見出し画像

東京マラソン2020に出走予定でした

東京マラソンの一般ランナーの参加が取りやめになりました。新型肺炎の注目度と相まって、普段は興味が無い方も気になる話題になっているかと思います。

実をいうと、私も東京マラソン2020に出走予定でした。率直に言うと残念です。残念ではありますが、納得はできています。ひとりの当事者として考えた内容を書き出そうと思います。

大規模故に中止の判断は当然

東京マラソンの出走予定者は3万7500人でした。大会の規模についてこの数字を元にして、例えば野球やサッカーのスポーツ興業の場面に照らし合わせて想像すると誤ります。この大会に係る方々はそれ以上です。

その場に集まるのは東京マラソン財団のスタッフやボランティアもいます。警備を担当される方もいます。エリート選手を支えるスタッフもいます。報道の方々もいます。各協賛企業のスタッフも多く大会の運営に関わります。

集まるのは直接大会に関わる方だけではありません。東京マラソンは世界的にも記念度が高い大会の一つです。ランナーの家族や友人も応援に駆けつけます。

私も以前はそうでしたが、大会の規模はランナーの人数だけでイメージをしてしまいがちです。しかし実際はそれ以上に多くの方が都心に集まります。

日本における新型肺炎の感染経路は厚生労働省からも明確に説明がされていません。日本在住者内での感染が確認された以上、日本は残念ながら感染症の加害国となりうるのが現状だと認識しています。

日本で起きたことは私たち日本国民の手で収束させていかなければなりません。そう思うと、大会規模の縮小とそれに伴う一般ランナーの参加見送り当然の判断だと思います。

措置は「返金せず」代わりに「翌年参加権」

おそらく世間的に評価が分かれるのは、参加取りやめとなったランナーへの措置内容だと思います。措置はこのように書かれています。

1 措置内容
 今回限りの措置として、翌年の東京マラソン2021に出走することを可能とします。
 東京マラソン2021にエントリーする場合には、別途参加料の入金が必要となります。
東京マラソン2020の参加料及びチャリティ寄付金は返金いたしません(募集要項のエントリー規約に基づきます)。
東京マラソン2020シグネチャーTシャツ購入者には、2020大会終了後Tシャツを発送いたします。

要点はおおきく2つ、「返金しません」と「翌年の参加権を与えます」です。この2点において評価が分かれると思います。

返金についてはエントリー規約を確認しておきましょう。

13. 積雪、大雨による増水、強風による建物等の損壊の発生、落雷や竜巻、コース周辺の建物から火災発生等によりコースが通行不能になった結果の中止の場合、関係当局より中止要請を受けた場合、日本国内における地震による中止の場合、Jアラート発令による中止の場合(戦争・テロを除く)は、参加料のみ返金いたします。なお、それ以外の大会中止の場合、返金はいたしません。

意外と細かく書かれていました。おそらく保険の都合なのかと想像します。2017年には横浜マラソンが台風で中止となり物議を醸しました。台風は流石にないとしても、想定しうる自然災害では返金される仕組みとなっています。それにも関わらず見事に「それ以外」のケースが発生してしまったということです。

十数年に一度の機会は守られたのでOK

今回の東京マラソン財団の措置内容について、私の感想としては「十分」だと思っています。ツイッターなどのSNSで散見したランナーの方々の意見も大きく外れてないと思います。

まず参加権についてです。東京マラソンは記念度が高いマラソン大会です。国内外の多くの方が東京マラソンに出走したいと思っています。それゆえに定員を大きく上回る参加申込が行われ、出走できるかどうかは抽選となります。

出走者を決める抽選の倍率は十数倍と言われています。2020年の本大会は11.1倍だったようです。つまり出場したいと願って応募しても、10年に1度出場できるかどうかという狭き門なのです。

おそよ10年に1度の確率でしか得られない機会を損なうのがもっとも悲しい結果でした。それが救われただけでも十分です。

来年の無事開催を望みます

返金に関して構わないと思う理由は、ひとつに規約通りという納得感はあります。

私はそれに加えて、東京マラソン財団に来年こそ無事に開催してもらわなければならないという動機があります。せっかく出場権をいただいても、財団の懐を深く傷つけてしまっては意味がありません。

今回の東京マラソンの参加料による収入は6億7260万円だそうです。これを全部返金というのは手続きにかかる諸経費で余分な費用がかかるのが容易に想像できます。規約通りというのもありますが、財団の損害を思うと止むなしと思ってしまいます。

例外的な事態にも関わらず、難しい判断が必要とされる中、粛々と対応されたと理解しています。東京マラソン財団のこの判断は最大限に尊重します。

東京マラソン2020は中止にはなっていません。エリートランナーだけでも大会を成功させていただき、来年の東京マラソン2021に繋げていただければと思っています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?