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ハズバンダリーに興味がなかった話

私がトレーナーになりたての頃の話
当時、海外からハズバンダリーという考え方が入ってきました。

採血、体温測定などなど、必要な検査を動物が自ら進んで受けるようにトレーニングする手法です。最近は一般的になってきていますが、動物が自分で進んで検査に協力するなんて、当時のトレーナーにとっては衝撃でした。

ちなみに、そのころの私はトレーニングに一切興味がなかったので
「ふーーーん」
っていう感じでした。
このあと数年間、採血できないトレーナーとして、とーーーっても苦労することになるんですけと。

正確には入ってきたのではなく、日本に導入した人達がいたんです。
「病気は早く見つけてちょっとでも早く対応したい」
イルカを大切にする熱い思いをもった人達がいました

先輩たちは苦労して情報を集め
「ハズバンダリーで採血できる」のは分かった、
しかし、どうすれば出来るようになるのか肝心なところがわからない。あとは試行錯誤、やってみるしかない。
先輩たちは多くの部分を自分で努力して、自分の力で採血の技術を体得していきました。

日本にハズバンダリーを導入した先輩たちはもうすでに引退、もしくは館長クラスですね。実際に現場でハズバンダリーを作り上げ、現在のベースを築いた世代は飼育部長クラスでしょうか。皆さん本当に尊敬します。

どんなトレーニングでも

肝心なところ
最も重要なところ
ここがわからないと何も進まないところ

ってありますよね。これらは教えてもらうより自分で苦労して汗かいて理解したほうが絶対良いです(注意、他人の意見やアドバイスは聞いてね)。
教えるのもとっても難しいです、職人の世界ですね。大事なところは誰も教えてくれないって思ったほうが良いです、残念。

一頭採血できるようになると、他のイルカでも採血出来るようになっちゃいます。しかも、ほかのトレーニングもうまくいき始めます、イルカが離れなくなります、いろんなことができるようになります。しかも、毎日楽しいです。多分イルカも楽しんでいると思います。一気に世界が広がります。良い副作用絶大!
自分で理解したものは自分のもので、自分の財産ですね。

トレーナーは結果が全てですね。

・必要な時に採血できるのが当たりまえ
・さらに採血中のイルカがピクリとも動かない
(イルカが安心してリラックスしている指標)

涼しい顔してっサラーっと採血できると、とーっても気持ちいいですよ。
多分、イルカのほうも全然負担になってないと思います。

採血がうまくできない皆様と、これからトレーナーを目指す皆様へ

先輩や周囲からもらえるのはヒントだけです。
ヒントはいろんなところに沢山落ちてます、すべて有効利用しましょう。イライラしてたり、素直じゃなかったり、悪い意味での見栄やプライドが強すぎるとヒントを見落とします(私の事です、今までにかなり見落としてきました、こんなトレーナーにならないように)
書籍や論文や理論に載っているのはヒントです、答えは載っていません。
答えはイルカが持ってます、イルカに聞いてみましょう、イルカは丁寧にしっかり教えてくれます(どっか行っちゃいます)。

おまけ
なかなか結果が出ない皆様へ

大丈夫
突然いろんなことが一気に出来るようになります、諦めないで大丈夫。
今のままで大丈夫、進んでいるから大丈夫。
いろんなことが全部合格点にならないと結果が出ないことが多いです。
全部合格点になるまでは進んでいるのかわからず不安になると思いますが、
大丈夫、あとちょっとで全部そろいます。

出来るようになります、大丈夫

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