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【セミナーレポート】実体験に基づく若手パートナーセールスの 「成長」と「育成」の鍵(2024/10/4開催)

1.パートナーセールスのきっかけ
・金内氏は、アライアンス営業部の立ち上げに伴い東京へ異動。社内での経験が評価され抜擢された。
・武田氏は、ウイングアークの営業が主にパートナー経由で行われていたため、自然にパートナーセールスに従事。
2.直面した最大の課題
・金内氏は、パートナーセールスに関する社内ナレッジがなかったことと、パートナー経由の案件に対する社内の理解不足を挙げ、評価制度の改善を通じて解決。
・武田氏は、クラウド製品からオンプレ製品への移行による知識の違いに苦労し、社内外のサポートを受けて乗り越えた。
3.育成に必要なサポート
・金内氏は、少人数のアライアンスチームで再現性のある販路を引き継ぎつつ、新しい協業先の開拓を進める。
・武田氏は、組織としての育成メニューが整っていない中、先輩のやり方を見て覚え、パートナーセールスのトレーニング体制の整備が必要と感じている。
4.今後身に付けたいスキルや知識
・金内氏は、社内外の情報解像度を高めることと資格取得を目指す。
・武田氏は仮説思考を深め、マーケティングの知識を活用してパートナー支援を強化したいと考えている。

Q1. パートナーが受注に繋がらず停滞している場合のサポート方法
・紹介案件の質を担保するため、どの層に提案するかを事前にシミュレートし、具体的な数字を提示してパートナーのモチベーションを維持。
・商談への同行が効果的。なぜ受注が決まらないのかを把握し、アシストすることで成功体験を積ませる。
Q2. パートナービジネス立ち上げ時に効果的だった施策
・新しいパートナーにはビジネスプランの提出を依頼。業界や組織図、目標を明確にし、どの分野で協力できるかを話し合う。
・パートナーに自社製品をしっかり理解してもらい、同行して成功事例を作ることが重要。
Q3. パートナーセールス採用時に社内登用か社外採用か
・幅広い業務をバランスよくこなせる人材がパートナーセールスに向いている。
・立ち上げ期には社内から営業経験者を登用するのが効果的。
Q4. KPIの設定
・パートナー経由の商談獲得数と受注額を指標とし、フィールドセールスと共に管理。
・支店訪問数などの行動目標も仮KPIとして設定し、行動量の可視化が重要。

本noteの要約

皆さん、こんばんは。
パートナーセールスの葛西です。

今週は、先週10/4(金)に開催させていただいたパートナービジネスセミナー「実体験に基づく若手パートナーセールスの 成長と育成の鍵」のセミナーレポートを書かせていただきます。

※長文となるため、要点だけ知りたい方は上述の本noteの要約をご参照いただくか、目次から興味のある質問項目だけ選択してお読みください。
※お話した内容を全て書き起こすと膨大な文字数になってしまうため、お話いただいた内容の要約でまとめさせていただきます。


LT(ライドニングトーク)    

今回はセミナー開始前に、初めてLTを導入してみました。

記念すべき初LTは「自らやりたい」と手を上げてくださった、SalesMarker 山口さんとネットプロテクションズ 藤岡さんのお二方にご登壇いただきました。

株式会社Sales Marker 山口 大介氏

山口さんからはSales Markerの成長とサービスの特長についてお話いただきました。

Sales Markerの「セールスシグナル」と「マルチチャネルアプローチ」

"今興味ある企業の特定×アプローチ“を可能にする次世代のインテントセールスSaaSを提供しており、数ある機能のうち「セールスシグナル」と「マルチチャネルアプローチ」についてご紹介いただきました。

株式会社ネットプロテクションズ 藤岡 秀光氏

藤岡さんからは行動経済学をパートナーセールスに応用するという興味深いテーマをお話いただきました。

パートナーセールスにおける経済学と行動経済学

藤岡さん自身がこの2年間のパートナーセールス経験を通じて感じたパートナーさんに動いていただくために必要なことというのは、合理的な部分(経済学的な要素)だけではなく、「愛」を込めた非合理的な要素(行動経済学的な要素)が重要であるというお話をいただきました。

実体験に基づく若手パートナーセールスの 「成長」と「育成」の鍵

モデレーター紹介

セミナー当日のスライドより抜粋

パネリスト紹介

セミナー当日のスライドより抜粋
セミナー当日のスライドより抜粋

2社のパートナープログラム紹介

ウイングアーク1st様のパートナープログラム(セミナー当日のスライドより抜粋)
スタメン様のパートナープログラム(セミナー当日のスライドより抜粋)


1. パートナーセールスになったきっかけは?

