HUNTER×HUNTER考察 ゴトー対ヒソカ戦についての考察

はじめに

ゴトーはゾルディック家の執事長であり、ゼノ直属の執事である。
あっさりとヒソカに敗れてしまった彼だが、そこまで彼らの差は大きかったのだろうか?
ここではそんなゴトー対ヒソカ戦を振り返ってみたいと思う。

ゴトーの能力

ゴトーの念能力は、コインを弾丸以上で連射するというものである。
これは強化した指でコインを弾くのであり、おそらくはコイン自体もオーラで強化しているものと思われる(そうでないとコインがひしゃげて回転などもたないだろう)。
よって、この能力には基本的に強化系能力、補助的に放出系能力が使われている。

さて、この能力を使う際にゴトーの両手は凝の状態にあったのではないだろうか。速射するには両手にオーラを集める必要があったのだろう。
執事長という立場上、普段は部下に命令することが多いため、彼は戦闘でも他が見える位置にいて指示を出すことが多かったと思われる。
そして自分は後ろからサポートする形でコインを射出するという、中・長距離で攻撃する形が多かったのではないだろうか。
また、自分に近づいてくる敵よりも早く速射できる自信があったのだろう。だからこそ、両手以外のオーラは薄かったはずである。
中・長距離戦こそがゴトーの本分であり、接近されるなどということは考えていなかったはずだ。

イレギュラーな戦場

ただ、今回の戦場が森の中というイレギュラーな場所であったことがゴトーにとっての敗因のひとつである。
真上への警戒という普段は必要のないものが存在した。
ただ、通常であればゴトーもこれを警戒したはずである。
それをヒソカは死神クイズによって解決した。
先に見せていたゴムの能力。それによってコインを全方位から飛ばし返したわけだが、ここでゴトーの警戒心は返ってくるコインへと集中してしまった。
人が最も油断するのは、他に集中している瞬間である。これは、ハンター試験の際にゴンがヒソカのプレートを奪ったことにも通じている。
返ってくるコインを撃ち落としたまさにその瞬間こそがゴトーが最も油断していた瞬間であり、それを狙ってヒソカはゴトーの頸動脈にカードを走らせたのだ。

・執事長という立場。
・敵が近づいてきても速射で対応できるという自信。
・森の中というイレギュラーな戦場。
・ヒソカの言葉巧みな心理誘導。

これらが合わさったことでゴトーは敗れたのである。
当初「真面目に応対してんじゃねーよ、よけろよけろ」と言ってたゴトーが、よけなかったせいでやられたわけだ。
戦場を把握し、相手の能力を分析し、相手の思考を誘導する。
ゴトー対ヒソカ戦は彼らの戦闘力に差があったというよりも、ヒソカの強みが存分に発揮された結果によるものといえるだろう。

おわりに

ゴトーは別に雑魚ではないと思う。立場が人を作る(意味が違う)のであり、結局執事長として単独で戦うよりも上の立場での集団戦に慣れたのが痛かったのではないだろうか。
サポート役としてのゴトーの能力は非常にやっかいであり、二人にキルアを追わせず集団として戦えばこれほどあっさりとやられることはなかったはずだ。
こうして考察して再度読んでみると、また面白いかと思います。

それでは、さよなら、さよなら、さよなら。


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