HUNTER×HUNTER考察 ナックル・バインの能力についての考察

はじめに

ナックル・バインは蟻編で出てきたビーストハンターであり、その能力は天上不知唯我独損(ハコワレ)と呼ばれ、相手に念での攻撃を当てることでポットクリンという念獣を取り付け、オーラを強制的に「貸す」という能力である。
貸したオーラは十秒につき一割の利息がつき、利息分を含め貸したオーラ量が「相手のオーラ絶対量」を超えると破産し、ポットクリンがトリタテンに変身して一カ月間相手を強制的に「絶」の状態にしてしまう。
効果は絶大ではあるものの、どうしてこんな面倒な能力にしたのだろうか?
おそらくナックルはその名の通り拳で語り合うことを是としており、それでいて相手にダメージを与えないという優しさを待ち合わせた人間だからだろう。
拳で語り、話し合えば誰とでも仲良くできるはず。そんな彼の思想から試行錯誤して生まれた能力なのかもしれない。

寄生型の具現化系能力

この能力は、寄生型の具現化系能力である。
寄生型という概念が既出でなかったときは、ポットクリンが遠距離で離れてもなお存在することから、放出系だと思っていた人も多いのではないだろうか。
実際は宿主のオーラを使用して具現化するため、離れても具現化したままでいることができるのだろう。このため、相性の悪い放出系の能力は使用しなくてもいいわけだ。
具現化系には、具現化したものに特殊な能力をつけるものが多く、ナックルの場合はオーラの貸与という能力をつけたものと思われる。
つまり、実際のオーラのやり取りは、念獣であるポットクリンを経由して行われるということだ。
このオーラのやり取りという能力があるからこそ、ポットクリンはトリタテンに変身してオーラを取り立て、相手を絶にするのである。
宿主のオーラを使用する寄生型だからこそ、このオーラのやり取りが可能となるのだろう。
また、自動型(オート)の念獣なので操作系要素は比較的楽だと思われる。
パッと見では複合能力に見えるが、まぎれもなく純粋な具現化系能力であり、実によくできた能力である。
さらに付け加えるならば、具現化系能力者は具現化したものを感知できるようであり、このことからビーストハンターとしてこの能力は未知の生物を追跡する手段などとしても有効だといえるだろう。

強制的な絶

この強制的に絶にするという能力は、念を扱うものと戦う際に必殺となり得る能力である。
同じように相手を強制的に絶にする能力としては、クラピカの束縛する中指の鎖(チェーンジェイル)が存在しており、これは鎖を巻きつけた相手を強制的に絶にする能力である。
ナックルの天上不知唯我独損(ハコワレ)よりもはるかに簡単で使い勝手の良い能力であるようにみえるが、その実幻影旅団限定の能力であり、それ以外の人間に使うと死ぬという誓約がなされているため、使い勝手が悪い能力ともいえる。
強制的に相手を絶にする能力は、制約と誓約が必要なハードルの高い能力である。
これを実現するためには、乗り越える制約を複雑にするか、厳しい誓約を設ける必要がある。
クラピカの場合は後者を、ナックルの場合は前者でそのハードルを乗り越えたと見るべきだ。

おわりに

唯我独損という名の通り、ナックルが一方的にオーラを貸すのである。貸せば貸すほど相手は飛びやすく、利息があるので自分よりも格上の相手にも有効だ。利息分のオーラはどこからくるのかという疑問を見たことがあるが、利息に関してはオーラは増えていないとみている。
ポットクリンに表示される数字は、あくまで返済しなければいけないオーラの数字であり、貸したオーラはあくまで元本なのだ。
殴れば殴るほど貸す金額は多くなるが、自分のオーラ総量を超えるオーラを貸すことはできない。なので、相手が格上の場合はこの利息が重要になるのである。

てな感じで考察終わり。

追記
と、ここまで書いたものの、寄生型は宿主の思念を糧にして生まれるとあるので、正確には寄生型ではないのかもしれない。
寄生型というより、オーラを貸与した結果、相手のオーラに間借りしている形と考えた方が良いのかも。
宿主のオーラとドッキング状態にあるので、術者から離れても具現化し続ける。
意味合い的にはやはり寄生が近い気がするけど、寄生と相互補助の間な感じなのかな。
制約であり、相手に害を与えないからこそ、成り立っているのだろう。

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