金内氏:
昨年の5月にアライアンス営業部が立ち上がりました。
もともと私は名古屋に新卒で2年いたんですが、アライアンスの立ち上げのタイミングで東京のパートナーさんが増えるよねという話になり、東京でアライアンスチームを作ろうということになりました。

実は私、千葉出身で東京に戻りたいという希望もあったので、社長に「どうやったら東京に異動できますか?」と話をしていたら、ちょうどアライアンスの立ち上げ話が出たタイミングで私が異動することになりました。

異動理由としては、フィールドセールスやインサイドセールス、展示会やセミナーの全てを包括してくれる人材が必要だったため、その経験を一通り経験していた私を抜擢いただいたという形でした。

宗形氏:
ありがとうございます。やっぱりいろいろと社内事情も理解されているし、セールスのクロージングまで経験されているってことが大きかったみたいですね。

金内氏:
はい、最初はフィールドセールスでクロージングまで担当していました。

宗形氏:
やはりクロージングまで経験している人の方がパートナーさんとの商談の時にアシストもできますよね。そういう意味で、金内さんは適任だったんですね。

金内氏:
私は基本的に社内でいろいろ方とコミュニケーションを取っていたので、社内調整がよく発生するこのアライアンスの領域においてはちょうど良かったみたいです。

そういう意味で、後々考えてみるとそのような部分も評価されていたのかなとは思っています。

宗形氏:
パートナービジネスって社内でなかなか理解されづらいポジションでもありますよね。そういう意味では、社内調整が得意な人が向いているのかもしれませんね。

続いて武田さんはいかがですか?

武田氏:
私は金内さんほどしっかりした理由はないんですけど(笑)
ウイングアーク自体が製品販売の8割以上がパートナー経由で行われているんです。

なので、私が新卒で入社した時から営業=パートナーセールスという形で、自然とこの業務に携わってきたという感じです。

宗形氏:
では金内さんみたいに自分で直接顧客へ販売したりする経験は今までにないのですか?

武田氏:
そうですね。ただ、パートナーさんのところで同行支援をしたりというのは行っておりました。

また、当社ではHPから来た問合せについては、パートナーセールス担当が順番で割り振って対応するということもやっていたので、HP問合せ経由で来た案件を自分で担当し、直販として販売してクロージングまで行うという経験はありました。

宗形氏:
なるほど。結構パートナーさんって育成が必要だったりしますか?

武田氏:
そうですね。当社のパートナーさんの多くは長年取引している企業が多いです。逆に新しく入ってくるパートナーさんというのは年に数社、数十社くらいです。

私が担当していたパートナーさんは、基本的にパートナー契約を締結してから2〜3年経っているパートナーが多かったですね。

宗形氏:
比較的取引の長いパートナーさんが多かったんですね。
そのようなパートナーさんに対して苦労はあると思いますが、どういうアプローチをされてきたのか、この後また改めて聞いていきたいなと思います。

2. 今までに直面した最大の課題は?

金内氏:
最初この質問をいただいた時に何を話そうと思ったんですけど、最初に思い浮かんだのは、社内でパートナーセールスに関するナレッジが全くなく、正解が見えなかったことです。

葛西さんが今日のようなイベントを何度か企画してくださっていたので、他社の方からいろいろなお話を聞いて、それを実践することで解決していったという感じです。

もう1つの課題としては、社内では長い間直販100%でやってきていたので、営業部内全体でアライアンス案件の対応フローの理解浸透も必要でした。

直販は自社問い合わせ経由の商談が多い中で、パートナー経由の案件は質が少し粗かったり、価格提示の際にパートナーさんが入っていると少し面倒だと感じられることがどうしても発生してしまうため、他部門の営業メンバーに気持ちよく動いてもらうには、どうしたら良いかと考えることはありますね。

また、パートナーからサービスを紹介していただいたお客様が直接当社の方に問い合わせしてしまって、本来であればアライアンス営業部の方の案件であるにもかかわらず、インサイドセールスが、誤って直販の案件としてフィールドセールスをアサインしてしまう(これまではそうしていたため)など、社内でのパスアップフローがスムーズに機能していないというような問題もありました。

宗形氏:
今はもうその問題は解消されたんですか?

