頂点に6つの正三角形があつまった時点で多面体は作れません。
360°になると重なりが生じてしまうので、頂点が存在しなくなってしまいます。つまり1つの頂点に6個集まった時点でアウト!
ということは、それぞれの面が正三角形の正多面体は「一つの頂点に3,4,5個集まる」ものしか存在しません(つまり3種類)。一つの頂点に1,2個だとそもそも立体ではありませんからね。

同じように、正方形は一つの角が90°ですから4つ集まったらアウト!ということは、正方形の正多面体は1種類だけ(1つの頂点に3つ集まったもの)。
正五角形は一つの角が108°なので、同様に1種類だけ。
正六角形は一つの角が120°なので3つ集めると360°になってしまう    のでアウト!
正七角形以上も当然無理ですね。

ということでこれ以上は多面体として存在することができないので、正多面体はこの5つしかないということがわかります。

正12と20面体の書き方を誰か教えてくれ()

⑥オイラーの多面体定理

まとめると以下の表ができます。

多面体において、面の数をF、頂点の数をV、辺の数をEとしたとき、
F+V-E=2
という関係式が成り立つことを、かの有名な数学者オイラーが発見しました。この定理を「オイラーの多面体定理」といいます。
まあこれも言ってみれば一般化なんですけどね。
数学で習う公式ってほとんどが一般化の考えを使っています。そして、それに必要なのが文字と式という単元でもあるわけです。

☆定義と定理
ここで少しだけ数学用語のお勉強をしておきましょうか。厳密には公理とかもあるみたいですが、とりあえず定義と定理だけ。
定義と定理の違いは何か。それは、「証明できるかどうか」です。定義は証明できないもの(ルールだから)、定理は証明できるもの(定義から導けるから)です。

中2になると「三角形と四角形」という単元が出てきますが、そこでも図形の定義と定理について触れられますし、「合同や相似の証明」の単元でもきちんと区別して書かないといけなくなるので、今のうちに言葉の意味は理解しておくと良いでしょう。

☆まとめ
中1数学で学習する単元が、すべての基礎(土台)であること、いかに重要で面白いかを感じていただけたかと思います。
スポーツでもそうですが基礎体力を作ることはとても大切なことです。それが中学3年間の数学の中で、中1の1学期にあたるということなのです(2期制の学校では前期ですが)。中1の1学期のテストは、内容が簡単なだけに平均点が高くなります。そんな中で、いかに「満点(に近い点数)を取る」ことの重要性を感じてもらえるかが、中学3年間のカギになります。
合言葉は「満点が当たり前」です。計算テストや確認テストの類も同じです!

そして、もう一つの当たり前が通知表(内申)です。内申は3ではなく4が普通です。そこでいかに5を多く取れるかが高校入試では大事になってきます。
計画的な学習を進めていけるために、中1の基礎作りが大切なのはそのためでもあります。


最後までご覧いただきありがとうございました。
2月ということで、入試も本番!体調管理もきちんとしていきましょう。

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