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まだ早いけど現状からアフターコロナを考えてみる(2):会社は建物ではなくなり、働き方改革は集大成を迎える

前回の記事「まだ早いけど現状からアフターコロナを考えてみる(1):『日常』が分からなくなる」に続き、アフターコロナについて考えてみようと思います。

緊急事態宣言が発令された現状が長期化して日常と化した後、元の日常に戻る際に戻りきれない状態が「アフターコロナ」と呼ばれる新しい世界です。

アフターコロナは私達の働き方が変わると考えています。私はサラリーマンのWEBエンジニアです。見知らぬ業界は多々ありますが、実体験を基礎としてIT関連業界において想像しながら書いていこうと思います。

会社の住所に意味がなくなる

ITに明るくて柔軟に対応できた企業の多くはテレワークを取り入れていると思います。家で業務をこなす孤独感やコミュニケーションの難しさに戸惑いを覚えながらも、そろそろ十分に慣れた頃だと思います。逆にテレワークだからこそコミュニケーションが密になるなど、利点を活用できている方も多いのではと思います。

アフターコロナで慣れ親しんだテレワークの利点を手放せるかというのがひとつ焦点になってくるかと思います。これは企業文化や業種や職種で判断に色が出ると思います。どちらに振り切るか、どこを落とし所にするかは予想しきれません。正直なところ、私自身の勤める会社がどう転ぶかも分かりません。

もしテレワークで十分だという判断がされた場合で考えていきます。

テレワークが中心で十分と判断した会社は会社という箱のあり方を見直すでしょう。従業員のデスクを並べておく必要がないので、空間を構える価値がなくなります。都心の交通の便の良いテナントに構えている会社は、もしかしたら郊外への移転も視野に入れるかもしれません。

少し脱線します。企業が都心から分散すると、都心の地価が下がると予想できます。すると首都圏の土地の価値は利便性よりも文化的な豊かさに重きが置かれるかもしれません。街の構図がどう変わるかも切り口としては面白そうです。

もう少し時代を経ると、5Gの普及によってARが一般化する世界が訪れると思います。そうなるともはや空間の確保に価値がなくなります。会社の住所は納税地であったり郵便物の経由点としての意味しか成さなくなります。

長年、私達は会社は建物と認識してきました。アフターコロナの私達の会社の認識は「人の集まり」となります。

自然災害や疫病に強くなる

だいぶ極端な例を考えたところで、もう少し元の世界に近い状態を想像してみようと思います。例えば週に数回は出社する組織です。その場合は空間が必要となります。会社の移転はあれど、元の世界と変わらない広さの建物は残ると思います。

まず想定できるのが、自然災害に強くなるという点です。今まで私達は台風が接近した際でも多少の無理をしてでも通勤していました。電車の乱れに苛立ちつつ、台風の進路予報とにらめっこしながら恐る恐る勤務していました。

今後は台風の進路予報に怯える必要はありません。台風接近が五分五分の状態であってもテレワークの号令1つで解決します。台風だけでなく、豪雨・豪雪や、建物が倒壊しない程度の震災に遭った場合も同様に想定できます。

あるいは、インフルエンザの対策として冬季をテレワーク推奨期間とする企業が出てくる可能性もあると考えています。どんな事態でも、健康な身体とインターネットに接続可能な環境があれば経済を回せます。度重なる自然災害から立ち直ってきた日本の経済はより強くなります。

福利厚生が変わる

働き方が変われば福利厚生も変わります。以前に「テレワーク推進で福利厚生も変わる?自宅のデスクとチェアも会社負担で、お尻が痛くならない環境を」という記事を書きました。この記事に書いた内容の通りです。

おそらく交通費を見直す企業は間違いなく出てきます。今は定期代が当たり前のように支給されてますが、出社しないので定期券なんてものは不要になります。

代わりに考えられるのが自宅での業務環境の整備です。机や椅子もそうですが、安定した通信環境を確保してもらうためにインターネット利用料の助成も考えられます。

オフィス街の飲食店が潰れる

暗い話になってしまいますが、アフターコロナはおそらくオフィス街に構えていた飲食店が次々と廃業していきます。今般の騒動でも、自主的な営業自粛ではなく客足が減ったことで休業を余儀なくされた店は厳しいかもしれません。

仕事終わりに一杯という習慣は「リモート飲み会」という新しい文化に取って代わられます。リモート飲み会を楽しむ人は一定数いるようで、むしろ飲みすぎるという意見も見られます。

飲食店がオフィス街から減った一方で、人が集まっている住宅地では伸びるかもしれません。各々が近所の好きな居酒屋に入ってリモート飲み会を実施する世界もまた興味深いです。

アフターコロナは働き方改革の集大成

アフターコロナの働き方という切り口だけで、結構色々な想像ができました。これだけでも大きな変化です。もう元の世界には戻れ無さそうですね。

働き方改革という標語が出来てから随分と経ちますが、その過程で出されてきた提案の集大成がアフターコロナの働き方なのではと思います。

最後に、今回は深く触れませんでしたが、以前に書いた記事「テレワークの導入が業務を成果主義へ転換させる」で書いたとおり、業務が成果主義に強く転換される側面もあります。

今の皆さんの働き方はいかがでしょうか。社会も会社も変化します。一方で私達も働き方に対する考え方を能動的に変えていかなければなりません。


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