金内氏:
はい、今は解消されていて、シンプルに2つの方法で解決しました。

まず、インサイドセールスがパートナー案件と知らずにパスアップしていなかったことがあったので、これはシンプルにSlackで何度も周知を繰り返し、そういった案件は必ずアライアンス営業部にパスアップしてほしいと伝え続けるようにしました。

もう1つは、評価制度にも問題があるかと考えていたため、評価制度を変更してもらいました。

元々、インサイドセールスの評価の中にアライアンス案件のパスアップ数が入っていなかったのですが、インサイドセールスの評価制度にアライアンス案件のパスアップ数も含めてもらうようにISの上司と調整し、評価制度を変更してもらいました。

宗形氏:
なるほど、社内調整をして解決されたんですね。

金内氏:
はい、そうです。評価制度が改善されて、パスアップがこれまでよりもスムーズになりました。

宗形氏:
わかります。私もそういった場面ではセールスチームに働きかけて、リードソースを変更してもらうことがありました。KPIに入ってないと評価に繋がらないため、なかなか行動に移してもらえないことがありますよね。

金内氏:
そうですね、評価に繋がらないと私自身もやらないなって思います。評価に繋がらないとやる気も出ませんからね。

宗形氏:
セールスはやはりKPIを原動力に動いているため、そういった調整が必要かなと思いますね。ありがとうございます。

では、武田さんはいかがですか?

武田氏:
私は少し毛色の違う課題に直面しました。

元々私はクラウド製品のSalesforce市場のパートナーさんの担当をしていたのですが、Salesforce市場のパートナーさんを3年間担当した後に異動し、クラウドよりも主にオンプレミス製品の販売がメインである大手企業のパートナー群を担当するようになりました。

これまでのクラウドメインのパートナーさんからオンプレ製品メインのパートナーさんに変わったことで、製品のライセンス形態や販売方法も全く違いますし、WARP制度(ウイングアーク1st社のパートナープログラムの名称)の仕切り価格なども違ったりしました。

加えて、大企業になればなるほど年数が長いので、 私よりオンプレミスのライセンス形態を知っていたり製品を知っていたりするので、3年間頑張ってきた経験がゼロからやり直しになるような感じがして、それが非常に大変でした。

また、小規模なパートナーと違って、大企業のパートナーさんだと主幹窓口となるアライアンス担当がいたり、その主幹窓口を必ず通す必要があったりするなどのお作法もあったりで、パートナーさんに動いていただくまでのプロセスが非常に複雑で、学ぶことが多かったです。

宗形氏:
それはどうやって乗り越えたんですか?

武田氏:
もうとにかく社内でライセンスの勉強をしたり、先輩や上司に何回も確認・相談をしたり、元々そのパートナーさんを担当されていた方が他の部署にもたくさんいたのでそういった方々に相談したりと多くの方に教えていただきながら進めていきました。

宗形氏:
なるほど。私もBtoBマーケティングの知識を持っていなければならない立場ですが、パートナーさんの中には当然私よりも知識が豊富な方も多いので、その時は下手に教えてくださいと教えを乞うみたいな感じで、教えていただくことが多いですね。

3. 育成においてどんなサポートやトレーニングが欲しい?

