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「できなければ席替えなし!」損失回避バイアス

2022年も残り1ヶ月半、様々なことにチャレンジしてきました。noteを始めるきっかけになったのは昨年度1年生の学年主任に任命されたこと、ICT化の中で1学年1人1台端末を実現するためにChromebookのさらなる活用を模索したこと、SDGsを考えペーパーレスを少しづつ実行したことなど例を挙げ出せばキリがありません。ふと立ち止まって考えてみると「なぜ自分がこれをやっているのか」と不思議に思いました。また新しいことをたくさん始めると逆風も感じます。「失敗するかもしれない」というマイナスな意見に負けてチャレンジしないという選択肢が頭をよぎることもあります。そのような時には、この心理学の法則がぴったりです。それは

損失回避バイアス

という心理効果です。2002年のノーベル経済学賞受賞者であるカーネマン氏とトベルスキー氏は、多くの人が同じ金額で利得の喜びよりも損失の痛みをより感じやすいことを立証しました。カーネマンらの研究によれば、リスクを取るには損失額に対して2倍の利益が必要であることが明らかになっています。これは資産運用についての研究なので表現が難しいですが簡単に説明すると「人は得することよりも損をすることを恐れ、行動する」ということです。

ごほうびよりも損したくない

このロジックを理解すれば、学校現場や日常生活でも活用することができます。人は「ごほうびをもらいたい」という気持ちを利用するよりも「損をしたくない」という気持ちを利用する方が人を動かしやすいということになります。
例えば、学校ICT化を進める上でなかなか協力的ではない教職員がいるとします。「学校ICTが仕事の効率に影響する」ことを伝えたいとした時、どのような言い回しで伝えることが有効でしょうか?損失回避バイアスの観点では、「ICT化すると仕事の効率が○%上がります」ではなく「ICT化しないと生産性が◯%も下がります」と伝えた方が、相手の心に「刺さる」ことになります。
このように“やるメリット”ではなく“やらないデメリット”を説明することが重要です。
クラス運営でこの心理効果を活かす場合、例えばクラス全体の小テストの点数を上げたい場合「クラス全体の平均点が◯◯点以上なら席替えします ! 」ではなく「平均点が◯◯点以下なら席替えはなし ! 」の方が生徒は必死に頑張るという理屈です。生徒にとって席替えは学校生活の中でかなりのウェイトを占めていますからね😁



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