HUNTER×HUNTER考察 ボノレノフの能力についての考察

はじめに

ボノレノフ・ンドンゴは少数民族であるギュドンドンド族の末裔であり、幻影旅団のひとりである。体にあけた穴から音を奏で、踊りながら勇ましく闘う戦士、パブ(舞闘士)でもある彼の能力について、ここでは語っていきたいと思う。

戦闘演武曲

ボノレノフの念能力は、戦闘演武曲(バト=レ・カンタービレ)と呼ばれるものである。
これは奏でた音を戦闘力に変えるというものではあるが、まあ実際に音を戦闘力に変えているわけではないだろう。おそらくは制約であり、特定の音楽を奏でることで、具現化した物質を身に纏う能力なのだろうと思われる(ちなみに、変容(メタモルフォーゼン)という曲では、条件次第で色々化けられるということだが、おそらく王位継承編でクロロはこれをボノレノフに使用させ、盗賊の極意で盗んだ上でヒソカに変身しているのではないかと思うが、これはまた別の話だろう)。
物質に強力な念を込められるのが操作系であり、強力な念を物質にするのが具現化系である。
制約と誓約を用いて何でも切れる刀に近い存在を、戦闘力という名の武装で具現化させていると考えればわかりやすいだろう。

さて、この具現化した武装だが、ちょっと強力すぎるのではないだろうか。序曲(プロローグ)はわかる。音を奏でる制約によって、強力な武装を身に纏い戦闘力を上げる。これは納得できるだろう。
だが、木星(ジュピター)って何だよって思うのではないだろうか。小型の木星のような形の大規模な質量を具現化させて相手を押し潰す。
演舞の時間によってはあり得るのかもしれないとも思ったが、見たところそれほど時間をかけているようにはみえない。
人間の能力の限界を超えすぎである。音を奏でるという制約だけでは到底実現し得るとは思えない。
そこで重要なのが、鳴らす音色が美しいほど高級な精霊が降りてくるという文言である。

精霊

精霊という単語は、ボノレノフの戦闘以前にも存在している。
それが、グリードアイランド編でアベンガネが除念のために用いた儀式である。このとき、アベンガネは自らのオーラと森の精霊(森に棲む生物の生命エネルギー)を合わせることで、強力な他者の念を食らう念獣を具現化した。
ここではっきりと、森の精霊とは森に棲む生物の生命エネルギーのことだと記されている。
ここから類推するに、精霊とは自身以外のオーラ(生命エネルギー)を指すのだろう。

念獣考察一覧にて、アベンガネは森の生物と相互強力(ジョイント)して強力な念を食らう念獣を具現化したのだろうと書いたが、同じようなことがここでは行われているのではないだろうか。
ただ問題なのは、森のように生物が多い場所ではない敵地であれば、いたとして虫程度ではないだろうかということだ。であれば、アベンガネほど強力な相互協力は不可能であろう。
ただここに生命エネルギーが少ないかといえばそれは違う。この場所には蟻にされた人間たちが多くいるのだ。
彼らと相互協力することは可能か?
おそらく不可能だろう。アベンガネの行った儀式を踊りによる音色におきかえたとして、人間のような意志の強い存在を強制的に協力させるのは難しいのではないだろうかと思う。
それが可能であれば、アベンガネも森に限定しなかったはずだ。
そこで気になるのが、王位継承編にてタイソン王子の守護霊獣の説明として出てきた拡散・徴収型という文言である。
相互協力と徴収の違いはなんだろうか。
おそらくは、相互協力の方が協力との言葉通りより多くのオーラを集めることができるのではないだろうかと思う。ただしこれは任意である。
一方で徴収とは、言葉通り相手の許可なく集めることができるのではないかという予測が成り立つ。ただし、任意ではないため、集める量は相互協力よりも微々たるものだろう。
それでも森に棲む生物よりは、人間の生命エネルギーの方が一人当たりは大きいはずだ。
であれば、敵味方問わず音色を聞いた生物のオーラを少しづつ徴収することによって、わかりやすく言うと元気玉として木星(ジュピター)を形成したのではないだろうかという推測が成り立つ。

おわりに

徴収型については作中でまだ詳しく解説されていないため、かなり推測を含んだ考察です。
精霊というのは比喩で、もっと他の制約と誓約によるものかもしれませんが、今ある情報で考えるとこんなもんで十分でしょ(つーか、これが限界)。
アベンガネももしかしたら徴収型なのかなとも思うけど、徴収型についてはまだ詳しくわかってないので、あんな形で書いています。


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