金内氏:
私たちの場合はアライアンスチーム自体がまだ2〜3人と小規模なので、ウイングアーク1stさんほど組織的には整っていません。特に最初の1年目は手探り状態で、とにかく行動をして、失敗と成功を繰り返して学びました。

今は3人にメンバーが増えたので、他メンバーにまずは再現性のある販路から順に引き継いでいこうとは考えています。例えば当社でいうと地方銀行さんからの紹介に非常に注力しており、一定の再現性は出てきたのでそこから順に渡していこうと考えています。

地方銀行さんを引き継いでいく上で、例えば支店訪問して勉強会をさせていただくという場合、時間が20分程度で結構短いことが多いため、端的にサービスの内容や特徴、メリットなどを説明する勉強会を地方銀行さん向けに実施していただくというところからスタートしていただいています。

逆に既存のメンバーは、その戦略部分の起案であったり新しい協業先の開拓・深耕というようなところを対応していくというような役割で、うまく役割分担して進めています。

宗形氏:
メンバーにある程度明確な指示が出せて、行動量をKPIにおいて進めているんですかね。

金内氏:
はい、そうですね。
もちろん、単に紹介数を増やすだけでは面白くないので、どうすれば地方銀行の行員さんがもっと動いてくれるのかなどの戦略部分については各メンバーに考えてもらうようにしています。

仮に数字がうまく伸びない時には、チーム全体でテコ入れしていこうという形にしています。

宗形氏:
なるほど。しっかりメンバー自身にも考えさせて、アウトプットを出させるようにしているわけですね。

金内氏:
そうですね。
むしろ今、東海圏の地方銀行をメインで開拓しているので、私よりも全然一次情報を持っていたりするので、出てくるアウトプットが大きくずれているということもないですね。

あとはフィールドセールスも一緒になって入っているので、フィールドセールスがキャッチした一次情報もうまく活用しながら一緒に戦略を立てています。

宗形氏:
優秀なメンバーが多いということですね。

武田さんはいかがですか?

武田氏:
ウイングアークに新卒で入社した時、特にパートナーセールスの育成メニューやサポートというのはありませんでした。

パートナーによってもやり方が違いますし、企業の規模や業界によってもアプローチ方法が大きく異なるんですよね。

そのため、結構そのパートナーセールスの方によって実施している活動が違っていたり、自身の特色を出されて対応されている方も多かったので、先輩のやり方を見て覚えるというスタイルが基本だったかなと思っています。

ただ一方で、これまでパートナー企業さんといろいろな経験をされてきた先輩社員がたくさんいるため、そういった先輩や上司に相談しやすい環境が整っていることは非常に助かりました。

あと、ウイングアークでは営業部全体で「F100」という取り組みを行っていて、月に1回、パートナーセールスのメンバーが集まって未来について考える会議があります。

この会議では、製品の販売戦略を皆で考えたり、外部の方を招いてどのような活動をされているのかというインプットの機会を作っていたりということを行ったりしています。会社としてこういった場は用意されていて、インプットとアウトプットをしていく機会が提供されていることは非常に有益だと感じています。

ただ、実施して終わってしまっているので、これから少しずつパートナーセールスに関するサポート体制やトレーニングプログラムをしっかりと整備していけたらと思っています。

宗形氏:
そういった定期的なトレーニングや情報交換の場があるのはいいですね。
まだ組織として整っていない部分があるかもしれませんが、それを改善するための取り組みが進んでいるというのは良いことですね。

4. 今後どのようなスキルや知識を身に付けたい?

金内氏:
私は2つあります。
1つ目は、社内外の情報に対する解像度を高めたいということです。私は新卒でスタメンに入社したので、他の会社の内情や業界全体の動向についての理解がまだ浅いです。そのため、各パートナーの内情や業態、業界動向などを鑑みて戦略設計をするのが苦手だなと感じています。

今までは行動力に頼る部分が多かったんですけど、1年経つとある程度の施策はやり尽くしてしまい、次どんなことを実行しようかと考える必要が出てきているため、そのような戦略・戦術をしっかり立てられるようになりたいです。

2つ目が資格取得です。
資格については本来否定派なんですが、例えば地方銀行さんで勉強会をさせていただいたり営業同行させてもらう時に若手だと上司や役職者も出してよと求められてしまうこともあるため、ES・エンゲージメントコンサルタントの資格を取得しようかなと考えていたりします。

宗形氏:
ありがとうございます。
戦略設計については、どうしても一定の社会人経験を積むことも必要かと思いますので、今のマネージャーという立ち位置でどんどん経験を積んでいけば十分に磨かれていくのではないかなと個人的には思ってます。

では続いて、武田さんはいかがですか?

