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ことばの「生・変・死」

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2014年11月の記事一覧

ことばの「生・変・死」⑤

「ゆとり」の語源を打ち立てたい。

「ゆとり教育」などでお馴染みのこの「ゆとり」。数年前から定番化してきたこの言葉の語源は一体何なのか?

「寛り(ゆたり)=空間的に広々としている」から生まれたという説が有力だが、正否が定かでは無いらしい。

そこで私の勝手な想像で語源を考える。

湯浴み(風呂)は、昔からそこそこ高貴な人間にしかできない贅沢なものだったはず。湯浴みのできる人間は、経済的かつ空間的

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ことばの「生・変・死」⑥

語源を知った時、愛おしく思えたことば

「黄昏時(たそがれどき)」とは、夕暮れ時のことです。

相手の顔が見えなくなって「誰そ彼(たそかれ)」と

言ってしまう時間であることから生まれました。

辺りが暗くなって、外で遊んでいる子どもを迎えにいく母親が、

少し遠くから子どもを探している情景が浮かび上がります。

なんともノスタルジーな気持ちにさせてくれる、愛おしいことばです。

遠くを見つめ、ぼ

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ことばの「生・変・死」⑦

少女マンガでお馴染みのあのセリフも本質を辿ると…

この世に生まれ、話ができるようになってすぐに覚えることばは案外、意味がわからずとも日々使ってしまうものです。
今回は別れの挨拶「さようなら」についてお話をします。

「左様なら」から来ていることはなんとなく想像ができますが、「そうしなければならないのなら(仕方ない)」というところまで辿り着いた方はさほど多くないのでは?

このことばの本質はどこか

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ことばの「生・変・死」⑧

ことばの3兄弟。

ことばにも兄妹(姉妹)があるとしたら、間違いなくこの3つのことばには血縁を感じます。

それは「ありがとう(有り難う」と「ありえない(有り得ない)」「当たり前」です。

「ありがとう」は、普段有るはずの無いことが起きそれが貴重であったため、感謝の意を込めて使われています。

「ありえない」は、普段有るはずの無いことが起き、それがあってはならないことであったため、否定の意を込めて

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ことばの「生・変・死」⑨

漢字の形から意味も見えてくる

フォロアーさんが40人になりました!
どれだけの方がこの戯言を読んで下さっているのかわかりませんが、本当に感謝です^ ^これからもよろしくお願いします。

さて今回は「話」と「語」の違いを考え、むしろこの意味を未来に浸透させていきたく思っています。

漢字をご覧になれば一目瞭然、「話」と「語」、違いは「千」か「五」か、「舌」か「吾」かなんです。

つまり『千人に舌先

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ことばの「生・変・死」⑩

私が子に1番に教えたことば

「パパ」「ママ」を覚える前から私が一貫して子どもに伝えてきた言葉があります。
それは相手を気遣えることば「大丈夫?」です。

これは日本で生まれたことばではありません。
要約すれば「立派な男性でしょ?」となります。
そこから『非常に強い、しっかりしている』を引き出し、『問題ない、安心だ』のニュアンスで現在使われています。

現在の日本ですと、困ったことがあった時、

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ことばの「生・変・死」⑪

ことばにも『ミッシング・リング』があった!?

ビジネスでもよく使われる

「大変お世話になっております。」の「世話」。

漢字の通り、始めは『世間の人の話』を意味したそうです。

それが『日常的なもの』へ転じ、現在の『やっかい・面倒』へ

至ったのは江戸時代中期。

末期には「世話が焼ける」なんて言葉も生まれています。

ここで不思議が一つ、なぜ『日常』から『やっかい』に至ったのか。

このミッ

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ことばの「生・変・死」⑫

ん?…と思ったらやっぱりでニヤリ!

★ ★ ★ スッキリ!した方は投げ銭をお願い致します! ★ ★ ★

そろそろ議題にあげるだろうと感づいた方もいらっしゃると思いますが、2020年東京オリンピックで一躍生力を強めたことば

「おもてなし」

あれだけ話題になったので、今更ですが一応復習ということで…。

『お客様を歓待すること。お客様の世話をすること。』を意味する、つまり

『表が無いというこ

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