ことばの「生・変・死」⑥

語源を知った時、愛おしく思えたことば


「黄昏時(たそがれどき)」とは、夕暮れ時のことです。

相手の顔が見えなくなって「誰そ彼(たそかれ)」と

言ってしまう時間であることから生まれました。

辺りが暗くなって、外で遊んでいる子どもを迎えにいく母親が、

少し遠くから子どもを探している情景が浮かび上がります。

なんともノスタルジーな気持ちにさせてくれる、愛おしいことばです。


遠くを見つめ、ぼーっとしている相手に

「なに黄昏れてるんだ?」と声をかけたことはありますか?


「黄昏(正読:こうこん)」には『日の盛りを過ぎた頃』の意があり、

それを人の一生に置き換えると『人生の盛りを過ぎた頃=更年期』になります。

つまり「なに老けた顔してるんだい?」と言っているのと同じということです。


ちなみに明け方の時間を「かわたれ時」と言いますが、

これも『彼は誰』から生まれたことばです。

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