武田氏:
これまでは主にパートナーセールスとして、パートナー企業と共に販売支援や個別施策の策定に携わっていました。

しかし、今後のキャリアを長期的に考えたとき、フィールドセールス以外の業務にも挑戦したいと考え、今年からアライアンス部に異動しました。

現在は、パートナー全体に向けた製品知識向上のためのセミナーや、コンテンツ作成といったマーケティング寄りの業務にも取り組んでおり、これからさらに経験を積んでいきたいと思っています。

一方で、まだ立ち上がり切れていないパートナーの支援も引き続き行っています。これらの業務を進める中で、特に重要だと感じるのは、仮説思考です。

何が不足しているのか、なぜ立ち上がりが遅れているのかを、多くの情報から仮説を立て、業務を進めることが求められています。これが自分にとってまだ足りない部分であり、今後は仮説思考をより深めながら、業務に取り組んでいきたいと考えています。

宗形氏:
ありがとうございます。
私も感じているのですが、パートナー企業もマーケティングの知識を持つことが重要だと思っています。

実際、パートナー企業から「自社サービスをどのように広めていけば良いか」「マーケティングが弱いので、どう伝えればいいのか」といった相談をよく受けます。

私たちはマーケティング会社なので、そういった部分はサポートできていますが、さらにパートナー企業にマーケティングの知識を伝えることで、もっと大きな成果が期待できると思います。

ですので、パートナーセールスに関わる方々もマーケティングの知識を身につけることで、活動の幅が広がるのではないかと考えています。

参加者からの質疑応答

Q1. 最初は順調にパートナーさん経由で受注できていたがその後が続かず、今は停滞している。やる気はあるが結果が出なくなってしまった場合、どのようにサポートしていくべきか?

宗形氏:
現在のパートナー開拓の状況はどんな感じですか?

質問者:
まだ数社しかありませんが、その少数のパートナーに対してもしっかりフォローし、早く成功体験を積んで加速させたいと考えています。最初の2社は契約が進み、売上も立ったのですが、その後が続いていない状況です。

宗形氏:
なるほど。その点については、金内さんが立ち上げの段階で直面したことがあると思いますが、どうでしょうか?

金内氏:
そうですね。質問にもありましたが、提案はしてくれるけれど受注が決まらないということで、その後のモチベーション維持が難しいということですよね。

質問者:
そうです。今はまだモチベーションが高いのですが、あと半年もこの状態が続くと、離脱されてしまう懸念があります。

金内氏:
確かに、紹介はあっても受注に繋がらないとモチベーションが続きませんね。私たちの場合、紹介してもらう案件の質を担保するために、どのレイヤーの人物に提案するか、事前にシミュレートしています。

例えば、役員クラスに提案するなら受注率が何%といった具体的な数字を伝えることで、紹介数だけ増やして決まらないということを防いでいます。

質問者:
それは重要ですね。

質問者:
うちの場合、パートナーに提案からクロージング、受注まで全て任せているのですが、最初は順調に受注が進んでいたんです。

それが最近は、業界的にも親和性が高い案件でも受注が決まらなくなってきました。そこで、商談にもっと積極的に同行した方が良いのか悩んでいます。

宗形氏:
商談に同行するのは良いと思います。なぜ受注が決まらないのかが見えてくるはずですし、成功体験を積むためにもアシストすることが大切です。

質問者:
確かに、その通りですね。今後は商談に同行してみようと思います。ありがとうございました。

Q2. パートナービジネス立ち上げ期に機能した施策や効果的だったアプローチがあれば教えてください。

武田氏:
パートナーが新しく参加する際には、ビジネスプランを作成してもらっています。

どんな業界にお客様がいるか、自社製品は何か、目標、組織図などを提出してもらい、それを基にパートナーと一緒にどの分野で協力できるかを話し合います。

初めはパートナーに自社製品をしっかり理解してもらうこと、そして同行して成功事例を作ることが重要です。

パートナーによって得意不得意があるので、どの領域で販売しやすいかを共に見つけ、その分野での突破口を探すことが、立ち上げの際には大切だと思っています。

これで回答になっているでしょうか。

質問者:
ありがとうございます。パートナーから組織図やどのような属性のお客様に向けたプランを提出してもらうということでしょうか?

