ことばの「生・変・死」⑤
「ゆとり」の語源を打ち立てたい。
「ゆとり教育」などでお馴染みのこの「ゆとり」。数年前から定番化してきたこの言葉の語源は一体何なのか?
「寛り(ゆたり)=空間的に広々としている」から生まれたという説が有力だが、正否が定かでは無いらしい。
そこで私の勝手な想像で語源を考える。
湯浴み(風呂)は、昔からそこそこ高貴な人間にしかできない贅沢なものだったはず。湯浴みのできる人間は、経済的かつ空間的に、湯を取ることのできる余裕があったと言えるのではないか。その余裕を意味する言葉として「湯取り」となったというのが一つ。
また視点を変え、多忙な人間が湯を取るという、時間の余裕から来たとも考えられる。
ちなみに「湯を汲む人」の総称として「湯取り」というらしいが、そういった人々が昔、かなりののんびり屋だったのではないかという考えもなんだかにやけてしまう。
今この「ゆとり」は若者を中傷する言葉として根付きつつあるというのがなんとも悲しい。
中傷の意を持って使用する人こそ、「湯取り」の心を持ってもらいたい。
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