武田氏:
はい、当社の場合、パートナーにはビジネスプランを提出してもらい、これは毎年1回、一定のランク以上のパートナーにお願いしています。

そのプランを基にどの分野で協力していくか、今年はどんな目標に取り組むかを毎年確認し合います。

Q3. パートナーセールスを採用する際、社内から登用すべきか?それとも、社外から採用すべきか?

金内氏:
私は採用の最終決定権を持っていないのですが、カジュアル面談を行い、上長に意見を伝える形で採用に関わっています。

メンバーが少ない状況で話し合った結果、パートナーセールスには、何かに特化した人よりも、幅広い業務を80点くらいのバランスでこなせる人が向いているのではないかと思っています。

また、あまり癖のあるタイプよりも、多くの人に好かれるような方がパートナーセールスには適していると感じています。

宗形氏:
確かに、その点は重要ですね。

金内氏:
はい、そのような話を上長ともしています。

宗形氏:
自社での経験から言うと、どのレベルの人材を採用するかにもよりますが、新人や若手であれば、社内の営業経験者を登用するのが良いと思います。

パートナーに対するフォローアップや製品の理解、クロージングまでできる人でないと、パートナーにうまく伝えられないからです。早く立ち上げたいなら、社内の人材が適しているでしょう。

また、素直で行動量が多い人が望ましいです。
立ち上げ期には行動力が求められますので、頭で考えるだけで動かない人よりも、まず動いてみて、その結果から学べる人が理想です。

金内さんの意見と同様に、誰にでも好かれるような人が良いと思います。

Q4. KPIはどのような指標が設定されているか?

武田氏:
現在所属しているパートナーアライアンス部門の観点から言うと、現在530社ほどパートナーがいますが、その中で実際に案件を出してくれているパートナーがどれだけいるか、また受注率がどのくらいかといったKPIを設定しています。

私たちはパートナー全体の支援や底上げに取り組んでおり、全体の売上や案件数といったKPIも管理しています。

一方、パートナー営業部門側では製品ごとの予算やKPIを持っていますが、それ以外のKPIについては各部門長が独自に設定している部分もあります。例えば、活動件数や名刺の獲得数など、部門ごとの特性に応じたKPIを設けています。

宗形氏:
ありがとうございます。金内さんはいかがですか?

金内氏:
私はシンプルに2つのKPIを持っています。

1つはパートナー経由の商談獲得数、もう1つはパートナー経由の受注額です。アライアンス営業部では、パートナーセールスとフィールドセールスを一緒に管理しており、これらの指標で売上と商談数を追っています。

宗形氏:
立ち上げ時からずっとその指標ですか?

金内氏:
はい、立ち上げ時からずっとこの2つの指標で評価しています。

ただ、地方銀行などに注力しているため、例えば支店訪問数もKPIとして仮設定しています。

これは昇進や最終的な評価には含まれませんが、チーム内でのKPIとして設けています。

宗形氏:
立ち上げ期には行動目標の可視化が重要ですよね。

金内氏:
そうですね、非常に大切です。

宗形氏:
私たちの会社でもフェーズごとにKPIを設定しており、最初はパートナー契約数を追っていました。

しかし、契約しても稼働するのは数パーセントであることに気づき、次は案件数やSQLの数、現在は商談数をKPIにしています。

商談の単価や受注率に基づいて、パートナーから生み出す商談の価値を算出し、必要な商談数を割り出しています。

セミナー後の懇親会の様子

当日、会場には参加企業:29社・参加人数:42名もの方がご参加いただけました!

今回は初参加の方も多くいらっしゃったに加え、登壇者が女性ということもあってか女性の参加比率がいつも以上に高かったです。

今回は1時間半の懇親会TIMEを設けましたが、参加者の皆さんが多くの一次情報を取得しようと積極的にたくさんのパートナーセールスの方々と交流されている様子が非常に印象的で、熱気にあふれた会となりました!

今回、いくつか重大発表もさせていただきましたが、パートナーセールス研究会にご参加いただけている皆さんの「挙手」「拍手」「握手」を大切に、これからも皆さんとパートナーセールスの和を広げていきたいと考えています!

今回セミナーおよび懇親会にご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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